旺角(モンコック)特集3・鳥と花に癒される

2014/02/24

喧騒の隣に見つけた落ち着きの空間

 

雀鳥花園(バードガーデン)

レトロな鳥商店が軒を連ねる異空間。風流な鳥愛好家も集う。

 

看板オウム

入口で「ハロー」と出迎えてくれる看板オウム

フラワーマーケットロード(花墟道)の喧騒を抜けると、左手に小道があり、「園圃街雀鳥花園」と書かれた門がある。その門をくぐると風景が一変する。緑の木々に囲まれた小さな公園があり、鳥のさえずりが聞こえてくる。1997年に作られた中国式庭園で「雀鳥花園(バードガーデン)」と呼ばれているところだ。

園内には、小鳥や鳥かご、エサなどを扱う商店が軒を連ねる。旺角周辺で営業していた約70の商店が、都市開発のために立退くことになり、この公園に移転してきたのだという。ここにくれば、鳥を飼うための道具一式がそろう。実用的なものから、どんぐり型の可愛らしい鳥かごや、貝がらやカラフルな装飾品がついた止まり木などワクワクするようなものまで幅広い。生き物好きの子どもたちは、「ハロー」と声をかけてくれるオウムをはじめ、店頭に並ぶ鳥を見て歩くだけでも楽しいだろう。広場には鳥愛好家が集う。彼らは自慢の鳥を入れた鳥かごをぶら下げてやってくる。鳥かごをつるすポールも設置されている。彼らは、鳥の鳴き声を聴きながら、友達とのおしゃべりを楽しんでいる。

香港観光局の資料によると、中国では、鳥を飼うことが男の最高の娯楽だったという。彼らは愛鳥を連れて、飲茶が食べられる茶樓(ローカルの喫茶店)へ。日の当たる窓辺に鳥かごをさげると鳥は元気に歌い始める。その歌声を聴きながら、「一盎兩件」、すなわち1杯のお茶と2つの點心を食べ、友と語らい、至福の時間を過ごした。いま、香港ではこうした風習はみられなくなったが、雀鳥花園に行ば、こうした画趣を楽しむ愛好家の姿をみることができる。

10分もあれば回れてしまう公園だが一見の価値あり。フラワーマーケットとセットで出かけてみよう。

ジュウシマツやオウムなど、鳥かごとセットで売られている鳥が何種類もある

【アクセス】
プリンスエドワード(太子)駅B1出口より徒歩15分

 

鳥愛好家の方に伺った

鳥愛好家のおじさま方は「写真を撮ってもいいよ」と優しい笑顔で迎えてくれた。今回お話を伺ったのは、ジャスティンさんとラムさん。2人とも、すでにリタイアしているので、毎日愛鳥と一緒にここへやってくるのだという。「鳥のさえずりを聴きながら、友達とおしゃべりをすることが何よりの楽しみ。ここは気持ちがいいよね」と2人は口をそろえる。鳥かごにかかっている白い布についてたずねると、「鳥は怖がりなので連れてくるときに、車の音や人の気配で驚かせないため」「寒いときは防寒のため」と教えてくれた。

ジャスティンさん

 

ラムさん

 

 

 

 

 

 

 

 

花墟道(フラワーマーケットロード)

色とりどりの花を眺めながら散策。花に関するものならここで全て揃う。

モンコックの北部にある「フラワーマーケットロード(花墟道)」。以前は界限街に市場があり、卸売のみを行っていた。1955年の火事により市場のエリアは公園に変わり、ほとんどの花屋は現在の場所に移店してきた。それ以来、卸売だけでなく小売も始めるなど、販売のバリエーションも豊かになったため、現在は業者に混じって一般客もプレゼント用や自宅用の花を求めにやってくる。年中無休でいつもたくさんの人で溢れているが、特に旧正月やバレンタインデーなど、花束の出番となる季節になるとさらにこの界隈は混雑する。

香港人に「お花をどこに買いに行く?」と聞けば、「花墟道だ」と答えるのは常識だ。その一番大きな理由は、値段が極めて安いこと。日本であれば小さなブーケでも1000円を超えるが、ここで12本程度のバラの花束を買おうとすると、約HKD30で入手できる。そして花だけでなく、花器や園芸用品もかなり安く買うことができる。百軒近い花屋が並ぶが、ゆっくり歩いてみるとキツネユリなど香港でもあまり見かけない花も見つかる。また現在は花を見ながらゆったりくつろげるカフェやレストランなどが年々増えており、休日のお出かけ先としてもおすすめだ。バード・ガーデンと繋がっており、花と鳥に癒されながら一日を過ごすことができる。

今回は、最近店内にコーヒーコーナーを始めた花屋「Hay Fever」のオーナー、蔡さんにお話を伺った。

【アクセス】
プリンスエドワード(太子)駅B1出口より徒歩5分

 

花屋の店員さんに伺ったHay Feverのオーナー 蔡さん

「Hay Fever」のオーナー
さん 30代
植物なら何でも好きなそうだ。

●香港で珍しい植物や花といえば?
日本西施百合(グロリオサ、またはキツネユリ)HKD90
サイズが大きめですし、波状の形も独特です。色も派手なので、とにかく目を惹くんですね。元々はアフリカとインドが原産地で、香港では中々お目にかかれない品種です。旧正月に花自宅を飾るのは香港人の習慣ですから、そのときはいつもより売れましたね。
この花は結構大きいので、居間の片隅に置くのがおススメです。
●香港で人気の植物は?
大利花(ダリア)HKD100~150
原産地はメキシコです。大きな花輪と色鮮やかな花色の派手な外観はギフトとして人気を呼んでいます。牡丹と間違っている人も少なくないですよ。この花は水やりが重要です。水をより吸収しやすくするために、茎の足先を斜めにカットすることが必要です。そして毎日、水を換えてください。
捲葉垂榕(ベンジャミン)HKD230
普通のベンジャミンより葉のサイズが小さくて形も丸めです。緑で光沢があって、表面の蝋も厚みがあります。普段から老若男女問わず人気がありますが、旧正月のときはかなり売れましたね。常緑植物なのかな。
●PPW読者におススメしたいアイテムもありますか?
エコポチ(小:HKD280、大:HKD1,100)を入荷しています!植物がバチルス菌群でできた皿の上に植え付けてあります。緑も楽しめますし、お部屋の消臭効果もあって便利なアイテムです。日差しはなるべく避けてください。水は2、3日に1回あげるだけでいいです。
約半年前からコーヒーコーナーを始めました。花の香りが漂う中でホッと休まる美味しいコーヒーはいかがですか?ぜひ気軽にお立ち寄りください。

花粉熱 Hay Fever

 

花粉熱 Hay Fever
住所:G/F., 62 Flower Market Rd., Mong Kok
電話:(852)2397-0668
時間:9:00~19:00

 

 

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