僕の香妻交際日記 第56回 ヘルパー選びを甘く見てはいけない

2020/12/09

P16 HK Wife_727

 香港で腰を据えようとするならば、その高い家賃を払い続けるために夫婦共働きという選択が自然と必要になってくる。しかし、夫婦で共働きとなると、家事は誰がやる?子どもの面倒は誰が見る?という疑問が出てくる家庭も少なくはないだろう。そんな時こそヘルパーの出番である。

 しかし、ヘルパー選びを甘く見てはいけない。通常ヘルパーを雇うには代理店の仲介が必要になるのだが、紹介手数料は1万香港ドル前後、雇用契約書にサインしてからそのヘルパーが家に来るまで3ヵ月はかかる。もしあなたが見つけたヘルパーが全く機能せず、他のヘルパーに替えたいと思ったら、上記の1万香港ドルと3ヵ月をもう一度費やさなければならないので、できれば一発でツモりたいところだ

 

Break Contract と Finish Contract

 ヘルパーを提供してくれる代理店に連絡を取ると、雇用可能なヘルパーの履歴書を見せてくれる。履歴書で一番に注目する部分は過去の雇用主たちとのお別れの仕方だ。過去のお別れが円満であったかどうかは契約をBreakしたのかFinishしたのかである程度見当がつく。Breakは契約期間中に解雇またはヘルパー自ら契約破棄をしたことを意味するので、雇用主との間で何か問題があったと考えていいだろう。

 

経験豊富なベテランヘルパーの落とし穴

 ヘルパーに限っては若手とベテランならベテランの方が良いというのはほぼ間違いない。日本や香港の20歳そこらの若者と子持ち40歳の女性、どちらが家事や育児に秀でているか考えてみればその理由は一目瞭然である。しかし、ベテランヘルパーで気をつけなければいけないことがいくつかある。主なところでは…

  1. 言うことを聞かない
  2. 借金をしているかもしれない
  3. 香港のヘルパーコミュニティに強すぎるネットワークがある
  4. 実家の子どもが恋しいなどを理由に突然辞めることがある

 ヘルパーとしての長い経験が仇になることも少なくない。

 

フィリピン人ヘルパーの特徴

 彼女たちの一番の長所は英語が話せるということ。性格は明るく、面倒見がいいので子どものいる家庭ではフィリピン人ヘルパーを好む場合が多い。一方で香港でのフィリピン人ヘルパーのコミュニティは強力で様々な情報がヘルパー同士で日々交わされている。それらの情報が時に彼女たちに悪知恵を与えてしまうことがあるので、ヘルパーの態度や言動が急に変化したときには特に注意しなければならない。

 

インドネシア人ヘルパーの特徴

 多くのインドネシア人は英語が不得意なので、雇用できる最低条件は雇用主が広東語話者であること。彼女たちは性格が穏やかかつ忠実で、雇用主の言うことをよく聞いて働いてくれるので、比較的に日々のスケジュールが固定されている年配の世話などが向いている。また、フィリピン人に比べるとインドネシア人ネットワークはまだまだシェアが低いので、彼女たちが周りの情報に流されて突如不審な言動に走る危険性も低い。

 

前雇用主に連絡する

 履歴書を見て、本人とも面接をして、このヘルパーは何となく良さそうだと思ったら、最後に彼女の前雇用主に連絡を取って実際の働きぶり、人間性を確認することをお勧めする。たまに前雇用主の連絡先を教えたくない素振りを見せるヘルパーがいるので、その場合は要注意である。前雇用主との関係が良くなかったことが考えられるので、そのようなヘルパーは保留にした方がいい。

 

我が家のルールを教え込む

 新しくやってきたヘルパーが食器を割る、洗い残しがある、家電を壊す、置物の配置を変える、掃除ができない、不衛生であるなどは当たり前だと思っておいた方がいい。せっかくお金を払っているのだから彼女たちに全幅の信頼を寄せたいところではあるが、当分は疑い半分、多少のミスは目をつぶるような接し方が無難だ。最初の三ヵ月で我が家のルールを徹底して教え込もう。

 


ルーシー龍ルーシー龍(りゅう)

東京都出身。香港歴7年。元日本語講師。元学習塾塾長。現在香港企業窓際マネージャー。柔道三段。妻は香港人。娘はハーフ。猫は香港仔出身。愛読書は武士道。

 

Pocket
LINEで送る