特集:働く女性って、ス・テ・キ!Part 1

2018/02/06

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“働く女性”座談会in香港

今回、PPW編集部は香港で活躍する日本人女性の方にご協力いただいて「働く女性座談会」をパーソル香港(旧インテリジェンス香港)オフィスにて開催!仕事に対する考え方や働き方、海外で働くにあたっての不安など、生の声で赤裸々に語っていただきました!

座談会にご参加いただいた日本人女性の皆さま

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米谷 光代さん(香港在住2年目)
大阪大学外国語学部(旧大外大)を卒業後、駐在員として香港に赴任し、現職は大和証券キャピタル・マーケッツ香港のコーポレートアクセス部門アジアリージョナルヘッド。プライベートでは小学生の息子を持つ1児の母。趣味は料理とスポーツ。現在は親子で少林寺拳法と北京語習得に励んでいる。

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小林 敏子さん(香港在住9年目)
大阪大学外国語学部(旧大外大)を卒業後、新卒で香港へ渡り、メーカー業界に就職。その後、2回の転職を経て、2016年5月に日系旅行会社「近畿日本ツーリスト香港現地法人」へ転職し、現職はシニアトラベルコンサルタント。父の駐在で幼少期の8年間を中国で過ごす。プライベートでは香港少林寺拳法同好会で活動をしている。

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三橋 早弥さん(香港在住3年目)
主人の駐在がきっかけで、香港へ移り住む。カメラマンとして独立し、家族写真などを撮影している。同時に、PPWでも取材&撮影を担当。ヨガが趣味で、PUREYOGAに通っている。

