特集:Go East!!香港島を東へ! 3

2016/11/22

筲箕湾Shau Kei Wan

 

低調高手大街小吃
小腹が空いたら食べ歩き行列のできるローカル店

雞 蛋仔

香港のおやつとして昔から慣れ親しまれている雞蛋仔(エッグワッフル)。数あるお店の中でも筲箕湾(シャウケイワン)にある「低調高手大街小吃」はとりわけ有名なお店の一つで、店先には常に多くの人が列を作る。オーダーが入ってから焼く雞蛋仔は、黄金色に焼き上げられ外はさくっと中は卵の香りたっぷりでしっとりと、甘すぎずバランスのとれた味は世代を選ばず愛される味。焼きたて時に漂う甘い匂いに誘われてついついお店に足が向いてしまう。

低調高手大街小吃
住所:Shop B3, G/F, 76A Shau Kei Wan Main St. East, Shau Kei Wan
時間:月~金12:00~22:00、土日11:00~22:00

 

安利魚蛋
香港のB級グルメの代表「魚蛋粉」の人気店

グルメ グルメ

一軒の屋台から始まり、現在では香港を代表する人気の麺屋の一つの「安利魚蛋」。長年、筲箕湾で愛され続けている店だ。2016年と2017年のミシュランガイドブックのおすすめローカルグルメ店の一つとして2年連続で紹介されている。看板メニューの魚蛋粉は、魚蛋(フィッシュボール、魚のつみれ)と河粉(米が原料の平麺)、そしてあっさりした味付けのスープを合わせたもの。噛めば噛むほど旨みが増す魚蛋と味わい豊かな繊細なスープが魅力。

安利魚蛋
住所:No.22, Main St. East, Shau Kei Wan
電話:(852)2513-8398
時間:9:00~19:00

 

 

香港の600年にわたる海防の歴史を知る
香港海防博物館

香港海防博物館 香港海防博物館

筲箕湾の海側に位置する香港海防博物館。敷地面積は34,200平方メートル。1844年にイギリス軍によって築かれた鯉魚門(レイユームン)要塞と呼ばれる堅固な海防施設で、東の海側と、大陸側からの香港島防衛において最も重要な要塞として長く戦いの歴史を刻み続けてきた。戦後、イギリス軍の
訓練基地として使用されていたが、1987年に完全撤退。その後、歴史的価値のある施設として1993年に修復が決定され、当時建造されたものを活かしたかたちで博物館として2000年7月に一般公開された。加えて、香港歴史博物館からセレクトした400点以上の貴重な品々を展示している。巡航戦車や装甲車が重々しく並び、海に面した高台には砲台が随所に見られる。また、1890年に設置された魚雷発射所もそのまま残されている。屋内の展示室では、明の時代から現在まで、実際に使用された衣服や武器を展示しており、写真や模型を交えて海防の歴史を深く学ぶことができる。決して「楽しみに行く」博物館ではないが、香港の海防の歴史を知れる貴重な体験ができるに違いない。

香港海防博物館 香港海防博物館

香港海防博物館

香港海防博物館
場所:175 Tung hei Rd., Shau Kei Wan( MTR筲箕湾駅から徒歩15分)
電話:(852)2569-1500
時間:10:00~17:00(木曜休館)
ウェブ:hk.coastaldefence.museum/

 

 

杏花邨Heng Fa Chuen

杏花邨

海沿いのプロミナードの潮風が心地良い…。かつて鯉魚門海峡の傍らのに拡がっていた「白沙湾」と呼ばれたビーチが、1980年代初頭に埋め立てられ、大型マンション群として造成された。MTR杏花邨駅は、まさにこのマンション群のために開設されたようなもの。今でも地名としてのみ残るその名前からすると、さぞ美しいビーチだったであろうことが察せられるが、今は往時の姿を知るすべもない。

 

鯉魚門公園 Lei Yue Mun Park

鯉魚門公園

香港島の東部の筲箕湾と杏花邨の間に1988年オープンした「鯉魚門公園」。美しい鯉魚門海峡を目の前に眺めながら、緑あふれる自然の中でキャンプやレクレーションを楽しむことができる香港でも数少ない公共のレジャー施設だ。東の玄関口で、左記に紹介した香港海防博物館に隣接する。20世紀前半の建築様式でかつて英国軍の兵舎や士官の家族の住居として使われていた建物は、現在では宿泊施設として利用されており、そのいくつかは香港の歴史的建造物にも指定されている。

