佐敦(ジョーダン)遊園地をテーマにしたレストラン「荔苑樂園餐廳」

2015/06/02

荔苑樂園餐廳

荔園は、80年代に香港人の心を虜にした、当時香港最大だったアミューズメントパークだ。1997年、荔園は香港政府による住居地区開発政策のため惜しまれつつもその歴史に幕を閉じたが、当時を知る世代は、荔園がどんなに楽しく夢に溢れた場所だったかを今もなお記憶している。
ショップカードは入園チケットをイメージしている 荔園から構想を得たケンジさんデザインのインテリア

ショップカードは入園チケットをイメージしている。荔園から構想を得たケンジさんデザインのインテリアオーナーのケンジさん
オーナーのケンジさん

ケンジさんも荔園に夢をもらった1人だ。彼は家族で四川スタイルのレストランを経営していたが、昨年心機一転荔園をテーマに店内を改装、店名も「荔苑樂園餐廳(Lai Yuen Amusement Restaurant)」に改めた。大々的な路線変更をした背景には、昨年香港を騒がせた出来事が関係しているという。「あの時以来、香港のために自分には何ができるだろう?香港の人たちが楽しめて、そして意味のあることとは何だろう?と考え続けてきました。そしてアミューズメントパーク『荔園』に行き着いたのです」とケンジさんは語る。
開店にあたり、ケンジさんは昔のパークの様子を再現することや訪れた人の心を捉える仕掛けを盛り込むことを考えていた。当時荔園の注目の的だった「恐竜屋」や、「ティノ」という名前の人懐こいアジア象などを見事にインテリアとして再現。また、ショップカードは荔園の入園チケットを模して作られ、パークに入るときのあのワクワク感を体感してもらえるようにするなど、随所にパークをイメージしたサービスをちりばめた。彼はアマチュアだったが、彼の考えるアイディアは香港人の心をつかみ、オープンして半年も待たずに各メディアが取り上げるほどの話題店となった。
塩漬け卵の黄身と鶏炒め 麻婆豆腐

左から塩漬け卵の黄身と鶏炒め(HKD88)、麻婆豆腐(HKD68)

店の看板メニュー「エレファント・ワンダーランド」
店の看板メニュー「エレファント・ワンダーランド」

ケンジさんはメニューにも独自の発想を組み入れた。多くの香港人の趣向に合わせ、茶餐廳のスタイルを取り入れたほか、当時パークのアイドル的存在だった象の「ティノ」をモチーフにした「エレファント・ワンダーランド」などの面白み溢れるメニューも考案した。
店を経営していくには何百通りもの方法があるだろうが、共通して言えることは「お客を楽しませたい」という気持ちだろう。おもてなしの手法は美味しい料理だったり、素敵な思い出を提供することだったりするが、荔苑樂園餐廳のように過去の良き思い出を再現し、心温まる空間や料理を提供するのも1つ。ぜひ、当時の遊園地の雰囲気に触れられる空間に足を運んでみては。

Lai Yuen Amusement Restaurant荔苑樂園餐廳 Lai Yuen Amusement Restaurant
住所:G/F., 7A-7B Tak Hing St., Jordan
電話:(852)2377-2882
時間:07:00~25:00
フェイスブック:laiyuenhk

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