ラーメン特集5・香港ローカルの麵

2015/05/18

ちょっと番外編①
香港・ローカルの「麵」をたずねて…

伝統的なものからオリジナル製品まで50年以上の歴史を持つ老舗乾麺店「張栄記」

ホンハム(紅磡)に「張栄記」という乾麺製造工場兼ショップがあるのをご存知だろうか?1957年に創業し、以後50年以上に亘って香港の食卓に乾麺を送り届け続けてきた。その歴史の変遷は実に興味深く、米と並んで麺が中華のメイン料理として遇される「中華麺の黄金期」に創業、徐々に手作業から工場生産に世の流れが移り始めた生産業の激動期を経て、現在の老舗乾麺店としてのステージまで上り詰めた。製造段階における1つ1つのクオリティを大切に維持し続けながらも、革新的なメニュー展開に挑むなど常に変化と戦ってきた同店。そんな張栄記が多くの人にこれほど長く愛される理由はどこにあるのだろうか?ブランド名を維持し続けた同店の歴史とこだわりの製造方法をご紹介しよう。
約20年前、日本のラーメン店「噹噹(ドンドン)」が同店に特注乾麺のオーダーを行った。なめらかな口当たりでかつ歯ごたえもある乾麺というのが彼らの要望であったが、張栄記にとって特注乾麺の製造は初めての試みであった。しかし持ち前のチャレンジ精神を糧に作り上げた乾麺は好評を博す結果となり、それ以来特注乾麺の依頼がレストランやホテルからひっきりなしに舞い込むこととなった。現在に至るまで、有名日本食レストラン「加太賀(Katiga)」を含む総勢約300社ものオーダーに応え続けて来た張栄記は、老舗乾麺店としての看板を名実とともに築き上げ、確固たる地位を確立したのだ。
張栄記の作業工程乾麺自体の作り方はそれほど難しいものではなく、むしろ差が出る一番の違いは材料にある。張栄記の一番の売れ筋は「デラックス
海老卵麺(Deluxe Shrimp Egg Noodles)」だが、他店との一番の違いは麺を茹で上げた後の洗い流しが不要な点にある。また、通常は水を使用して麺を作り上げるところ、同店ではカレイの干物や、広東省順徳や黒竜江省産の蝦子を使用した煮出し汁を使用している。小麦粉はカナダ、アメリカ産のものを使用し、卵はタイから仕入れている。煮出し汁から染み出したコクがスープのベースとなる旨味を形成し、小麦粉、卵が歯ごたえと麺自体の味の深みを支えているのだ。
技術が発達し、工場機械もより繊細な動きが可能となったものの、張栄記ではクオリティ維持のため、重要な製造ポイントでは引き続き手で作業を行っている。たとえば材料の計量や混ぜ合わせは熟練技工の経験が必要不可欠。季節によって卵や蝦子などの生の食材は仕入先を変えているため、混ぜ合わせの段階での微妙な差分を見分ける必要があるためである。さらには、最終工程である麺の形、クオリティ、分量のチェックは、必ず麺を手に取り内容に問題がないかを確認する。
ビジネスの拡大により、近年では中国本土に工場を移設する企業が多くある中、張栄記は香港での製造にこだわり続けている。「私たちは工場もスタッフも香港内に置くことを大切にしています。それによって商品のクオリティが保たれると信じているからです」とディレクターであり創業者Hui Yee Leung氏の長女であるYvonne Hui氏は語る。「他のどのようなスーパーや小売店でも我々のような商品を見つけることはできないでしょう」との言葉通り、材料費や労働費がかさんでもクオリティを優先する姿勢こそが張栄記をオンリーワンたらしめている一番の理由であり、長年支持される所以だろう。
張栄記は常に新しいメニューに挑み続けている。マツタケ麺、フラックスシード麺、ポルチーニ麺、トマト麺など革新的なアイディアから生まれた商品は数知れない。将来に亘り、さらに多くのメニューが店頭に並ぶことが楽しみでならない。移り変わりが激しい香港で人気を保ち続けている張栄記、ぜひその味を堪能してみてはいかがだろうか。


張栄記張栄記
Cheung Wing Kee Noodles Factory Co. Ltd.
場所:70-74 Wuhu St.,Shop C,Hung Hom
工場:1207,Guardforce Ctr.,
3 Hok Yuen St. East,Hung Hom
ウェブ:
http://www.cwkee.com

 

ちょっと番外編2
香港に根付く日本のインスタント麺!
日清・出前一丁
日本では見たことがない種類がいっぱい!

1958年に世界初の即席麺となる「チキンラーメン」を発売して以来、今や世界で知らな
い人はいないと言っても過言ではない日清食品。1968年におなじみの「出前一丁」が誕生し大ヒットした後は、アメリカ、ブラジルと世界に進出し、ここ香港・タイポー(大埔)に5番目の海外工場がオープンしたのは1985年12月のこと。工場は2階建てで1つのフロアが100,000スクエアフィートを超える広さを誇り、同社は製品の質に対し高い要求を持ち、麺や具材には最高の材料を選び且つ早いスピードで生産。香港でも瞬く間に人気が沸騰し、家庭のみならずレストランでも出前一丁は人気メニューの1つとなった。
出前一丁の種類は大変多く、個包装になったものは、麻油味、海鮮味などのオリジナルのものが6種類、豚骨系が4種類、XO醤やカレー味など辛さを効かせた辛味系が5種類ある。その他、マカロニや米粉など、香港の食文化に合わせたラインナップが揃っていて興味深い。

袋麺だけで15種類!
●人気シリーズ
麻油味
雞蓉味
海鮮味
五香牛肉味
沙嗲味
紅燒牛肉味
●豚骨シリーズ
東京醬油豬骨湯味
北海道味噌豬骨湯味
黑蒜油豬骨湯味
九州濃湯豬骨湯味
●辛味シリーズ
微辛咖喱味
香辣麻油味
辛辣XO醬海鮮味
火辣海鮮味
極辛豬骨濃湯味

公仔麵
香港・即席麺の代名詞!根強い人気の「公仔麵」
公仔麵1960年代後半に、「3分煮れば食べられる」をキャッチフレーズに発売された公仔麺は、瞬く間に香港市民に普及し、香港では即席麺の代名詞となり知らない人はいない。日本で即席麺が発明されたあと、香港に導入したといわれるが、製品名は「公仔」(西洋人形=ドール)に由来して、「公仔麺」と命名。製品は大ヒットし、それ以後にいくつかの即席麺ブランドが発売されたが、香港市民は今も全ての即席麺を総称して「公仔麺」と呼んでいる。
「ドール」ブランドのもとに、即席麺、点心・スパゲッティなどの冷凍食品、ミートボールなどの冷蔵食品を開発し成功を収めてきた同社は、多数の即席麺ブランドがある中、中高級路線に位置付けられている。ライバルとして日本の日清食品が販売した「出前一丁」があげられるが、どちらも香港市民に根強い人気がある。

ウェブ:http://www.doll.com.hk/

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