グルメ特集3・香港と広東ローカル美食「行列のローカルカフェ」

2015/09/08

香港独特の喫茶店「茶餐廳」と「冰室」いったいどこが違う?
【冰室・茶餐廳】
香港に住む人なら誰でも「茶餐廳」と言う喫茶店の存在を知っているだろう。この安さ、速さ、便利さ、もはや香港人には欠くことのできない存在となっている。では、もう一つの喫茶店「冰室」とはいったい何だろうか?基本的にアイス「冰」や冷たい飲み物やサンドウィッチなど、軽食しかない喫茶店「室」なので、「冰室」という名前なのだという。
60~70年代、当時の香港では高級レストランでしか食べられなかった洋風の軽食や冷たい喫茶メニューを出す「冰室」が流行した。その後、競争の激しい香港で生き残るために、軽食だけではなく主食などのメニューも増やし、営業時間も延ばした店も出現した。これが「茶餐廳」の原型だ。
現在の茶餐廳では中華や洋食はもちろん、日本風(日式)や東南アジア風など、更にそのメニューは多彩で豊富となっている。また、近年の「レトロブーム」を反映して、シンプルで懐かしいスタイルを残す「冰室」も人気で、あえて「冰室」の名を冠した新店も登場している。

旧いスタイルそのままに、今も歴史を守る老舗
香港 海安咖啡室Hoi On Cafe
1952年に上環(ションワン)の西港城(ウェスタンマーケット)の並びで創業したこの店は、80年代に埋め立てられるまで、道を挟んで港に面していた。この立地から「海に出た人が安全に戻るように」の意味を込めて「海安」と名付けられている。
同店の特色は、やはり昔の姿そのままの店構えだろう。横に開く古いタイプの鉄製シャッターの上に掲げられた「海安咖啡室」の真っ赤な四文字に風格さえ感じられる。
海安咖啡室 外観 海安咖啡室 店内
高い天井に大きな扇風機の羽根が回転する店内は、椅子やテーブル、むき出しのパイプに至るまで赤に統一されており、独特の雰囲気だ。外観や内装だけでなくメニューも伝統的冰室そのまま。シンプルな軽食と飲み物しかないが、この店の名物「香䡨碎牛炒蛋厚多士」(ネギ入り牛ミンチ炒り卵トースト)を食べながら䑊茶(ミルクティー)をすすれば、店の目の前の岸壁にぶつかる波の音が、往時そのままに聞こえて来そうな気がする。

海安咖啡室(Hoi On Cafe)
住所:17 Connaught Rd. West,Sheung Wan
電話:(852)2540-6340
時間:月~木、土 7:30~16:30
金 7:30~15:00 日祝定休

シンプルメニューに大行列のできる店
香港 澳洲牛奶公司 Australia Dairy Company
創業当時の勢いを失うことなく、その味を香港人に提供し続けている同店は、香港人の間でもあまりにも有名で、週末などはいつも大行列ができる。メニューはマカロニスープ、サンドイッチ、牛乳プリンなど、いたってシンプル。どの時間帯でも朝食メニューのような品揃えだ。しかし、こちらのサンドイッチは、ただのサンドイッチではない。中の卵のボリュームや、パンの厚さ、そしてそのおいしさにびっくりする。並ぶ時間がないなら、テイクアウトもオススメだ。さらにもうひとつのオススメが、冷たいものか温かいものかが選べるミルクプリン。ミルクのやさしい味わいに、ホッとするおいしさだ。
サンドイッチやミルクプリンを求め、きょうも店先に行列が出来ている。
澳洲牛奶公司 外観 澳洲牛奶公司 店内
澳洲牛奶公司(Australia Dairy Company)
住所:47 Parkes St.,Jordan
電話:(852) 2730-1356
時間:7:30~23:00

閉店を惜しむ声で復活した老舗冰室 香港 金記冰室 Kam Kee Cafe
元々は筲箕湾(シャウケイワン)で1967年創業の同店。家賃高騰やオーナーが高齢だった為、2012年に廃業、閉店するつもりだったが、権利を引き継ぐという人が現れ、2013年に現在の西營盤(サイインプン)で営業を再開した。連日大盛況のため、今年8月には隣の店舗まで拡大された。
金記冰室 外観 菠蘿包(パイナップルパン)とミルクティー
こちらのトレードマークは、何と言っても観音開きのガラス扉。老舗冰室の風格を再現している。店内のコンパクトな円テーブルと椅子、壁や柱、床のタイルなど色のトーンを押さえた内装などに老舗店のプライドが感じられる。ぜひこちらで試してみたいのが「菠蘿包(パイナップルパン)」と「ミルクティー」だ。香港市民もこちらを求めて来店するほど、他店とはひと味違うおいしさだ。人気店とあって、湾仔(ワンチャイ)にも分店をオープンしている。

金記冰室(Kam Kee Cafe)
住所:G/F.,213 Des Voeux Rd. West,
Sai Ying Pun
電話:(852)2254-2010
時間:7:00~21:30

冰室と茶餐廳の「定番」といえば…

香港の喫茶店の定番な食べ物といえば、もちろん菠蘿包(香港式パイナップルパン)と言うべきだろう。パン生地の上にクッキー生地を被せて焼くとこのサクサクの食感は日本のメロンパンと良く似ているが、菠蘿包のクッキー生地の方が柔らかい、そしてバリエーションも多い、たとえばチャーシュー餡詰めたの伹燒菠蘿包とバターを挟んだの菠蘿油など、甘さとサクサク感だけではなく、いろんな味を同時に楽しめる。
紅豆冰 菠蘿包
デザートとドリンクを混ぜた飲み物-紅豆冰は香港のレストランと喫茶店でよく見る飲み物だ。アズキ、砂糖と水を一緒に煮て、冷却のあと無糖練乳を入れて、最後にかち割り氷を載せる。これは食べられる甘い冷たい特製飲料、香港の定番飲み物だ。

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