特集:香港の原風景 東涌・大澳 2

2016/10/12

空中散歩で会いに行ける香港の大仏様!
昴坪360

昴坪

9月某日、天気は上々。「これってもしかして『大仏日和』?」と思い立ち(笑)、いきなり香港唯一の大仏「天壇大仏(ティンタンダイファ)」に会いに寶蓮寺(ポーリン寺)へ向かった!

MTR東涌線の終点、東涌(トンチョン)駅で降車。B出口からすぐのケーブルカー昂坪360(ゴンピン360)で、大仏のある昂坪高原まで楽々と行くことができる(往復大人HKD255~)。平日のこの日の待ち時間は10分足らず、座席は10席だが相席6名で出発。360度、自然豊かな山々の景色が望められ、最高の空中散歩!地元の参拝客らしきご年配の方のカバンから野球のバット並の巨大な線香が突き出ていて驚かされた。約25分でケーブルカーの終点、昂坪駅に到着。昂坪高原には、屋外
で世界一の大きさを誇る天壇大仏をはじめ、寶蓮寺や約20店もの土産店、飲食店が並ぶ。早速、精進料理(ベジタリアン)の食券付き拝観チケット(HKD98)を購入。食事は歩いてすぐの寶蓮寺の食堂で食べることができる。なんと、この食券で大仏内の2,3階に入ることができるという!まずは、天壇大仏様の足元までは268段もの階段があるため、気合を入れて、レッツゴー!!……甘く見ていた私。半分ほどの所で息切れ。ふと横を見ると、厚底のサンダルを履いたご婦人は手すりにしがみ付いて、ハァーハァーだった。ぜひ、スニーカーで挑戦していただきたい。足元から見上げる天壇大仏は、さすがは世界一。迫力満点だ。大仏内は撮影禁止なので、この目にしっかり焼き付けておかないと!さて、寶蓮寺に移動して精進料理をいただこう♪1人前とは思えない量に、動揺を隠せず(汗)。野菜がたっぷり摂れて、大満足☆。また、寶蓮寺ではあのバット並に大きい線香が香炉で焚かれていた!!寺院では膝つき用シートが設置されており、ゆっくり拝むことができる。心清まる、天壇大仏参拝と大澳散策の様子を、動画本編でご紹介♪

動画

大仏 昴坪 昴坪 昴坪昴坪 昴坪

昂坪360(ゴンピン360)
住所:Po Lin Monastery, Ngong Ping, Lantau Island, Hong Kong
電話:(852)2985-5248
年中無休
時間:平日11:00~17:00、週末10:00~17:30
料金:スタンダード大人HKD185、子供HKD95、シニア(65歳以上)HKD130; クリスタル大人HKD255、子供HKD175、シニア(65歳以上)HKD205
ウェブ:www.plm.org.hk/blcs/en/index.asp

 

 

大型アウトレットで一日楽しめる
City Gate Outlet

東涌

MTR東涌駅に直結している大型アウトレットモール「City Gate Outlet」。2006年にオープンしたこのアウトレットは、地下2階地上3階建てで世界中のお店が約80店舗以上入っていてシーズンに関係なく30%から50%おオフで買い物をすることができる。香港島の中心の香港駅からも約25分ほど、人気観光名所の昂坪360の乗り場に隣接しているのでランタオ島観光のついでに立ち寄ることもできる。

主な人気ブランドとしては、アディダス、ナイキ、などのスポーツブランド、マイケルコース、コーチやラルフローレンなどのラグジュアリーブランド、スワロスキー、ケイト・スペイドなどのアクセサリーブランドなど見どころ満載。日本にはない香港発のブランドのアウトレットもあるので忘れずにチェックしよう。

買い物の合間の休憩や食事にはモール内にあるフードコートが便利。観光客に人にはちょっとしたお土産を買うのに便利なスーパーもあり。

City Gate Outlet
住所:20 Tat Tung Rd., Tung Chung, Lantau
電話:(852)2109-2933
営業:店舗によって異なる
ウェブ:www.citygateoutlets.com.hk

 