鯉魚門公園

この鯉魚門公園の敷地内には宿泊施設の他、レストラン、キャンプ場、バスケットコート、ミニゴルフ、テニスコート、子供のプレイグラウンドなど子供から大人まで楽しめる約30のアクティビティーを楽しむことができるレクレーション施設がある。街中の喧騒から離れて、家族や気の合う友人たちと自然の満喫できるのも魅力。また、園内のレストラン「Jeff”s Ccatering (鯉魚門公園餐廳)では施設利用時の食事の事前予約をはじめバーベキュー用食材のケータリングも行っている。宿泊プランで利用の際は、園内にある6つの宿泊施設から選べる。独自のスタイルを持った雰囲気も良い広々としたベランダもあり快適に過ごすことができる。

鯉魚門公園(Lei Yue Mun Park)
住所:75 Chai Wan Rd.,
電話:(852)2568-7455 (852)256-7858
ファクス:(852)2568-8304
ウェブ:www.lcsd.gov.hk/en/camp/p_lymp.php

 

鯉魚門公共乗馬スクール Lei Yue Mun Public Riding School

1992年にオープンした鯉魚門公園内にある香港ジョッキークラブが運営する乗馬スクール「鯉魚門公共乗馬スクール」。都市圏内にあり気軽に利用できる4,000スクエアメーターの大規模な施設では個人またはでの団体で馬場内での乗馬体験や、1,300mの山沿いを行く約30分の乗馬体験を楽しむことができる。また、本格的に学びたい人向けには、騎乗と馬に関する基礎知識、馬を扱う技術を学ぶ事のできるコースなども開講している。また、鯉魚門公園内の宿泊者向けの特別乗馬体験やレッスンも行っている。香港ではなかなか味わえない乗馬をぜひ体験してみては。

時間:9:00~12:00、14:00~18:00
定休日:月曜日
年齢制限:6歳以上(6~17歳は親または参加グループの責任者の同伴要)
乗馬時間:月~金 10:00~11:00(朝の部);  火~金 15:00~16:00 午後の部; 土 16:00~17:00 午後の部(各セッション30分)
※個人または2~3人のグループセッションの乗馬(馬とポニー)
料金:月~金(9月~6月)HKD31.50; 火~金 (7月~8月) HKD60; 土・祝日HKD60
申し込み方法:申し込み用紙をファックスまたは鯉魚門公園宛てに郵送
ウェブ:http://www.lcsd.gov.hk/en/prs/lym.html

 

 

柴湾Chai Wan

 

柴湾の駅前に唯一残る200年前の農家
羅屋民俗館

農家 農家

今から200年ほど前、19世紀初頭に「羅」という名前の客家人が建てた農家を修築した「羅屋民俗館」。客家人とは、客家語を母国語とする漢民族のこと。当時、柴湾には6つの客家村があったが、羅屋は現在唯一残っている建物で、法定古墳に指定された歴史的建造物だ。1972年に香港政府が保管することになったが、1990年に民俗館として一般開放された。外観は、白壁で瓦屋根の平屋で、中央に入口がある左右対称の建物だ。構造は、手前に3間、奥に3間の合計6間で、玄関の左がキッチン、右が物置、玄関奥が居間、左が農作業部屋、右が寝室になっている。それぞれの部屋には、家具や生活用品が飾られており、当時の生活や雰囲気をそのままに感じることができる。羅家の一族はこの家でどんな生活を送っていたのか。昔の人ならではの工夫や知恵が発見できるかも?ぜひ足を運んでみよう。

場所:14 Kut Shing St., Chai Wan(MTR柴湾駅から徒歩5分)
電話:(852)2896-7006
時間:10:00~18:00(木曜休館) ※日曜祝日:13:00~18:00
料金:無料
ウェブ:www.lcsd.gov.hk/ce/Museum/History/zh_TW/web/mh/about-us/law-uk-folk-museum.html

 

人間到る処青山あり
華人永遠墳場

墓地

柴湾の東、ポッテンジャーピークの斜面には、さながら棚田のように大規模な墓地が造成されている。

中国人は、伝統的に異郷の地にあっても亡くなるとお骨は故郷の墓に埋める習慣がある。しかし、中国の故郷を離れて香港に移住し長年暮らした人々には、香港を故郷と考えたり、遠く離れた中国の故郷には戻るつもりはないと考える人も多い。

