グルメ特集4・香港と広東ローカル美食「街市で味わう多国籍フード」

2015/09/07

各エリアの街市に集められたかつての大排檔
【街市 熟食中心】
香港では、どの地域にも必ず一つは“街市(ガイシ)”がある。生きたままの魚介やエビ・カニがイケスで泳いでいたり、新鮮な野菜が買える食材に溢れた場所だ。食材だけでなく、レストランや衣服店などもあるのが街市の特徴だ。香港の多くの主婦が、こういった便利さや、街市ならではの食材の新鮮さと安さで、街市でい物をする事を好んでいた。しかし、現代では、スーパーマーケットの発展により、以前と比べて街市で買い物をする習慣が薄れてきたようにも見られる。そんな印象と裏腹に、街市へ足を運ぶ回数は今でも減ることがない。その証拠に香港全体で現在でも76の街市がある。
一昔前まで個別に路上などで営業していた屋台や大排檔は、衛生上の理由などで、この街市のなかに取り込まれて行った。集合体である「熟食中心」は、新鮮な食材が集まる街市の中にあるため、自ずとその鮮度、値段とも庶民の満足する所となるのが必然といえる。いくつかの熟食中心では、キッチンをシェアしているものもある。こうすることで、調理のスピード、管理や清掃などを速やかにできることで効率よく作業できるのだとか。現在、香港には25の熟食中心があり、最近ではこの熟食中心にローカルのチェーン店も進出を始めているという。
種類の異なる飲食店の集合体というスタイルは、大規模ショッピングモールやデパートなどの「フードコート」と共通する。

街市で海鮮?!新鮮な蟹と潮州料理は必食!香港 文記海鮮飯店
香港で海鮮料理といえば、西貢(サイクン)や鯉魚門(レイユームン)
などが有名だが、紅磡街市にある海鮮レストラン「文記海鮮飯店」は知る人ぞ知る名店と言える。同店の起源は、紅磡消防署付近に大牌䈕として誕生したことによるが、1996年に紅磡街市が誕生した際に現在の場所へ店を移転、以来30年の歴史を誇る。街市内には7店舗のレストランがあるが、その中でも同店は常に混雑し、ローカルのみならず観光客にも人気を博している。
オススメはシーフード 椒鹽焗蟹(蟹の辛味炒め)
オススメはやはりシーフードだ。特に「椒鹽焗蟹(蟹の辛味炒め)」は絶品!新鮮で甘さのある蟹身とたっぷりの蟹ミソを使った料理はビールとの相性も抜群。さらに、イカや白菜、クワイを用いた潮州料理も見逃せない。店舗は屋外から屋内へと移ったが、ガヤガヤとした空間は昔と変わらず活気のある香港を感じることができるだろう。

文記海鮮飯店
住所:2/F.,Hung Hom Municipal Services Bldg.,
11 Ma Tau Wai Rd.,Hung Hom
電話:(852)2362-2960
時間:月~日 06:00~02:00

個性的なメニューが根強い人気 香港 東寶小館
ローカルの香港を味わうなら、“街市(ガイシ)”へ行くのがベスト。“街市(ガイシ)”とは、生鮮食料品を主に扱う地元の市場のこと。この街市、食料品以外にも熟食中心と呼ばれるフードコートや、花や小物も並ぶ香港ならではのなんでもアリ感が溢れている。そんなレストランの一つに、新鮮な海鮮料理等を斬新なアレンジで味わえると有名な「東寶小館(トンボウシウグン)」がある。地元の人だけでなく、ガイドブックを見て訪れる観光客も多いほど大人気の店だ。
斬新なアレンジの海鮮メニュー 墨汁墨魚丸(マッジャップマッユユン)
当店のオススメ料理は、“墨汁墨魚丸(マッジャップマッユユン)”。イカのすり身団子がイカ墨ソースで絡めてあり、スパゲティーといただく香港風イカ墨パスタだ。海鮮料理を食すなら、一緒にビールもいかがだろう。ビールは、グラスの代わりに冷えた中華風の湯のみで出てくるというユニークなスタイルがたまらない。予約なしの場合は早めの午後5時半頃に行くのがオススメ。

東寶小館
住所:2/F.,Municipal Services Bldg.,99 Java Rd.,North Point
電話:(852)2880-5224
時間:月~日 17:30~00:30

こんな所に?!意外性のイタリアン風大排檔!香港 ABC KITCHEN
“街市”にある料理の定番といえば、中華や新鮮な食材を使った鍋や海鮮料理だが、ここは一味違う。地元の人に愛され続けるイタリアン、ABCキッチンは街市の上の熟食中心にある。流行りのエッグベネディクトから、本格的ピザやパスタ、そして新鮮な海鮮まで食べれる隠れた名店だ。熟食中心にしては、少し高いが、本格的イタリアンとしてはかなり手頃な値段になっている。
本格パスタ 本格ピザ
当店のオススメは“スペイン風仔豚のロースト”。ジューシーな肉とパリパリの皮というコンビネーションが人気の一品だ。平日のランチタイムには、ピザやパスタなどの5種類のコースから選べ、コーヒーか紅茶が付いてHKD38~のお手頃な日替わりランチが楽しめる。多彩なメニューの数々は、シーズンごとに替わるので何度も通ってみたい。

ABC KITCHEN
住所:Shop 7, Food Market,1 Queen St.,Sheung Wan
電話:(852)9278-8227
時間:月~土 12:00~14:30、19:00~22:30
日 19:00~22:30

ちょっと変わり種フードコート
他人と席をシェアする事に抵抗があまりない香港文化だからこそ、香港にはフードコートがたくさん。今回は、押さえておきたい一味違う香港ならではの「フードコート」を紹介しよう。

Food Republicアジアを味わうならここ!Food Republic(フード・リパブリック)
アジア料理しか扱わないFoodRepublicは、食べたいものが決まらないときにオススメ。シンガポール発祥のこの大型フードコートは、日本料理はもちろん、台湾、韓国、シンガポール、ベトナムと様々な種類のアジア料理が選べる。チェーンのフードコートなので、香港にも5つのFood Republicがある。地元の人だけでなく観光客にも人気のフードコートは、常に人で賑わっている。

Food Republic

住所:B01,Silvercord,TST
電話:(852)2111-1961

ドラゴンセンターのフードコートこれぞ熟食中心の進化系?ドラゴンセンターのフードコート
ドラゴンセンターの8階にあるフードコートは、どちらかといえば熟食中心を思い出させる。小さいスツールがいくつも並んでいて、よく見かけるフードコートとは一味違う。その一つ一つのスツールも、手書きのメニューや張り紙で埋め尽くされていて正に屋台を連想させる。チェーン店よりも個人経営の店が多く、何より「安さ」にこだわっているのは深水䐚という地域ならでは。

ドラゴンセンターのフードコート

住所:37K,Yen Chow St.,Sham Shui Po
電話:(852)2360-0982

 

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