特集:日射しが眩しい香港島南へ!1

2017/01/27

P15 MTR South_577-01

祝MTR南港島線開通!

日射しが眩しい香港島南へ!

 

金鐘(ガムチョン)からわずか10分で香港島の南側へ!
MTR南港島線で繋がった!

MTR南港島線

香港内の移動には欠かせない地下鉄、MTRの11番目の路線となった南港島線(サウスアイランドライン)。金鐘(アドミラルティ)駅と海怡半島(サウスホライズン)駅間の全長約7キロを3つの駅を経由し約12分で結ぶことで、国内外から多くの人が訪れる人気のレジャースポット「海洋公園(オーシャンパーク)」をはじめ、今までバス路線のみに頼っていた香港中心部から香港島南部エリアへのアクセスがグッと便利になった。路線全体のモチーフカラーは黄緑色。そして、各駅毎のイメージカラーともいえる、ホームにあるタイルの色は、金鐘駅が青、海洋公園駅がオーシャンブルー、黃竹坑(ウォンチョクハン)駅がオフホワイト、利東(レイトン)駅がオレンジ、そして海怡半島駅は黄緑色に設定された。運行間隔はピーク時で3分に一本。始発電車が海怡半島駅を6時00分、金鐘駅を6時11分に発車し、海怡半島駅を24時42分、金鐘駅を1時5分に出発する電車が終電となる。

MTR南港島線

同線は、ランタオ島の欣澳(サニーベイ)駅と香港ディズニーランドを結ぶ迪士尼(ディズニーランド)線と同じく無人運転方式を採用している。迪士尼線には自動運転システム用の運転室があるが、南港島線にはそれ自体がなく、先頭車両の窓からはヘッドライトに照らされ先に延びるレールを見ることができる。このため、運転士目線の車窓を楽しもうと車両の先頭部分に人だかりができる光景は、南港島線ならではだ。

MTR南港島線 MTR南港島線 MTR南港島線

そのほか、3両編成とコンパクトな車両の中は、乗車してまず目に入る壁面に描かれたパンダやイルカといった動物や海の生き物たちのイラスト、そして、天井の照明には、水の泡を連想させるデザインが取り入れられている。また、常時ニュースや情報が流れるモニターも設置するなど、エンターテイメント性の高い車内は、長いトンネルを通過する間も飽きる事なく過ごすことができる。また、手すりが途中から3本に枝分かれしていて今までより多くの人が握ることができるようになっていたり、つり革もシートに沿って2列になっていたりと、乗客がより安全に利用できるよう工夫された車両設計にも注目。きっと香港に住む人にも、観光客にも愛される路線になるだろう。乗るだけでワクワク気分になれる同線で、今まで馴染みの薄かった香港島南部の新しい発見の旅に出てみては?

黄竹坑̶鴨脷洲

 

MTR南港島線開通と不動産事情
南洋不動産のリンダさんに伺う

南洋不動産

リンダさん

主にアバディーントンネルを使う路線バスが香港島北側とを結ぶ主な交通手段で、慢性的な交通渋滞が悩みの種だった香港島南エリア。MTR南港島線の開通は不動産事情にどんな影響を与えるだろうか。

香港島側で29年間不動産屋を経営し続けるリンダさんに伺うと、金鐘やセントラルへのアクセスが格段に良くなったことから、新しいマンションを中心に外国人が増えているようだ。日常生活にほとんど不便がなく、自然に恵まれた環境がこのエリアの魅力。交通の便が良くなったことで日本人からの注目度もアップするだろうと予想する。「深灣9號(マリネッラ)」や対岸の「南湾(ラルヴォット)」、「深灣軒(シャムワンタワー)」などの物件は、築浅の上に閑静な環境のため、とて
も住みやすいという。これらの新しい物件だけでなくMTR南港島線終点の「海怡半島( サウスホライズン)」も家賃は5%以上上昇しているという。

南洋不動産
香港の日系不動産企業の中でも29年の実績を持ち、大手日系企業のクライアントも数多く抱える。日本人スタッフも常駐。
電話:(852)2891-4892, (852)9460-4892(リンダ), (852)6348-0905(蒲池・日本語対応)
メール:[email protected]

総経理 リンダさん
香港不動産代理商協会の会員。
香港で生活する日本人の為、日々快適な住まい探しに奔走している。

 

海洋公園から金鐘まで香港島の岩盤を掘り貫く!

