特集:モノ作りの現場 工場を訪ねて 2

2016/11/08

現場へGO!
香港ヤクルト工場見学

『安全・安心』が第一!

工場見学

世界33の国と地域で販売され、毎日約3,500万本も世界の人々に愛飲されている「ヤクルト」。工場見学では何を見、学べるか?編集部が新界(大埔)の工場に向かい見学し、併せて工場長秋田谷和美さんに話しを聞いてきた。

〈見学内容〉
工場見学は約1時間、2部で構成されている。1部は、PR室での座学である。2階のPR室に移動し、ヤクルトの誕生秘話、香港ヤクルトの歴史、ヤクルトができるまでを、パワーポイントで作った資料とアニメーションムービーを見ながら学ぶ。アニメーションは、乳酸菌やビフィズス菌が体の中でどのようにはたらくか楽しく学べる動画である。他には、腸の模型を用意し、体の仕組み・役割を確認、ヤクルトの菌がどこを通り、最後腸に到達しはたらくか説明する。2部は、参観通路での見学である。PR室から生産現場まで移動し、実際のヤクルト製造工程を確認する。参観通路の窓からは、乳酸菌を培養している大きなタンク、ヤクルト容器を作る機械、ヤクルト液を容器へ注入し、ヤクルト5本を1つのパックにまとめパッキングする3本のベルトコンベアが確認できる。通路途中エアシャワー※が設けられ、そこを通る全員がエアシャワーを体験できる仕組みとなっている。以前、小学生向けの見学で「エアシャワーを体験したい」という希望者が絶えず、数人しか体験することができなかったため改善した。参加者全員が思い出に残るような「体験型」の工場見学を目指している。

工場見学

※エアシャワーとは・・・工場スタッフが作業場に入る際白衣着用が義務付けられているが、衣服についている「ちり」「ほこり」を落とすために使用している。

〈工場を開放している理由〉
ヤクルトには生きている乳酸菌「乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029) 」が約100億個/1本入っており、乳酸菌シロタ株を飲むとおなかの腸まで生きて届き、腸にいる良い菌を増やし、悪い菌を減らす効果が期待できる。ヤクルトレディという家庭
訪問販売を行っていないここ香港では、スーパーマーケットなどの店頭販売に限られており、お客様にはこれらの内容を直接説明することができない。そのため工場にて安全な設備でヤクルトが作られているのを見て、「安心して飲める」ことを肌で感じて欲しいため、製造工程を見てもらっている。「メイドインジャパン」の食品が海外でも頑張っていることのアピールにもつながる。

工場見学

〈見学者について〉
香港のヤクルト工場では、年間4万人のお客様が来場している。うち社会科見学として活用する幼稚園・小学校が約7割近くで、残りの3割は日本からの大学生、香港在住のファミリーが団体で参加することが多い。日本の大学生は、海外で活動している日系企業で製造から納品までのサプライチェーンの流れを研修することが主な目的となっていて、子供連れのファミリーは、住んでいるマンションの1イベントとして活用しているケースが多い。香港内は面積が狭く、どこに行くのも便利である。他国と比較しても見学者数が多いことの理由の1つである。

〈工場見学で学べる事〉
見学では、香港内で好評のTVCMが過去に遡ってパネル化したものが掲示されている。また、ヤクルトのジャンボダミーを設置しており、一緒に写真を撮ることができる。参観通路内には、日本や海外のサイズが異なる空容器や様々な資材がディスプレイされていたり、PR室では作りたてのヤクルトも飲むこともできたりして、内容の濃い工場見学となっている。工場見学の最大の目的は、「見学に感動・楽しんでもらい、毎日1本ヤクルトを飲む必要性を知り、飲む習慣をつけてもらうことです。普段感じている質問を私たちにぶつけ、理解・納得して、毎日飲んでほしいです。工場でお待ちしております」と担当の松岡さんは語る。

工場見学

工場長の秋田谷和美氏にお話を伺った

工場

仕事を進める上で気を付けていることは何ですか?
5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を順守しています。その中で「整理・整頓」は事故につながる大きな要因となるので特に気を付けています。ほかには、ローカルスタッフの人たちとのコミュニケーションを大事にしています。工場現場には通訳を1名配置し、内容が複雑なものに関しては、通訳を介して伝えています。間違った内容が独り歩きすると、ローカルスタッフの誤った解釈に繋がり、正しく仕事を進めることができません。製造工程はマニュアル化しており、1人1人が自信を持って仕事に取り組めるようにしています。