Q1. 香港で働き始めた経緯について
三橋(以下、三):私は、主人の駐在がきっかけで香港に来て、ただ、専業主婦が向かなくて、フリーランスのカメラマンとして独立したのがきっかけ…専業主婦が辛かったのがきっかけ?ですかね、笑。
座長(以下、座):香港にはいつ頃来られたんですか?
三:2年前来ました。
座:どのようなお客様が多いですか?
三:日本人駐在員のご家族の家族写真撮影が一番多いですね。ただ、香港が大好き過ぎて、香港の魅力を伝える仕事がしたくて、最近では、PPWで取材と撮影の仕事もしています。
座:小林さんはいかがですか?
小林(以下、小):私は中学生の頃から、日本で働くよりも香港で働きたい、という気持ちがありましたので、大阪外大へ進学しました。
座:専攻は何をされていたんですか?
小:中国語。子どもの頃から親の仕事で海外に住んでいましたので、日本の生活が合わないみたいで(笑)。
座:その時は、親が駐在員で海外へ行かれたんですか?
小:そうです、父親の仕事です。
座:中国語を専攻されたきっかけは?
小:元々、中国語を話すことができたので、簡単に卒業できるかなと思いまして。
座:中華圏の滞在歴が長いんですね。
小:そうなんです。中国に8年住んでて、子どものときに。
座:香港にはいつ頃来られたんですか?
小:2009年に来ました。
座:中国という選択肢もあったんですか?
小:いや、ありませんでした。中国には長く住んでも、いずれは帰らないといけませんが、香港では永住査証を取得したら、香港で何でも好きなように生活を送ることができるので。個人的にはブルー・スリーが好きなので、香港来たいな、という気持ちはありました。
座:小林さんは、駐在員として香港へ来られたんですか?
小:現地採用です。大学を卒業後、香港では現地採用で働いています。
座:中国語を使う仕事が多いんですか?
小:お客様は99%香港人なので、ほぼ広東語を使用しています。
座:米谷さんはどのようなことがきっかけで香港へ?
米谷(以下、米):私の場合は、サラリーマンの駐在なので、会社から異動の辞令が出たからというのが理由です。そもそもは、とにかく海外に出たかったので、「世界どこでもいいから、海外に出して欲しい」っていうのをずっと会社へ申告していまして、やっと願いが叶って香港へ来ることができました。
座:香港は何年目になるのでしょうか?
米:今、ちょうど2年目に入ったところですね。
座:元々、香港が希望だったんですか?
米:香港、シンガポールがターゲットでした。理由としては、私はシングルマザーで、子ども育てながらも働いていたので、日本だと、シッター代が嵩んでしまいます。ちょうど香港から帰任した上司が、「香港とかいいんじゃないの?香港やシンガポールだと、アマさんという制度があって、米谷さんの場合、絶対、そっちの方が楽だよ」って言ってくれて。できればアジア、そうでなくても、私にとっては海外が働きやすいと思い、海外を希望しました。
座:米谷さんも小林さんと同様、中国語を専攻されていたんですか?
米:専攻はロシア語でしたが、背に腹は代えられないので、「働きやすさ」という面で、香港に行こうと決めました。
座:ちなみに、ロシア語を専攻されたきっかけは?
米:当時の先輩が、「将来、長い目で見たときに、ロシアは、石油などの資源があるからいい。しかも、ロシア人は、絶対英語勉強しないし、しゃべりたがらないから、世界の大きな地図を埋めるには、ロシア語と英語やってたらいいよ」って。今思うと、中国語だったなって後悔しますけど。全然ロシア行かないので(笑)。
座:仕事でロシア語を使う機会はないんですか?
米:一度もありません。ネタで使えるだけ(笑)。
座:ありがとうございます。上司が背中を押してくれたおかげで香港で働く機会を得たんですね。
米:そうですね。
Q2. 香港での就職(または駐在)が決まった後、周りの反応について
米:子どものいる女性が駐在として赴任するっていう前例がなかったので、非常に驚かれました。「子どもがいても、会社って行かさせてくれるんだ」みたいなリアクションはしました。一般的には、「日本で働くほうが楽なんじゃない?」って考えがちじゃないですか。なので、「そもそも何で?」「正気!?」みたいなリアクションは沢山ありました。
座:日本にいらっしゃった頃は、ご両親の支えもあったんですか?
米:両親は大阪在住、私は東京勤務でしたので、何かピンチがある時は、新幹線代を出してもらっていました。(香港の)アマさん代に比べれば、日本での生活が断然お金がかかっていましたので、私としては香港で働いて生活する方が絶対楽だったんです。
座:ご両親の反応はいかがでしたか?
米:両親は、「夢叶ったんだね」っていう反応でした。プラス、「本当に母一人子一人でやっていけるのか」っていう不安もあったみたいです。ただ、「全力で支えるよ」と言ってくれました。
座:なるほど。力強いですよね。ご友人の反応は、ネガティブ、ポジティブ、どちらの反応が強
かったですか?
米:ネガティブな反応をした人は1人だけです。整体の先生に、「ちょっと体が心配」と言われました。でも、それ以外はみんな、「女性活躍の例となるように頑張ってこい!」とか「かっこいい!」励ましの言葉が多かったですね。
座:すごいですね。小林さんはいかがですか?
小:周りにずっと「海外で働く」って言ってたんで、「行きたいとこ行けてよかったやん」みた
いな感じで、特に大きな反応はありませんでした。
座:最初、新卒で海外で働く際に不安はありませんでしたか?
小:全く。とりあえず、日本を出たい一心で。
座:日本で働こう、という考えはなかったんですか?
小:ゼロですね。「ここ(日本)におれへん」って思って、採用してるとこを片っ端からネットで検索しました。(最初に入社した)1社目は、東莞の工場と香港を行き来する仕事でした。
座:海外で働きたいと考えるご友人は周りにいましたか?
小:結構います。自分にとっては普通でした。
座:新卒採用はすぐに決まりましたか?
小:すぐに決まりました。私は1社だけしか受けてないんですよ。複数受けたら、面接で(香港に)来ないといけないので、まずは1社面接を受けてみたら、すぐに採用が決まりました。
座:なるほど!素晴らしいですね!三橋さんはいかがですか?
三:私も、ほとんどはポジティブな反応でした。というか、「いいなー」って言われることが多かったですね。なんか昔のイメージを引きずってるのか、駐在員の妻というとセレブなイメージがあるみたいで。今は、そうでもないと思うんですけど。あと、香港の事情を知ってる方だと、「便利なところだからいいね」とか「他の国も行きやすいね」とか。ただ、私も、1人だけネガティブな反応した友人がいて、「あんな汚いとこヤダ」って言われました(笑)。
座:ご家族の反応はいかがでしたか?
三:そんなに大した反応はなかったです。「いってらっしゃい」くらいの感じでしたね。元々、大学の頃から実家を離れていましたので、もうどこに行っても同じ感じだったみたいです。

