特集: 資産運用の基礎知識 2

2017/01/17

「保険」の基礎知識

日本における保険は、偶然的事故の発生に備えて、最小の費用を事前に負担することによって、事故発生の際の経済的保障を行う制度という意味合いが強いが、香港では保障だけではなくリターン率の高い貯蓄できる商品もあり、資産運用には欠かせない商品となる。保険について解説していこう。

 

香港在住の今だからこそ!
保険で資産運用するメリットを知ろう

香港で資産運用をするなら、ミドルリターン&ミドルリスクの保険が良いと聞くがそれはなぜなのか。その理由を3つのメリットから知ろう。

メリット1 香港在住者でなければ購入できない
日本の保険業法186条で、「日本に支店などを設けない外国保険業者に対して日本に住所もしくは居所を有する人もしくは日本に所在する財産(中略)に係る保険契約の申込みをしようとする者は、当該申込みを行う時までに、内閣府令で定めるところにより、金融再生委員会の許可を受けなければならない。」とあり、日本居住者への海外保険加入を規制している。一個人が金融再生委員会の許可を得ることはほぼ不可能であるため、ビザを取得し、IDカードを所有(申請中も可)する香港居住者のみ購入することが可能となる。

メリット2 ライフワークに合わせて選べる豊富な種類
香港における保険は、疾病保障保険だけでなく、老後の資金や子供の教育費にあてるための貯蓄型の商品まで様々な種類を取り揃えているのも魅力のひとつ。ライフワークに合わせて、複数の商品を組み合わせたオリジナルプランをつくり、資産運用をすることができる。香港の国土面積は日本より狭いが、日本以上に保険会社が存在し、日々よりよい商品開発のため、各社が競い合っている。そのため日本よりも条件がよい商品が生まれやすい。

メリット3 日本よりも香港の方が積立利率が良い
香港の保険商品では、同じ保険料金でも、日本よりも高い保障を得ることができる。これは、日本で発売されている年金保険を一例に見てみると、日本で積立利率は1%前後と低く、香港で販売されている年金保険の積立利率は最低でも3%以上の商品が多い。ということは、同じ保険料でも、将来受け取れる解約金が多くなり、日本で貯めるよりも受け取り金額は大きな差になる。例えば、教育資金であれば、子供が生まれてすぐに加入し同額を支払った場合、日本で貯めるよりも数十パーセントも受け取りに差がでてくる。また、老
後の生活資金であれば、さらにその効果が大きくなり、かつての日本の年金のように、保険料支払い総額の3倍の受け取りになるものもある。長期になればなるほど、効果が大きくなり、差が生まれていくのが保険。ローリスクで運用できるとはいえ、いろいろなタイプの保険があるので専門家のアドバイスが必要となる。

 

知っておきたい3つの商品
保険の種類を知ろう

保険と一口に言っても、目的に応じて様々な種類の保険商品がある。今回は、香港での人気の高い「年金保険」、「学資保険」、「生命保険」を紹介しよう。

 

年金保険

年金保険とは、「公的年金」や「退職金」などをもとにし、老後充実した生活を送るために「いくら自分で用意すればよいか?」を考え、相談し、年金などでは不足すると考えられる金額を、現役世代のうちから準備をする為の一つの手段である。

年金問題は今に始まったことではないが「少子高齢化」「労働人口の減少」「老後破産」など、公的年金の構造的な問題点が浮き彫りになるほど、自分の事として「自分年金」や「個人年金」など国の影響を受けにくい手段で自己防衛が必要だ。海外勤務の日本人の中には「年金の支払を止めてきた」人も多く、その必要性はより高くなる。世界的な流れで、公的年金の受取開始期間が先送りされる事例が増えており、フランスなどの先進国では67歳、68歳などより先送りの為の議論がされているようだ。この大きな流れをみても「自分年金」が重要だ。ただ「年金保険」を選ぶ際も注意したい点がいくつかある。まずは受取期間「一定期間受取れるタイプ」「一生涯受取れるタイプ」の2種類あり、更に運用手法の違いでミドルリスク・ミドルリターンの「定額型」、ハイリスク・ハイリターンの「変額型」がある。選ぶ時は各々良し悪しもあるが自身の年齢、受取開始時期、予算を踏まえ専門家に相談するのが良さそうだ。

年金保険 年金保険

学資保険

学資保険とは、他の名前で言い換えると「子供(こども)保険」とも言われている。その目的は「将来、子供に掛かる教育費などのお金を補助する事を目的とし、教育資金が必要となるタイミングで、契約時に予定した金額を学資金として受け取る事ができる保険」。つまり、貯金が苦手な人や、子供の為に絶対に手を付けない資金を作りたい人が、給与天引きシステムで強制的にお金を貯める流れを作り、大学費用などに備える仕組みだ。受け取る際は、予定利率に従って払ったお金より十分に増えた学資金を受け取れるのも嬉しい。ここ香港でも問合せの多い商品の一つだが、出産後すぐに加入するのが一番利率が良いようだ。更に小学校入学前に大学資金の準備を終わらせる裏ワザもあるようで、ライフプラン上もメリットは多い。更に、右図のように0歳で加入すると大学時に2倍受け取れるような商品があり、将来の家計圧迫を減らす役割としてもありがたい。必要であれば香港居住の間に加入検討に入れたい保険商品である。