商品の高品質を維持するためにしていることは何ですか?
食品工場は「洗浄」が非常に大切な作業となります。清潔にしていないと美味しいヤクルトが作れないため、機器洗浄を徹底しています。それができていないと翌日製造するヤクルトの品質に影響します。『安全・安心を第一』に日々仕事に邁進しています。

【ヤクルト工場見学に関する基本情報】
香港益力多乳品有限公司 HONG KONG YAKULT CO. LTD.
■予約方法
①会社HPより http://www.yakult.com.hk/
②電話 852-2342-7111(会社代表)
③Mail [email protected]( 松岡)
■アクセス
4 Dai Li Street, Tai Po Industrial Estate District, N.T.
ミニバス、タクシー、車(駐車場あり※要事前予約)
■開催時期
月~土曜 午前3組、午後2組(5組)09:30~、10:00~、11:00~、13:45~、14:30~
■費用:無料
■見学定員:70名まで それ以上多い人数の場合は、2班に分かれての見学となります。
■備考:カメラによる撮影(製造現場の機材撮影は不可、それ以外は問題なし)

 

 

現代香港代表的工業エリア

大埔工業邨 Tai Po Industrial Estate
多くの日系企業が工場を構える
今もなお活性化する工業地帯

1975年に設立された大埔工業邨。大埔の市街地から1.5kmに位置し、吐露湾に面した75ヘクタールの敷地面積を有する。日清食品、ヤクルト、ヤマザキパン、NTTコミュニケーションズなど、多くの日系企業が工場を構えている。日系以外にも、ミネラルウォーターの屈臣氏蒸餾水(Watsons Water)、外食大手の美心食品廠(Maxim’s Food Production Centre)、中華系菓子の奇華餅家(Kee Wah Bakery)、オイスターソースの李錦記(Lee Kum Kee)、亜洲電視(ATV)など多種多彩な約80の工場がある。

元朗工業邨 Yuen Long Industrial Estate
長期間の契約により土地の低価格化が実現
新しい産業の発展を支える工業地帯

1983年に設立された元朗工業邨。MTR朗屏駅から約1km、山貝河沿いに67ヘクタールの敷地面積を有する。香港における新しい産業の発展のため、10年から15年という長期間の貸出に限定して土地を低価格で提供したため、様々な分野の工場が建てられた。主な有名企業は、凸版印刷、香港生力啤酒廠(San Miguel Brewery)、雀巢香港有限公司(Nestle)、維他奶(Vitasoy)などで、他にも石油化学や鉄鋼、ガラス、製薬会社など、約50の工場がある。

 

 

工場見学 in 香港

嘉頓(Garden)
香港を代表する〝地元系ベーカリー〞で見学&パン屋さん体験ができる

工場見学 工場見学

嘉頓有限公司(The Garden Company)は1962年に創業の香港を代表する製菓メーカー。香港のお土産として多くの旅行雑誌などにも取り上げられるビスケット「Pop-pan」でも有名で知っている人も多いだろう。主要商品には、パン、ビスケット、エッグロールなケーキ、スナックなどがありかわいいシェフのロゴが目印。親しみやすさと手軽な価格帯で世代を問わず人気がある。

たった一つのパン工場から始まった同社は、もともとは、第二次世界大戦の間、中国軍にパンを供給していた。その後1980年代には、香港や中華圏に留まらす、アメリカ、ヨーロッパなどの海外にも販売エリアを拡大し名を広め、国際ブランドとしての地位を獲得していった。現在では、商品の小売だけではなく、香港の70%を占めるレストラン、ホテル、航空会社へのパンやケーキなどの製菓の供給も行っている

新海地区のガチョウで有名な深井(サムジェン)に建つ同社の70,000㎡の工場にはパン、ビスケット、ケーキ、などの製造ラインがあり、1,200人以上の従業員が最新の設備と衛生管理体制のもと生産を行っている。

そんな同社の工場では、生産過程を学べる団体(30名より)での工場見学行っている。パンの製造ラインの見学、試食、質疑応答をはじめ、パン作りを体験できる手作りパンのワークショップなどがあり子供も大人も楽むことができる。申し込みはホームページにある申し込み用紙を2月1日~3月31日の期間に郵送または(852)2491-0592までファックスで。

「Application for Plant Visit Activity」の記載を忘れずに。

工場見学

Garden Bread Factory
住所:1-11 Sham Tsz St., Sham Tseng
電話:(852)2491-3369
ウェブ:www.garden.com.hk/eng/related-links-plant-visit

 

維他奶(Vitasoy)
香港オリジナル豆乳ドリンク大人も子供も生産ラインに釘付け!