Q3. 香港で働く際の不安について
座:香港で自分で独立して働く際の不安はありましたか?
三:不安は特にありませんでした。日本人のお客様か、日本語を話せる香港人の方だけですので、日本で働いていたときとあまり変わりません。ただ、PPWで働くときは、少し言葉の問題を感じました。
座:小林さんはいかがですか?
小:不安はありませんでした。楽しみしかなく。どちらかというと親近感があって、元々住んでたとこに戻ってきた感じです。
座:子どもの頃に、家族で(中国に)来たときに不安はありましたか?
小:0歳の頃に来ましたので、全然記憶にありません。物心ついたときから海外に住んでいるので、当たり前の環境がここにあるという感じです。現地校に通っていましたので、全く不安はありませんでした。だから親も何も心配してないです。
座:米谷さんはいかがですか?
米:特に大きな不安はありませんでしたが、良いシッターさんが見つかるのか、子どもが喜んで行ける学校が見つかるのか、ということは考えていましたが、不安というよりは、自分の仕事のスタートと同時進行でアレンジしないといけなかったので、そこは気を張りました。でも、結果的に、ちゃんと良いシッターさんと学校が見つかったので、それが不安だったことも忘れるくらいです。
座:会社にバックアップの体制はあったんですか?
米:それがですね、前例もないものですから、何もない状態だったんですね。駐在員は、奥様がいる場合が多いので、諸々やってくれる配偶者がいないパターンのノウハウっていうのが全然なくて。しかも、海外赴任まで2週間しかなかったんです!「差別するわけじゃないけど、とにかくやってみて」って感じでした。そもそもチャンスを与えられた側なので、それに不満もありませんでしたが。前例ないからどうする?って、1つずつ考えないといけないのが、ちょっと大変でしたね。
座:それは想像できないですね。
米:やることだらけで。2週間はミッションインポッシブルだなと思いました(笑)。「私、先に行くからよろしくね」って言っても、残って諸々やってくれる人がいないじゃないですか。そのケースを誰も想像できていないので、それがかなり大変でした。2週間の間に、子どものお別れ会までやらないといけないとか。そこは大事なので、子どもの件に関しては頑張ってやったりとか。あれは、自分の中でも記録に残る過密度でした(笑)。
座:すでに引っ越し先は決まっていたんですか?
米:「前任者の住居が空きます」っていう情報があって。でも、その情報が来るのも、2週間のタイムラインの中の最初にはないので、まるで雲を掴むような感じでした。どこの学校がいいかも分からないので、”Google Earth”で調べながら、「このへん緑あるなとか、ちょっと空気よさそうだな」とか、そんな感じで探しましたね。
座:不安というよりも、必死ですよね。
米:そうなんですよ。だから、上手くいかなかった場合をちょっとでも考えると、確かに不安だったんですけど、それよりは、整えていくミッションがありましたので。
座:海外に出たいと)手を挙げてらっしゃった期間のは何年くらいなんですか?
米:2年ですね。途中、(異動を)におわされれるような状況もあったので、「どこ住む?」くらいのシミュレーションはしてはいたんですけど、いざ現実になっての2週間はちょっときつかったですね。
Q4. 香港で働くメリット(またはデメリット)について
米:メリットとしては、とにかくシッター制度が整ってること。日本とは比較できない位、働く女性にとってはいい環境だと言えると思います。子育てしながら働いている人が本当に多いので、それが当たり前と思ってもらえるところもいいですね。「子ども、可哀想なんじゃないの?」なんて一度も聞いたことがないので、そこは本当にメリットだと思いますね。デメリットを強いて言えば、空気が汚いことや(日本食を食べようと思ったときに)ちょっと食費がかかること、それくらいですかね。
座:小林さんはいかがですか?
小:1番大きいメリットは、税金が安いという点ですね。あとは会社の中でも日本のように年功序列ではなく、やった分だけ評価してくれる。だから、香港が断然働き甲斐はありますね。私の場合は、香港人の方がお客様なので、日本のように無駄な社交辞令がありません。お客様に対しても言いたいことが言えます。日本なら、1~2ヵ月要する交渉も香港人は半日くらいで終わります。だから、ストレスにならない。
座:逆に、デメリットはありますか?
小:デメリットは、家賃が高い。あとは、渋滞がすごいですね。
座:日本に比べて物価はいかがですか?
小:同じくらいだと思いますよ。同じお菓子でも、香港製品でもよければ、多分、日本製品とあまり変わらない。だから物価は求めなければ一緒です。住居だけは、断然香港が高いです。
座:お子様がいらっしゃる場合、日本と比べていかがですか?
米:衣服や雑貨については、小林さんも言った通り、同じか(掘り出し物だったら)安いかってぐらいだと思いますが、食費は高いですね。我が家の場合は、平日は和食を作ってるので、お米が特に高かったりします。帰国する度に、米5キロを持ち帰るのですが、受託手荷物の超過料金を支払うこともあります(笑)。また野菜にもこだわると、野菜も高いので食費が嵩んでしまいます。でも、そこは1年くらい経つと折り合いがつくようになってきます。あとは、プラスアルファでお水代がかかってしまいます。子どものことを考えると、(水道水ではなく)ミネラルウォーターを使いたいという気持ちがありますので、毎月、ミネラルウォーターは沢山購入しています。
座:ご飯もミネラルウォーターで炊いているんですか?
米:1回目に研ぐときはミネラルウォーター、2回目からは水道水、と使い分けています。野菜も茹でる際は水道水で洗いますが、サラダの場合は、最後はミネラルウォーターに浸したりとか。せめて小学生の間くらいはそうしようかなと思ってます。
座:日本産と中国産は価格が全然違いますよね。安全だからという理由で、日本産を購入する方も多いと思うのですが、安全面と食費のバランスっていかがですか?
米:すべて中国産以外にしてしまうと、食費は圧倒的に高くなると思います。日本の食費と比べると2~5割増くらいになるかなと。我が家では日本産米は譲れないため、総じて高くなってしまいます。でも、最近は心も揺れてきて、見た目がすごいフレッシュに見える中国産の野菜は食べていいっていうルールに(笑)。なるべく柔軟にするようにはしています。
座:最近は、安全な食材も入ってきてますからね。
小:私は値段重視。どこの産地かどうかは確認したことがありません。
座:三橋さんはいかがですか?
三:私は、日本人ということが強みになったという部分がメリットでした。日本語が話せて、日本人のテイストで撮影してもらえるから、という理由で頼んでくださる方が多いからです。デメリットは、家賃が高いこと。物価も、私は高いなって感じますね。