西松建設
長年培った経験と信頼関係で貫かれた3,170m香港最新のMTR路線にも投入された日本が誇る「安心の技術力」

西松建設

南風坑口では、南風トンネル(写真手前の左下がトンネル坑口)、高架部分(写真中央 奥)、南風換気塔(写真手前)の建設が同時期に行われた

2011年の着工から5年の歳月をかけて完成したMTR南港島線。金融の中心地、金鐘(アドミラルティー)から、南シナ海に臨む香港島の南側までをダイレクトに結ぶ新しい地下鉄路線だ。これにより、路線バスが主な交通手段だった海洋公園、黄竹抗、アバディーン、鴨脷洲などの香港島南部が、九龍側からもぐっと近い存在となった。

西松建設

西松建設

トンネル内では、コンピューター搭載の削岩機により岩盤を削孔し、ダイナマ イトを使用して発破を行った

4つの工区に分かれた同線の建設工事は、金鐘駅の拡張と、将来開通が予定されている同沙中線(沙田から中環を結ぶ)の前期工事(901工区)を3社からなる英・香港のジョイントベンチャーが、そして、同線上の全ての駅施設、アバディーン海峡橋、高架橋、及び鴨脷洲内のトンネル建設(903・904工区)をオーストラリアのレイトン(現在はCIMICグループ)が担当。そして金鐘駅から海洋公園駅手前まで、このプロジェクトのメイン区間となる、香港島の下を南北に結ぶ南風トンネルと高架部分、香港公園内に作られた換気立坑及び南風換気塔の建設などを担当したのが、長年にわたり香港でのインフラ整備に大きく貢献している、日本の西松建設だ。

西松建設

トンネル内に組み立てられた作業足場検査・引渡しを完了した南風換気塔

西松建設

今回、同社が掘削したトンネルの長さは全長3.17km。工法は、工期と、掘削対象となる山の形状・地質の状態などから、発破工法でダイナマイトを使用して岩を崩したあと、壁面にコンクリートを吹きつけ、ロックボルト(鉄の棒)で縫い付けるNATM工法を採用した。

通常、同工法を選択した場合、この程度の長さになると、発破により崩した岩石をダンプなどで出口まで運ぶ距離を短くするため、トンネルの始点と終点、両側から作業を進めたり、もしくは作業区の途中に外部との換気と人や資材などの搬出入口となる立坑や斜坑を設けて掘削していくのが一般的である。しかし今回、同社が受けもった担当工区の北端である金鐘駅では、別の工区の作業が同時進行中であり、また、北端にほど近い香港公園内に建設された立坑も、建設開始がトンネルの掘削と同時期で作業開始当初は使用できない状況だったため、掘削工事は南風坑口からの片側のみの施工となった。(香港で最も長い片側施工のトンネル)

西松建設

トンネル掘削と同時に、後方では仕上げとなるコンク リート構造物の建設が行われた。人や資材の搬出入は、 全て南風坑口から行なった

1962年のロアシンムン(下城門)ダム工事を皮切りに、葵涌(クワイチュン)コンテナ・ターミナル建設工事、香港電力工事、そして数々のMTR地下鉄建設工事と、現在に至るまで50年以上に渡り、香港のインフラ工事の要所要所に携わってきた同社の確かな実績、そして、それらの工事を通して築き上げてきた地元の下請け業者との厚い信頼関係から、「香港での工事は工期がタイトな場合が多く、予定通りに作業を終了させるために、時には1,000人~2,000人規模の人員が必要になることもあります。しかし、半世紀以上、香港で地場企業として建設業を営んできておりますので、人員の確保には問題なく対応できております。」と語る同社香港支店の遠藤支店長、ただし、「香港に限ったことではありせんが、工事が大規模になればなるほど、集められた多くの作業者の中にはスキル不足が否めない場合もあります。でもその時は、きちんとした教育を施しながら作業に従事してもらい、常に安全には気を配っています。」と語ってくれたように、今回の工事もまた、一時は最大で800人が稼働し、終夜にわたる作業と、掘削時の火薬の取り扱いなど安全面に神経を使う工程の連続であったにも関わらず、長年培われた経験と技術力のもと、作業は計画通り順調に進められ、予定通り無事12月28日の開通を迎えた。

また、同社は現在、香港人スタッフを中心とした現場運営を目指し、日本での研修を通じて「西松マインド」を受け継ぐ香港人のスタッフの育成にも努めており、この先も、コンパクトな大都市、香港が求め続けるスピーディーな街の変化に対応する日本の企業として、更なる進化を遂げようとしている。

西松建設株式会社
香港支店長
遠藤智氏

遠藤智氏

1988年、自身初めての海外赴任先として来港。大老山(テーツケーン)トンネル建設に携わる。1991年、日本へ帰国した後は、リニアや北陸自動車道の建設に従事、1996年の二度目の来港時には大欖(タイラム)トンネルや、北角(ノースポイント)新駅の建設を担当、その後、ラオスやシンガポールへの赴任を経て、2007年に再び来港。現在に至る

西松建設株式会社 香港支店
住所:Rm 508, Star House, Salisbury Rd., TST
電話:(852)2736-6461

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