そんなルーツを大陸に持つ人たち向けの墓地として香港初の「華人永遠墳場(Chinese Permanent Cemetery)が1913年に香港仔(アバディーン)に建てられ、この柴湾は1966年から造成された2番目のもの。その後荃灣(チュンワン)、近年では、將軍澳(チョングヮンオウ)にも造られ、現在で計4つの華人永遠墳場が香港に存在する。この内將軍澳のものが、香港最大の広さを誇る。これらの墓地は伝統的な中国の墓地と異なり、木々や多く
の花が植えられたモダンな造りの墓地とされている。

場所:Cape Collinson Rd., Chai Wan

 

東の端に絶景を見つけた!

香港島東端

さて、この特集では香港島東部の歴史やスポットを、いろいろと見て来たが、実を言うと、「香港島の東端」はどこなの?どうなっているの?という、ささいな興味、好奇心がこの企画の発端でもあったのだ…。そこで最後に、編集部Tが、老体に鞭打ち、実際に脚を使って行ってみた。いざ行かん香港島東端の地へ!

基点となるのは柴湾の東隣、小西湾。巨大高級マンション「アイランド・リゾート」の下が最東端のバスターミナルとなっている。まずはここから海沿いの散歩道を東へ。海峡の向こうは将軍奥だ。多くのフェリーやクレーン船が行き交う、湾仔より西のヴィクトリア港内と違って、のんびりと、いささか寂しいくらいの海の景色が広がっている。しかし、まだまだここは「東端」とは言えない。さらに東へ行ってみよう。

香港島東端

香港島東端

残念ながら黒角頭の灯台は断念

散歩道はちいさな公園で終わり、そこから小高い丘へ登る遊歩道へと変わる。あらかじめ地図で調べておいた黒角頭の灯台を目指すべく、左の脇道へと入って行く。こんな小さな散歩道でさえキレイに整備されているところは「エライな香港」と思ってしまう。左手の眼下に静かな海峡を望みつつのんびりと歩くこの道は、かなり険しい斜面に造られていることが感じられる。そういえば、香港島西の端も同じく切り立っていることを思い出す。急峻な島なのだ本来の香港島の姿は。

目指す灯台に着いたが、入り口は閉ざされておりこれ以上進むことはできない。斜面を降りる道らしきものもあるが、危険なので自重。灯台からの景色を見る事ができず残念ではあるが、もと来た道を引き返す。

香港島東端

仕切り直して、改めて「龍躍径」のだらだらと続く斜面を登り始める。目指すは19世紀に中国の海岸線を測量したという英国海軍のリチャード・コリンソンの名を冠する「ケープ・コリンソン・ロード」だ。15分も歩くとケープ・コリンソン・ロードに到着。ハイキングとは言えない散歩の延長ののんびり歩きではあるが、ここで持参のサンドイッチと飲み物を取り出し、海を眺めながら暫しの休憩。

このあとケープ・コリンソン・ロードをさらに先へ進めば東の岬へと導いてくれるはずだが…。実はこの道の東端は「ケープ・コリンソン懲教所」となっており、一般人は立ち入りできないのだ!そこで、山の上から東の端を眺める作戦で、南の大浪湾へ向かう道を登ることに。

香港島東端

見上げた瞬間「マジか…」と声が出てしまうほどの階段が入り口。「やめるなら今だ…」という心の声を振り払い、傍らの手すりを頼りに急勾配を登り始めて10分。振り返るとアイランド・リゾートが眼下に見える。傾斜も緩やかになり、最初ビビった自分がおかしくなるほどあっけなく登りきってしまった(笑)。

さて「絶景ポイント」から東を眺める。島が連なりランタオ島の存在感が大きすぎる西側の海と違って、静かで雄大な南シナ海の眺めは「値千金とは小せぇ、小せぇ~!」。左手に東龍洲の全貌が、右手には石澳、鶴咀半島、蒲台群島までが180°ぐるりと視界に収められる!ほんのわずかな階段登りでこの絶景は美味しすぎる。来年正月の初日の出ポイントはここで決まり!

香港島東端 香港島東端

左手に東龍洲、右手には石澳、鶴咀半島、蒲台群島を望む

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