Q5. 香港で働くにあたって持ち合わせるべき性格や特性はありますか?
三:今まで一緒に働いた香港人はいませんし、お客様も日本人が多いので、想像になりますが、自分の意見をはっきり言えることでしょうか。あとは自分自身を評価できなければ、香港で働くのは難しいのかなって思います。
小:おおらかで、自分をどんどん表にアピールする。自分のことを言えなかったら、どこも採用してくれないですよ。日本だったら、出る杭は打たれるって感じですが、香港は出る杭にならないと、誰も相手してくれないです。だからおとなしく静かな人や内気な人はなかなか難しいかな、とは思います。
座:米谷さんはいかがですか?
米:私も、そういう柔軟性だと思いますね。あとは、ある程度大雑把な性格。香港人と働いてる限りは、同じ尺度では計れないことが多いので、正確に物事を進めようとすると、苦しくなってしまうと思います。
座:(小林さんは)日系企業で働いていますが、日本の風土は強いのでしょうか?香港の風土に企業社風を合わせているんですか?
小:私が勤めている会社は、ほぼ日系って思っていないです。完全に現地化というか、グローバルスタンダードを知っているので、日本企業のように規則正しく物事を決めたりせずに、全部、自由に仕事をさせてくれます。やるべきことをやっていれば、あとは自由です。何かあれば、責任は社長がとるから何でもやって来いっていう感じですね。