学資保険

生命保険

生命保険には2つの大きな機能がある。一つ目は「保障機能」、二つ目は「貯蓄機能」。保障機能とは、保険の対象者が万一死亡した場合に遺された遺族が生活資金として死亡保険金を受け取る事ができる機能。貯蓄機能とは、支払っている保険料が保険会社の中で積み立てられ、資金が必要な時に引き出し、教育資金、緊急予備資金などとして活用できる機能。この2つの大きな機能をもち、保障を得ながらしっかりと積み立てができるという便利な保険である。ただ保険選びをする場合は注意が必要だ。それは選んだ生命保険の種類によっては「掛け捨て」となり、契約終了後に何も返ってこない商品もあるからだ。自分では貯めているつもりで支払っていた保険料が返ってこないとなると、残念でならない。少なくとも3つの保険「定期保険」「養老保険」「終身保険」の意味を理解しておくことが保険選びのコツである。香港の生命保険は予定利率が高く、今の日本人にとっては良い運用商品(掛金の2倍以上増える)とも言える。また保障も、高い保障額を安い保険料で購入し、更に将来の保障額が増加していくというメリットもあるようだ。保障重点型にするもよし、貯蓄重点型するもよし。保険会社も複数あり、月払、年払、一括払など自分のライフプランにあった保険探しをする事が肝要。香港居住のうちに知っておきたい保険商品である。

生命保険

香港における医療保険とは?

香港は医療保険が多く存在するが、その理由はなぜなのか。日本と香港の医療事情の違いも含めて、医療保険に詳しいinsurance110の稲川 秀彦さんに話を伺った。

香港の医療事情について教えてください。
香港には日本の健康保険のような公的医療保険制度は有りません。代わりに政府が公立病院を運営しており、安い料金で医療を受けられる体制を整備しています。ただ、公立病院は数が大幅に不足しており、待ち時間が長くかかる事もあり、利用しにくいのが現実です。重症患者の受入が優先されるため、軽度の手術などは数か月待たされる事も日常的で、私立の病院を使う人が多いようです。

日本の場合は、健康保険制度で治療費の額が統一されていますが、香港では医療費の設定が自由ですので、同じ治療でも先生やクリニックによって異なります。特に気を付けるのは入院中の治療費ですが、入院する部屋のグレードで治療費が変わります。個室に入るのと大部屋では、同じ先生に診てもらっていても個室に入っている人の治療費は高くなります。部屋代の差額だけ見て、「少しの差なら個室が良い」なんて選ぶと、総支払額で何倍も払う事にもなりかねません。風邪でクリニックに行って同じ薬を貰ったのに、値段が違うこともよくありますが、安くて信頼できるクリニックを見つけておくのも大切な事だと思います。

一般医と専門医についてご説明します。香港では最初に一般医に掛かり、一般医が専門医の治療が必要と判断した場合に専門医を紹介するシステムです。日本だと目が悪ければ眼科に行きますが、香港ではまず一般医に相談します。ものもらいや結膜炎程度であれば一般医が目薬を処方してくれて終わる場合も多いです。

前述のように私立病院やクリニックを使う為に、香港では民間の医療保険に加入している人が多いです。民間の医療保険の場合、沢山使うと翌年の保険料値上げになる物も多いので、治療費の抑制にも気を付ける必要が有ります。

香港の医療保険とはどのようなものでしょうか。
まず、日本と香港の医療保険は、仕組みが全く違います。日本の医療保険は健康保険の補完的役割で、差額ベット代などの追加費用をカバーする目的で、1日5,000円などの定額支払の物が主流です。香港の医療保険は、健康保険の代わりに医療費をカバーする目的の物です。

日本の健康保険は収入によって保険料が変わりますし、労使折半になっていますから、会社が半分払ってくれています。月収30万円程度人であれば、月々3万円弱で年間32~35万円程度の保険料ですが、月収100万円になると年間120万円もの支払いになります。一方香港の医療保険は、補償内容、年齢、性別によって保険料は変わってきますので、数千ドルから3万、4万ドルする物も有ります。補償内容も細かく分かれている商品も多く、入院の部屋代、手術費用、麻酔費用など細かな設定が必要になります。また、通院の治療費も一回当たり限度額や、レントゲンなどの検査費用の設定もありますので、ご自分の要望と予算に合わせた医療保険を選ぶ必要が有ります。

弊社では、様々な保険会社の商品を扱っており、お客様に丁寧にヒヤリングさせていただいた上で、ご要望にあう保険を見つけられるようアドバイスさせて頂ます。ご興味のある方は、一度ご相談ください。

稲川 秀彦さん

稲川 秀彦さん
insurance110で医療保険専門のメディカルプランナーに従事する。
顧客の話を丁寧にヒアリングし、数多くの医療保険商品から、ひとりひとりに合った医療保険の紹介に定評がある。

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