コーヒー特集 Part 7

2019/05/09

荃湾の古い織物工場をリノベーションした
南豊紗廠 The Mills The Mills

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古い織物工場にコーヒーの香りがわいてくる

コーヒー好きな人はこれを見逃すわけにはいかない。今回PPWは、歴史の跡を残すと同時に、お洒落なレストランやカフェなど流行りの建物にリノベーションした「南豊沙廠 The Mills」を紹介する。近年、コーヒー業界にはインダストリアル・スタイルが流行っている。インダストリアルとヴィンテージのデザインを合わせたことによって、コーヒーを楽しめる同時に古いインダストリアル風のユニークな雰囲気を体験することができる「南豊沙廠 The Mills」がオススメだ。

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「南豊沙廠」の歴史、旧事物の美しさを再現

香港は世界でも有名な国際金融センターの一つであり、1960年にかけて香港は繊維産業を中心とする輸出型の軽工業が発達し、荃湾エリアは多くの織物工場が建設された。その中でも「南豊沙廠」は生産量が最も多い織物工場の一つであった。「南豊沙廠」を設立した国内最大の綿糸生産会社「南豐」は2008年に、工場の生産を停止し、倉庫へと変わっていった。そして繊維産業からだんだん去っていた。

この工場では何万戸の家庭の生活を支え続け、香港人にとってはかけがえのない懐かしい思い出となっている。この時期は香港経済長期的の発展と変革ための強固な基盤を築いた時期でもある。何世代にもわたる香港人の強さと開放への勇気の精神を象徴している。

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「The Mills 南豐紗廠」の活性化

「南豐」集団は2014年に創業60周年の記念活動を行う際に、「南豐紗廠」を活性化しようという香港初の建築再生企画を発表した。4年近くにわたり7億香港ドルを投入した、繊維産業をテーマにした新たなランドマークへ改造された。

「The Mills 南豐紗廠」のロゴは糸だ。それは香港の繊維産業のルーツだけでなく、脳と胚の連想も繋がっている。また、ロゴは革新的な精神を受け継ぎ、無限の創造力を育むという「南豐紗廠」の使命を象徴する。活性化した工場はクリエイティブセンターとなり、「CHAT六廠」、「南豐店堂」、「南豐作坊」などに分けられ、商売、展示と起業を集めたオープンプラットフォームである。地元の製造業における黄金時代の製糸工場の歴史を記念する上に、若い世代のリーダーシップと創造的な可能性を鼓舞し、地元のコミュニティに還元して工場に意味を再び与えるという。

 

 

「The Mills 南豐紗廠」のデザイン

再建するということは、過去を消すことではない。「南豊沙廠 The Mills」は古くなって、もう使わない建物に新たな存在意義を与えた。4番から6番までの工場を統合して一つの建物へ改造した。灰色のコンクリートがメインだった建物は昔の香港の雰囲気が漂う。屋根をくり抜いて、代わりにガラスの天窓を設置している。庭には日差しがあり、建物内をより明るく見せている。

ガラス製のカーテンウォールは正面玄関の壁に取って代わり、地下層の全体の小売店がアクセスできるようになっており、工場全体の一貫性を高めている。

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特色があるコーヒーショップ

「南豊沙廠 The Mills」は、過去を忘れずに起業家精神の革新と変革を継承している。創造的かつ革新的な産業を奨励するため、より安い賃料を若者へ提供している。そのおかげで、数多くの店舗が立ち並んでいる。その中でも特色のあるコーヒーショップ2店舗をご紹介する。


 

 

 

 

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店内に入ると、独特の青緑色の壁、ロマンチックなピンクのドライフラワーが飾られて、リラックスした雰囲気に仕上がっている。ノスタルジックな木製のテーブルや椅子とコーヒーバーを設置して、ゲストに心地良い空間を提供している。

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開店理念

店名の「Retold」は英語で「Retell」の過去形で、オーナーのGrace氏がゲストに今まで無視したり、当然なことと見なされたりしていたものをもう一度見直してもらいたいという主張を持っている。DSCF0536人々はコーヒーの成分のカフェインがリフレッシュできるという効果しか覚えていない、コーヒーを飲むことで人々がリラックスできる時間を徹底的に無視した。また、お茶と言えば中國の「点心」しか思いつかない人は多いが、ゆっくりお茶を味わうことを忘れることができる。

Grace氏は、同店を通して、人間は仕事をするだけではないとゲストへ伝えたい。元々はデザイナーだったGrace氏は昔、目覚めてから仕事しか考えていないタイプの人間だった。毎日会社と自宅に通い続け、家族との時間がなくなってしまったことに気づき、仕事を辞めた。反省をしながら見習いからコーヒーを学び始めた。Grace氏はゲスト、同僚や同業者から色々なことを勉強していった。香港に住むとストレスがたまりやすいことに気がつき、ゆっくりコーヒーを楽しんでリラックスできるコーヒーショップをオープンさせた。

 

 

バリスタになるため必要なのは?