Q6. 他の人には真似できない、又は心がけている「自分流」の働き方はありますか?
米:超時短!何でも効率性を追及して、長時間労働はしないと徹底してます。理由は、できる限り早く帰宅して子どもとの時間を大切にしたいからです。(子どもと一緒にいる)時間を削ったら、その分将来倍になって返ってきそうな気がするので、どちらにどれだけ意味があるかを常に考えています。
座:今日はお越しいただいて、ありがとうございます。大事な時間を割いていただいて、恐れ入ります(笑)。
米:そういう意味では今日はプライスレスな時間なので(笑)。無駄に長く働くのは意味がないなと、肝に銘じてやっています。でないと、自分の強みが出ないので。
座:小林さんはいかがですか?
小:仕事もめいっぱい楽しむ!会社に来ても遊んでいる感覚。仕事は生活の一部。かといって、ずっと会社にいるかっていったら、定時に来て定時に帰る。米谷さんが言ったように、効率よく働いて、あとは自分の自由な時間に使う。残業しないと仕事してないって言われるような価値観が全然ないので、人生を楽しむ、仕事を楽しむ、という風にしてます。
座:三橋さんはいかがですか?
三:私は、露出してくことを気にしないっていうのが、自分流の働き方かなと思います。元々は、Facebookでお客様を募集してたので、いろんな人から見られてたりとか、街で声かけられたりとか、すごいあるんです。細かいこと気にしてたら生きてけないなと思って、気にしなくなったってだけなんですけど(笑)。アピールしたりすることをためらわないようにしてます。

Q7. 職場での人間関係や普段の生活で発生するストレスと上手く付き合っていくためにどのようなことを心掛けていますか?
座:現在、仕事を一緒にされているパートナーの方はいますか?
三:いないです。私の場合、仕事がストレス発散です。仕事がしたくて始めたので、仕事でストレス感じるっていうのはないですね。
座:香港で生活していて、普段の生活はどうですか?
三:みんなサッパリしているので、付き合いやすくて、本当にストレス感じることがないです。
座:なるほど。小林さんはいかがですか?
小:普段、ストレスを感じることがないですね。以前の職場は会社規模が大きかったので、上下関係や他部署との関係で自分の思い通りにいかないことがありましたが、今の職場はまったくストレスはないです。普段の生活でも私の周りは香港人が多いので、サバサバした感じで、何でも言いたいことを言えるし、向こうも言ってくれるので、疑い合うこともない。日本人とはあまり付き合わないようにしてるって感じですね。日本人といるとストレス溜まっちゃうんです(笑)。
座:ではプライベートでは香港人や西洋人の方と付き合っているんですか?
小:そうですね、基本的には香港人です。あとは、外大卒業生の方とも付き合いがあります。外大生同士だと話が合うんです。
座:普段の生活では特にストレスを感じることがないんですね?
小:ないですね。今年引っ越して一人暮らしになったのですべてがストレスフリーです。
座:いいですね。米谷さんはいかがですか?
米:仕事でプレッシャーがかかる時期があるんですけど、そういう時はプレッシャーを乗り越えた先に、必ず自分にアメを用意しておくようにしています。1年の中で1番ピークの時には、一山を超えたら翌週くらいには旅立つアレンジをしておきます。それに息子にも負荷がかかってしまうことが続きますので、息子へもお返しというか。何かを乗り切ったら、自分にご褒美をあげるようにしています。
座:旅行することが多いんですか?
米:旅行したり、最近では犬を飼ったりとか。あとは、マッサージなどです。
座:ご褒美を自分にあげていらっしゃるんですね。
米:ご褒美を自分にもしてあげないと心が折れちゃうときもあるので(笑)。
座:息子さんとは、どのようなことをして遊んでいるのですか?
米:緑のある公園に行ったり、彼がハマっているスポーツを一緒にプレイします。最近だとサッカーの練習に付き合ったりとか。手短に済ませたい時は、UFOキャッチャーをしたりします(笑)。
座:息子さんからの要望はどうですか?
米:「モンスターカードの交換するから、50枚セット買ってくれない?」とか、そういう今時のリクエストはありますが、これはなるべく断るようにしてます(笑)。あんまり大したプレゼント要望はないですね。一緒に遊べることの方が楽しいみたいで。