イタリアンでオシャレにひと休み
Amante Bar & Restaurant

イタリアン

シティ―ゲイトアウトレットの大きなモールの反対側に店を構える本格イタリアンレストラン「Amante Bar & Restaurant」。混雑したアウトレットサイドとは裏腹に比較的空いていて、店内はシンプルで洗練されたお洒落なインテリアで間接照明が良い雰囲気を演出している。

メニューはパスタ、ピザ、リゾットをはじめ、シーフード料理や新鮮なオイスターなどを提供している。同店自慢のピザは、ナポリ風の薄焼きのクリスピータイプで、軽い口当たりなので女性1人でもペロッと食べられる。また、パスタメニューも豊富でぺストソースでソテーした海老のエンジェルヘアパスタはお店の人気メニュー。目の前で削ってくれる新鮮なパルメザンチーズをかけていいただこう。価格帯はアラカルトメニューのメインコースはHKD88~HKD128、ランチセットはHKD100以下で本格イタリアンを良心価格で楽しむことができる。アウトレットでお買い物の合間の休憩に、またはお買い物後に利用してみては。

Amante Bar and Restaurant
住所:Shop 1, G/F., Fu Tung Plaza, Tung Chung
電話:(852)2907-6808
時間:11:00~24:00

 

 

地元感一杯の海鮮を海辺で楽しむ
新華都海鮮酒家

海鮮 海鮮

東涌の旧フェリーターミナルの側、かつては漁村として賑わっていた場所に店を構える「新華都海鮮酒家」。ここが近代都市の香港という事を忘れるかのような穏やかな時間が流れ、水上家屋が並ぶ昔のままの漁村がそのまま残ったノスタルジックな雰囲気で地元民からも観光客からも人気のお店。空港から近いので離着陸する飛行機を眺めるのを楽しむこともできるのも魅力だ。

店内の生け簀は、古いボートを改装していて、その中には、常に種類豊富な海鮮がたっぷり。それぞれにわかりやすく値段が記載されて、英語メニューもあるので安心。おすすめはシンプルに素材を生かした調理法でいただく蝦やシャコ、貝類。

ランタオ島をハイキングしたり、街を散策した後にとびっきりおいしい海鮮料理を思う存分味わいに行ってみては。専用の送迎バスもあるので利用の際は自前に連絡しよう。

新華都海鮮酒家
住所:2 Tung Chung Old Pier, Tung Chung
電話:(852)2988-1450、(852)2988-1171
時間:ランチ11:00~14:00; ディナー17:45~22:00

 

大澳 (タイオー) Tai O
かつての珠江デルタの要衝に見る繁栄の歴史と「地元愛」

大澳

だれが言ったか「東洋のヴェニス」などと、似ても似つかぬ称号で呼ばれることもある大澳。香港広しと言えどもこれだけ水上家屋「棚屋」が残っているのはここだけしかない。今は置き去りにされたかのようなこの街の歴史は古い。

香港が英国に注目される以前は、珠江デルタへの出入り口として東の澳門(マカオ)と並ぶ西の要衝でもあった大澳。漁場としても優れた珠江の河口を目の前に控えたこの地に移り住んだ「水上人」が漁業を営み、「鶴佬人」(福建人)は海岸の浅瀬を塩田として塩を生産。南の陸地に定住した「客家人」は水田で稲作を、「廣府人」(広東人)は人々が集まる街に店をひろげ商業を営み、Yの字形の水路を中心とした大澳の街は大いに賑わい栄えた。20世紀初頭にはこの地に12の造船所があり、その他ロープや帆、櫓など、漁業関連の産業が集まっていたという。また、1930年代には香港最大規模の生産地として塩の生産が最盛期を迎える。

1960年代、香港全体が軽工業と金融都市として発展していく中、大澳ではタイなどから輸入される安価な塩に押され、塩の生産はしだいに衰退。若年層は都市部へ流出し、漁業、農業ともに衰えていく。しかしながら老人を中心にこの地に対する愛着は深く、大澳の伝統・文化は守られている。

2000年7月の大火では90軒以上の棚屋が焼失したが、多くの人々は他の地域への移住を望まず、同じく棚屋を建て直しこの大澳での生活を守っている。

大澳 大澳

 

 