コーヒーの知識を更に深く研究し、勉強するときはコーヒーを好きになった証拠だとGrace氏は感じている。水はコーヒーの味に大きな影響を与えるため、水の温度と割合については十分に注意をしなければならない。また、ゲストの反応から自分の淹れたコーヒーが好かれるかどうかがすぐわかる。Grace氏は同僚とコーヒーについて話し合うと、いつも新しいアイデアが湧いてきてコーヒーの新たな発見がある。

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当店の特色コーヒー

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同店はブラジル、コスタリカ、コロンビアから輸入された3種類の珈琲豆を使用、さまざまな割合で混ぜ合わせた2種類の珈琲を提供している。混ぜた珈琲豆はより独特のテイストを持つようになる。おすすめはイタリア式のエスプレッソコーヒーマシンLa Marzocco(ラ・マルゾッコ)で淹れた「Hot Espresso tonic(HKD50)」。繊細で豊かな酸味と甘さが完璧なバランスを持った珈琲だ。

また、「House blend Ethiopia N + Columbia W + Guatemala W(HKD55)」もお勧め。焙煎、水温、注水速度などそれぞれの条件が少しでも乱れた場合は、即座に珈琲のテイストに影響を与えてしまうが、コーヒーポットChemexを使用して淹れたこのコーヒーは豊かでフルーティば味わいを実現してくれる。

コーヒー以外にも、潮州から輸入された珍茶「單叢蜜蘭(HKD55)」は、一口飲むと茶本来の色味だけでなく蜂蜜の甘さも味わうことができる。

社会に珈琲文化を導入したい彼女がミニバスに乗ったとき、偶然「The Mills 南豐紗廠」がテナントを募集しているという告知を目にした。地域の活性化と地元の中小企業創業者への支援するため賃貸料が市場より手頃な価格に設定されており、彼女は入居すること決めた。

彼女は同店を通じて客にゆったりとリラックスすることができる快適で静かな環境を創り出したいと考えている。(オンライン世界にから離れて親戚や友人とコミュニケーションをとって欲しいと考えるため、店内にはWiFi環境がない)


住所:Shop 102, 1/F., The Mills, 45 Par Tin Pak St., Tsuen Wan
時間:火~日、月休11:00~19:30

 

 

 

Koko Coffee Roasters

「Koko Coffee Roasters」は香港を拠点としたCoCo Espressoのブランド。ハイレベルのコーヒーを提供している。CoCo Espressoのコーヒーを飲んだことがなければ、コーヒーファンだとは言えないほど好評を得て、ビジネスパーソンの中で人気があるという。CoCo Espressoの系列コーヒーショップはそれぞれのスタイルを持ち、さまざまな種類のコーヒーを提供している。オリジナルの焙煎技術と産地直送のコーヒー豆を中心にした「Koko Coffee Roasters」はオーナーのJohnson Ko氏が経営する。

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開店のきっかけとは?

オーナーのJohnson氏は、コーヒーは物語を語る手段の一つだと同時に、人々とお互いに深く理解するのに不可欠な媒体であると考えている。明るい性格を持つ彼もコーヒーのおかげで、たくさんの人々と知り合うことができる。コーヒー文化を促進するためには、安い値段で本格的なコーヒーをゲストへ提供し、コーヒーの魅力をゲストに感じてもらうべきだと主張する。

Johnson氏によれば、最近のトレンドとしては、顧客はシングルサーブコーヒーのような純粋な味を追求する傾向にある。そこで、当店ではまず価格を下げつつもコーヒーが味わえるように敷居を下げた。同店の珈琲豆は香港で焙煎処理をするので、同じタイプのコーヒーに比べて価格設定も安価だ。また珈琲を買うと珈琲豆が無料で貰えるなど様々な特典が用意されている。

香港の人々がシングルサーブコーヒーをより受けやすくする、すなわち人々の好みに応えるように特別な焙煎方法を採用、珈琲豆の酸味を減らすと同時に、甘味を高めることができるのだ。

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VintageProbatg22コーヒー豆焙煎機

DSCF0587同店では1950年代のドイツ製コーヒー豆焙煎機Probat UG22を使用、珈琲豆焙煎機のロールスロイスとも言われるProbat UG 22は22kgのコーヒー豆をわずか10~15分で処理することができ、焙煎された珈琲豆も他店舗より良質だ。

Johnson氏はリサイクル業者からこのリニューアルされたProbat UG 22を見つけたが、法律や賃貸など様々な要因から、この機械を使用するに値する適切な場所をなかなか見付けることができなかった。幸いなことに、彼は「The Mills 南豐紗廠」告知を目にした。賃貸も店舗面積も運営には相応しく、そしてここで開店することにしたという。

 

 

「KokoCoffeeRoasters」の特色

同店で提供している珈琲はすべてバリスタが心を込めて作っっている。特に「Hand Drip(HKD45)」は、シングルサーブの純粋な珈琲豆の味を思う存分味わうことができる。ケニア産の珈琲豆を使用しており、滑らかで酸味の好きな方におすすめ。

黒ビールのように見える「Nitro Coffee(HKD58)」は、まろやかで滑らかなテイスト。「コーヒーと魯肉飯のセット(HKD88)」は、インドネシア産のスマトラアチェ珈琲豆で作った珈琲を提供している。魯肉飯とハンドメイドコーヒーは、量も味もビジネスパーソンにぴったり!

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デザートはLevain Bakeryから毎日同店へ届けている。保存料を一切使わず天然酵母で熟成させており、焼き立てクロワッサンと香り豊かな珈琲を楽しみながら、友人や家族とのんびりとした時間を過ごしてはいかが?


住所:G/F., 45 Par Tin Par St., Tsuen Wan
時間:月~金 9:00~20:30、土~日 11:00~20:30

 

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