Q8. 海外では日本人男性に出会う機会は多くないと思いますが、海外での恋愛や結婚についての価値観を教えてください。
米:(日本人男性に出会う機会が)多いか多くないかでいうと、日系の証券会社という男社会にいるので、お客様も含めて、日本人男性って存在は沢山あります。ただ、日本人だからとか、香港人だからという縛りはないですよね。ここ(香港)はもうミックスなので。
座:小林さんはいかがですか?
小:日本人とは会わないようにしているので、出会う機会は断然に少ないと思います。私は香港人の男性と出会う機会が多いです。彼ら(香港人の男性)は亭主関白的な考え方がありません。結婚しなくても一緒にいるだけとかいう男性も結構多いですね。
座:香港人の男性は優しいですか?
小:たぶん日本人よりは優しいと思います。
米:ごはんとか作ってくれるそうですよ。
小:家事は全部、男性がするっていう人も結構います。「仕事で夜遅くに帰っても、皿を洗わないといけない」っていう文句をたまに言ってたりしますね、男性陣。
座:三橋さんはいかがですか?
三:香港にいると国際結婚も珍しくないと特に感じます。(アンケートには)とても良いと思うって書いたんですけど(笑)。何が良いかっていうと、私自身、絶賛語学習得中なんで、海外の方とお付き合いされてる方って、語学力がすっごい伸びるんですよ。それが羨ましいですね。香港にいると、国際結婚とか香港人同士、日本人同士の結婚とか考えること自体あんまりないかなって思います。バックグラウンドが本当にバラバラなので、あまり考えなくなりました。
Q9. 結婚後も女性が長く働くためには出産や育児に対する会社の理解が欠かせませんが、日本と比較して日系企業又は外資企業のサポート体制についてどうお考えですか?
三:(私自身は)サポート体制をよく知らないのですが、産後10週で戻るっていうのを聞いて、それは体力的に大丈夫なのかなって心配してるくらいです。でも、ヘルパー制度がしっかりしてるから、単純に比べられない部分もあるんですけど。
座:小林さんはいかがですか?
小:日本で働いたことがないので、日本の会社との比較はできませんが、産後10週で職場復帰しないと、ほぼ辞めたと同じように見なされたりするので、その点では確かにシビアだと思います。日本のように産後の時短勤務もないですね。以前の会社で赤ちゃんを産んで職場復帰した方がいますが、中々調子が良くならなくて、2週間位で辞めていった人がいます。もしかしたら、日本がお母さんにとっては良い体制をとってるかもしれないですね。ただ、それは、育児をしている期間であって、その先のことを見たらどうなのかなと思うと、香港で働いているほうが得られるものは大きいと思います。
米:働く環境があまりにも違いすぎるので、純粋に比較できない点はありますが、日本で万が一、産後、仕事を辞めるしかなかった場合、次からは正規雇用がない、同じポジションに戻ることはできない現状があると思います。でも、香港は雇用が流動的なので、特にこだわる必要がないから、産後10週で戻りたくない人は1回辞めてねっていうのが成り立つのかなって思います。それと、シッターさんがいるだけで全部解決できるので、間違いなく香港が楽ですね。プラス、復帰して働くのが当たり前の環境なので、会社によっては、搾乳するための部屋があったり、会議室を使用できたりと、肩身の狭い思いをせずにきちんと子育てもしながら職場復帰できる環境だと言えると思います。ただ、今までは夫婦で(香港に)来るのが前提のルールだらけでしたので、そこはまだまだ実情に追いついてないところがあります。それは、会社が悪いとかではなくて、そういう事例がなかったからだけなので、今後、私のようにイレギュラーでチャンスを与えてもらえた人にも続くように、私がいい例になるように考えて、要求した方がいい制度は伝えていかなければならないなって思っています。