渡し船で大澳へ
激変するランタオ島北岸を行く

渡し船 大澳

香港で最大の島であるランタオ島(香港島の1.8倍の面積)は全島にわたって峻険な山が海岸まで迫り、平地は少ない。1998年、東涌の鼻先の赤臘角(チェクラップコク)に香港国際空港が完成し、青馬大橋を通じてMTRと自動車道は東涌まで整備されたが、そこから先の島内の交通(バス路線)はほとんど谷に沿って山を登り、峠を越えて行くという昔ながらに不便なものだ。そのため、ランタオ島沿岸に点在するいくつかの「集落」を結ぶには海路船での往来が最も便利で効率の良い方法だった。レジャー客が多く訪れるランタオ島南岸の愉景湾(ディスカバリーベイ)と梅窩(ムイオー)へは中環(セントラル)からフェリー便が出ており、さらに各エリアは小規模な渡し船で横に結ばれている。

ランタオ島北部、東涌、大澳へは便数は少ないながらも、屯門(テュンムン)からフェリー便が出ている。今回は屯門→東涌→沙螺湾→大澳というコースに乗ってみた。料金はHKD25(日曜日はHKD30)。

渡し船 渡し船

編集部が乗ったのはちょうど中秋節の連休の中日の朝便で大澳へのレジャー客が多く、「東涌・沙螺湾行き」と「大澳行き」とに1隻ずつ船が用意されていた。つまり「東涌経由便」が急遽「直行便」となってしまったのだ。工事が進む「港珠澳大橋」の傍をすり抜けるようにランタオ島北岸を巡るコース!と期待していたのだが…。少なからずガッカリなスタートとなった。しかし、香港国際空港の全貌を海から眺められるというのも滅多にない機会!と気を取り直し、いざ出港。

定刻より少し早く埠頭を離れたフェリーはコンテナ運搬用の艀が停泊する屯門近くの海域を抜け、空港沖を目指す。2階の外席に座れば風が心地よく「渡し船」というよりクルージングを楽しんでいるという感覚だ。

やがて右手に球形のレーダーサイトを戴いた無人島「沙洲」が見えてくる。この辺りは「ピンクイルカ」の出現ポイントでもあるというので、もしかしたらと海面に目を凝らしてみるが、素人がなかなか探せるものではない。空港工事に続いて港珠澳大橋建設の打撃で、個体数が激減していると言われるピンクイルカ。偶然見られればラッキーというところだろうか…。

左手には四半世紀前までのどかな島の風景が広がっていたであろう緑のランタオ島の山々をバックに、広大な香港国際空港が灰色に横たわっている。飛び立って
いくもの、降りて来るもの、駐機しているもの、地上滑走中のものと、各航空会社の尾翼マークがひしめく。飛行機の離発着の方向は風向によって異なるが、この日は東に向かって離陸していき、西側から着陸して来るので、船はちょうど着陸コースの真下を横切って大澳に向かう。かつて深水埗の街から見上げたかのように、ギアを降ろした飛行機が頭上をとび抜け、灰色の空港に吸い込まれるように降りていく。

着陸 橋

空港の西の端を過ぎると、建設中の港珠澳大橋が近づいてくる。計画を耳にしたときは「マカオまで橋を掛けるなんて、まさかぁ(笑)」と思ったものだが、来年には開通予定という橋脚の下を実際にくぐるとは、不思議な感慨がある。橋を過ぎてしまうと目に映るランタオ島の風景はおそらく植民地以前のそれと変わりない姿そのままだ。

船は三々五々「ドルフィン・ウォッチ」の小舟が浮かぶ「将軍岩」の鼻先を巻くように大澳の船着き場へ入っていく。左手の丘にはかつての大澳警察署を改修した「ヘリテージ・ホテル」の白亜のコロニアル風建築が美しい姿で迎えてくれる。

大澳

潮風が爽快な渡し船の旅は屯門から約1時間弱。降り立った大澳の船着き場の隣にはマングローブの湿地が広がっている。実はこれ、1930年代にピークを誇ったという塩田の跡地だ。交通の不便さゆえに植民地以前の「海との密接な関係と佇まい」を今も色濃く残す人々の生活を訪ねて大澳散策を始めてみよう。

富裕小輪 FORTUNE FERRY
ウェブ:www.fortuneferry.com.hk

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