工場見学

1940年に創業の「維他奶」は豆乳ドリンクの「維他奶」をメインにフルーツジュースやアイスティ―などのドリンクを製造販売する香港の有名飲料メーカー。主要商品の豆乳「維他奶」は、厳選したオーガニックの豆を使用していて、おいしくて身体に良く、飲みやすいと年齢を問わず多くの人に愛飲されている。豆乳の味が苦手な人でも飲みやすいようにと、オリジナルの味に加えて、コーヒー、チョコレートなど味のバラエティーも魅力。

その昔、お肉は高級品とされていたため、低層階級の人達には古くから、豆は“中国の牛”と言われ良質のたんぱく質の摂取元とされてきた。そんな豆をもっと気軽に、効率的に摂取できる方法はないかと、創業者であるDr.K.S.Lo氏が豆乳ドリンクを作ったのが始まり。現在では、香港と中国の工場に加え、オーストラリアとアメリカにも工場をもつ。、アジアの国々をはじめ、世界20ヶ国で販売、愛飲される大企業に成長した。

工場見学

新海地区の屯門に工場に建つ広大な工場では、最新技術を備え高い衛生管理と品質管理のもと生産が行われている。そんな同社の工場見学では、30人~50人まで、学校、コミュニティー団体、学生団体の工場の見学を行っている。工場見学では、こだわりの製法や製造過程を学べるビデオ鑑賞、生産ラインの見学をはじめ、製品紹介、質問コーナー、を設けて「維他奶」を見て、体験して学ぶことができる。申し込みは同社ホームページにある申し込みフォームを、3月末までにファックス、メールでの送信または郵送で。

維他奶廠(Vitasoy Factory)
住所:No. 1 Kin Wong St., Tuen Mun
電話:(852)2466-0333
時間:月~金 午前の部 10:30~12:00   午後の部 14:30~16:00
期間:7月2日~8月31日 (日、祝日は除く)
ウェブ:www.vitasoy.com

 

 

工場見学 in 広州

驚きや発見がいっぱい!
広州エリアの工場見学参加者に聞きました

小学生の時に社会の授業で一度は行ったことがある工場見学。数年前には日本でも工場見学ブームになり、メディアなどで目にした人も多いのではないだろうか。工場見学するといったいどんな発見や驚きがあるのだろうか。実際に飲料会社の工場見学ツアーに参加した6組にアンケートを行った。

工場見学に参加してどんな驚きや発見がありましたか?
●日本で昔から馴染みのある商品が、世界中で愛されていることを知れたことと、商品を作るために現地の人たちも一生懸命働いてくれていることを実感できたのが良かった。(Aさん 30代 女性・子供 10歳)

●海外だから、工場のつくりが違うかと思ったけど、日本とあまり変わらない~という発見。工場のシステム、品質管理など社会勉強になる。グローバルな会社のグローバルな視点を知ることができる。(Bさん 女性・子供 10歳)

●工場内はとても清潔で工員の服装もきちんとしていて好感が持てた。腸内環境についての話を聞くことにより、自分の食生活について改善しようと思えた。(Cさん 40代 女性)

●工場内の清潔さに感心した。参観者一人ずつエアシャワーを浴び、渡り廊下に進むことから、衛生を第一にしている会社だという事がとても伝わり、安心して飲める食品だとわかった。また、日本の美味しい飲料が世界の国々の人に愛されることは本当に素晴らしい事で、教育に繋がっていると感じた。(Eさん 30代 女性・子供 7歳・9歳)

●最新設備を導入し、徹底した衛生管理の元、全く人の手を使わずペットボトルへのドリンク注入まで自動化された生産工程を見せてもらい感動した。また、 “楽しく学べる工場”をコンセプトに作られた見学通路や、製品会社の中国での歴史を見ることができる展示館も多くの見所があった。(Fさん 男性)

お子様も参加された場合、どのようなところに興味を持っていましたか。
●生産ラインの機械に興味を持ち、帰宅後に工場見学のことについて絵日記に書いていた。(Aさん 30代 女性・子供 10歳)

●工場の機械で製品が作られていく様子に興味を持っていた。夏休みの自由研究を目的に行くのもいいかもしれない。(Bさん 女性・子供 10歳)

●製品ができるまでの流れ作業や他国で販売している製品、製品のクイズについて興味を持っていた。(Dさん 40代 女性・子供 7歳 12歳)

●乳酸菌の知識を物語りにして見せてもらったり、模型などを使って分かりやすく説明してもらった所にとても楽しそうに見ていた。(Eさん 30代女性・子供7歳 9歳)

●子供は参加しなかったが、ものづくりの見学として日本基準の衛生管理、自動化された最新の生産工程を目の当たりにできる点は大いに勉強になると思う。(Fさん 男性)

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