座:新しい方が同じような立場で赴任された時に、前例があると助かりますよね。
Q10. 海外で家族を持ちながら働く場合の優先順位についてどのようにお考えですか?
米:これはもう、家族が一番ですね。私の中の優先順位は、家族、(家族と自分を含めて)健康、仕事、あと自分磨きです。どれが欠けてもアンバランスになってしまうのですが、優先順位が変わってしまわないよう、ちゃんと調整するように心がけています。
座:小林さんはいかがですか?
小:(私の)家族独特な考え方かもしれないですが、自分があって、仕事があって、家族。自分のために自分は生きているから、まず自分があってその自分の生活を支えるために次は仕事があって、最後に家族です。
座:(小林さんの)ご両親もそのようなマインドに近いのでしょうか?
小:はい。私が子どもの頃(中国にいた時)は、父親は仕事、母親は遊びに行っているので、シッターさんに預けられていました。幼稚園は全寮制でしたので、寮生活の中で育ちましたので、まずは自分のことをちゃんとしようという意識があります。
座:そのマインドは現在も持ち続けているんですね。
小:そうです。自分のやりたいことはまずやろうっていう。私の両親もそうですが、何かを決める際に誰とも相談しません。勝手に決まったことが沢山あります。私も久々に帰ったら、家引っ越したよとかって感じです(笑)。
座:そうなんですか!?
小:そうなんですよ、本当に。誰とも相談せずに自分で決めて自分の道を進む。父親も60歳でもまだ転職しているので。
一同:すごーーーい!
小:だから、私のレールは引かれてなく、私が引くんです。
座:三橋さんはいかがですか?
三:「優先順位は人それぞれだから、香港は色々な選択ができるところがいい」って答えるつもりでした。私の優先順位をお話すると、私も自分が一番で、あとは並列に並んでいる感じです。あまりハッキリ優先順位をつけていないんですが、家族や仕事のために自分を犠牲にすることは考えたことがありません。ただ、日本だと、それがなかなか難しいのかなって思っています。仕事で犠牲になっている方も多いですし、ママだったら家族のために自分を犠牲にしたりして。でも、香港はみなさん、割と上手くやっているのかなと。しかも、他人の優先順位を気にしないじゃないですか。家族が一番でも、自分自身が一番でも、別に何も気にしないところがいいなと思ています。
座:香港に住んでみて、やっぱり香港は住みやすいと思われますか?
一同:住みやすーーーい!(笑)。
座:香港は何でも揃ってるって面もあると思いますが、改めて人間関係はどうですか?
小:付き合いやすいですね。
米:基本、他人のことを、みんな…
一同:気にしない(笑)!
小:空気を…
一同:読まない(笑)!
小:読む必要がありません。
米:みんな、好きにしてるのが当たり前。気にされてる感がないから、こちらも気にしない。
三:だけど、根は優しいんですよね。
小:何か困ってたら、全力で助けてくれます。
三:そこが心地いいですよね。
米:冷たいってわけじゃないんですよね。
小:みんな、我が道を行ってて自分がやってることは正しいって思ってる。かといって、他人は否定しない。
米:香港が住みやすいのは、とにかく合理的だからです。日本では、合理性を追求することって、何かを捨ててるみたいな感じで、精神的なことを追求されることがありますが、香港は合理性をとことん追求することが正なので、それをやっていったら全然OKなんですね。この合理性の追求感がたまらなく大好きです。
座:日本になかなか帰りたくなくなりますよね。
米:そのすべては揃わないですよね、日本では。もちろん日本にも沢山いいところはあると思いますが。
座:香港にいると自分を出せるっていう方も多いですよね。本日はお忙しい中、ありがとうございます。
一同:ありがとうございます。

パーソル香港のお悩み相談室
「働く女性座談会」で会場を提供してくださった「パーソル香港(旧インテリジェンス香港)」のキャリアコンサルタント3名が香港で転職活動をしている女性たちの悩みを聞いてアドバイス!

ケース1 これまでのキャリアに一貫性がない
「大学卒業後、福祉関係の事務職として3年勤め、その後、化粧品メーカーのカスタマーサービス職に転職。5年目の去年、香港の方との結婚を機に香港に移住しました。しばらくは専業主婦をしていたのですが、やはり仕事をすることが好きだと感じ、香港での就職を考えています。経験を活かしたいという思いはあるのですが、これまでの2社の職歴に一貫性がないことが選考の際に不利になりそうで不安です。」(30代/専業主婦)

~Okamoto

 

 

 

 

 

 

 

岡本 裕子さん

整合性を持たせることよりも、志望動機を明確に
「転職を希望する会社が、過去2社のいずれとも業界や職種が異なる場合、面接では『なぜうちの会社なのか』ということが詳しく聞かれるでしょう。その質問にしっかりと答えられるだけの明確な志望動機を持っておく必要があります。どのような理由で未経験の業界や職種に挑戦しようと思うのか、これまでの経験をどう活かしていきたいのかを整理しましょう。またもう1つお伝えしたいのは、業界や職種がまったく異なっていても、キャリアに一貫性を見出すことはできるということです。たとえば、社内外の折衝業務やスケジュール管理など、これまでの2社での業務内容にも共通の要素はいくつかあるはずです。仕事をする上で大切にしてきたことや、仕事に向き合う姿勢などにも、共通の思いがあったのではないでしょうか。携わってきた業務を細かく振り返って、自分の得意分野や強みを整理し、志望理由と連動させていけば、おのずとキャリアに整合性は出てくると思います。」

ケース2 手に職となる能力を身につけたい
「これまで営業、事務と経験してきましたが、これといった能力が身についていないように思っています。将来安定して仕事が続けられるように、何か手に職をという思いがありますが、どのような能力を身につければよいでしょうか?」(40代/営業事務)

~Tanaka

 

 

 

 

 

 

 

 

田中 智士さん

1番大切なのは、どのような業界や企業でも通用するポータブルスキル
「『手に職をつけたい』というお話は多くの女性からお聞きします。もし、経理や人事、マーケティングなど、極めたい専門分野が決まっているのであれば、そのスキルを追求すると良いと思いますが、特にこれといって極めたいものがない場合も不安な気持ちになる必要はありません。働く上で、もっとも大事なのはポータブルスキルといわれる、汎用性の高いビジネススキルです。ポータブルスキルを直訳すると『持ち運び可能なスキル』という意味で、業種・職種を越えて、どんな仕事や企業でも活用できるスキルを指します。例えば、課題解決力、提案力、交渉力、洞察力や判断力、リーダーシップなどです。営業や事務といった仕事を続けてこられたのですから、こういったポータブルスキルは必ず身についているかと思います。これまで仕事を進める中でどういったことが好きだったり、人から褒められたりしたか、今一度考えてみてください。あなたが得意とするポータブルスキルが思い当たったら、それをさらに磨いていけるような仕事の進め方やキャリアの築き方をすると良いでしょう。そういったポータブルスキルはどのような業界や仕事でも活かせる能力です。また国を超えて香港でも評価されるスキルだと言えますので、ぜひポータブルスキルを意識したキャリアの選択を心がけてみてください。」

ケース3 短期間で転職を繰り返すのは、やっぱりマイナス?
「4回目の転職をしたのですが、環境が合わずに4カ月で退職しました。今もまた転職活動を始めたのですが、1回目の転職の時も、3カ月で辞めてしまっており、職務経歴をマイナス評価されてしまうのではと不安です。日本に比べると香港は転職に対する否定的な考え方は比較的少ないと聞きますが、短期間で転職を繰り返していると、やはり不利になるのでしょうか。」(40代/香港在住10年以上)

~Mirura_B

 

 

 

 

 

 

 

三浦 ゆきさん

過去の転職理由を他責にしないで
「転職回数が多い方や、短期間で辞めた経歴がある方の場合、採用側は、『うちに入っても、またすぐ辞めてしまうのでは』と、どうしても不安を感じてしまいます。このような不安を少しでも払拭できるよう、まずは前職を辞めることになった経緯をきちんと説明することが大切です。その際に気をつけたいのは、辞めた理由を環境や他者のせいにはしないことです。『自分は悪くないが、社風が合わなかった』などという転職理由を言われてしまうと、採用側としては、また同じことを繰り返してしまうのではと、捉えてしまうでしょう。例えば、『前回の転職活動の際は、応募先の仕事内容について深く調べ切れなかったことがミスマッチの要因だったと反省しているので、今回は応募前に、社員の方に話を聞き、社風や仕事内容をしっかり調べた』など、具体的なアクションと合わせて伝えることをお勧めします。また合わせて、入社後にどのように活躍したいのか、香港でどのように生きていきたいか(期間や働き方)という具体的なイメージや、長く働き続けたいという熱意も合わせて話すように心がけてください。」

 

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