ライトレール(軽鉄)特集1・ライトレールとは

2014/11/24

ガイドブックより でぃ~ぷ”に行ってみよう!

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香港のベストシーズン到来。少し身体を動かして遠足してみては?テュンムン(屯門)、ティンスイワイ(天水囲)とユンロン(元朗)などの住宅地が集中している新界西。名物「軽鉄(ライトレール)」に乗り、意外と行く価値ありのスポットを歩き回ろう!

新界西部を結ぶ都会的な路面電車
軽鉄(ライトレール)とは?

Light Rail

 

Light Rail2

 

新界西部のテュンムン(屯門)、ユンロン(元朗)と天水囲(ティンソイワイ)を結ぶ路面電車は「ライトレール(軽鉄)」と呼ばれている。シルバーメタリックボディの軽鉄は都会的なイメージで、同じ路面電車でも香港島を走るクラッシックなトラムとは雰囲気が全然違う。

軽鉄の初路線が開通したのは1988年9月18日。当時は2ルートだけだったが、現在は11路線が設けられている。1両または2両編成で運行され、1両の定員は120名。最高速度は70km/hで「高速路面電車」との異名も持つ。各ルートの終点などではループ線を使用して方向転換する姿が見られる。

香港政府は、1970年代にテュンムン地区の宅地開発に合わせて、軽鉄を開通させる空間を確保。政府は最初、トラムを運行する会社を保有する九龍倉グループに、鉄道建設と運営を依頼した。同グループでは、2階建てトラムの運行を計画したこともあったが、事業を断念。結局、九広鉄路が軽鉄の建設・運営を担った。現在、軽鉄はMTR(港鉄)によって運行されている。

政府の政策により、バス路線は、軽鉄路線と競合しない形で設けられているため、軽鉄は新界西部を結ぶ貴重な交通網となっている。乗車料金は、券売機でチケットを購入するか、停留所などにあるリーダーにオクトパスカードをタッチして支払うことになっているが、軽鉄内ではそれを確認することはしない。但し、時折、無賃乗車のチェックも行われるという。もちろんそれに関係なく、料金はちゃんと支払って乗車しよう。

QRcode

www.youtube.com/watch?v=hT05iaZxRfs

香港よりも早く歴史の舞台に登場
屯門

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西鉄線路図のいちばん左に書かれるテュンムン(屯門)。新石器時代にも人間が住んでいた証があり、唐代には広州が南海貿易の交易港として繁栄したため、ランタオ島から対岸の東莞を含む地域が「屯門」と呼ばれて文献にしばしば登場するようになった。

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そもそも屯門の意味を説明しよう。「屯」は多くの人が群がり集まることを意味するが、古代に兵士がたむろするという意味で使うことが多かった。南方からやってくる敵の攻撃から守るため、唐代からこの一帯に軍政区を設けていたということだ。さて、歴史の授業は一旦終わらせて…。現在のテュンムンは3大新界ニュータウンの1つとして60年代から開発が始まり、現在は40万人以上が暮らしている。さらに、2000年に世界保健機関(WHO)から、安心・安全な街を実現しているとして「セーフコミュニティ」に認証されている。

海景を楽しみたい時はここへ
屯門碼頭

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20年代から埠頭として使われてきた「テュンムン埠頭(屯門碼頭)」だが、80年代テュンムンニュータウンが開発してから、人口が急速に増えたことによって交通に大きな支障が出た。そこで海面交通を狙うフェリー会社が1986年からテュンムンの蝴蝶湾からセントラル(中環)まで渡る路線をスタートした。わずか40分間でセントラルに到着できるので、当時は地元住民に愛用されていたが、90年代末からセントラルまで直行のバスがスタートした事で利用者が激減。2000年、ついにその役割を終えることとなった。ほかに大澳行きとマカオ行きのフェリーサービスも提供していたが、現在も大澳までのフェリーだけまだ運行している。

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現在埠頭のすぐ隣には海浜公園ができ、近くに住んでいる人々に散歩や朝の体操の場所として使われている。特に朝と夕暮れの時間帯で海の景色を楽しみながら身体を動かす人たちの姿があちこちに見られる。

アクセス:610、614、615、507番軽鉄で屯門碼頭駅に降りるとすぐ。

今も残る革命運動の跡
紅樓

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テュンムンの中山公園内にある紅樓(ホンロウ)。壁全面が赤色に塗られたこの2階建ての住宅は、革命家・孫文がかつて活動拠点、あるいは隠れ家としていた場所だ。うっかり通り過ぎてしまいそうなほど、ひっそりと佇むこの建物。傷みは激しく壁の色もピンクに褪せてしまっているが、外壁には「天下為公」「博愛」などの文字が今でもはっきり確認できる。

アクセス:蝴蝶駅下車後、徒歩約5分

香港随一の海鮮レストラン村
三聖

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海鮮料理といえば、まず西貢が思い浮かぶ人が多いだろう。実は、三方面が海に囲まれている香港には、海鮮村が至るところに点在している。三聖も海鮮料理で有名な場所の1つだ。テュンムンの三聖邨は1980年に建てられ、それまあの一体は青山湾と呼ばれていた。現在この周辺の公衆団地は、漁業関係の施設になっているところも多く、縁起の良い名前を建物につけたりしている。ここで売られている海鮮は、獲れたあとすぐにレストランに運ばれてきたもので、鮮度抜群だ!食べたい海鮮を自分で選ぶこともできるが、ちょっと面倒だという人は、レストランのスタッフに選んでもらおう。選んだら、あとは料理が出来上がってくるのを待つだけ。三聖の海鮮目当てに訪れる人が沢山いるので、事前予約がオススメ。

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アクセス:505番軽鉄で終点三聖駅に降り、三聖熟食中心を抜けるとすぐ魚の看板が見つかる

番外編
休日は喧騒を忘れてリフレッシュ
ゴールドコースト

2014-07-13 14.10.00

香港の美しい海岸と言ったら、何処を思い浮かべるだろうか?日本人の間でもひそかにファンの多いスポットがテュンムンの西側にも存在する。美しい海岸線が見る者を魅了するゴールドコースト(黄金海岸)だ。快晴時には海を挟んで対岸にランタオ島(大嶼山)が見え、香港国際空港から往来する飛行機もちらほら。夕暮れと日の出の景色も有名で、わざわざ見に訪れる人もいるようだ。週末になると、ビーチバレーやダイビング、ウエディング撮影等をする香港人や、昼間から陽気な西洋人がビールを片手に休日気分を満喫している。MTR等の主要な交通機関は皆無に等しいが、バスやミニバスを活用すれば都心部まで1時間圏内と通勤できないこともない。

アクセス:Tuen Mun Town PlazaのバスターミナルにバスK51番に乗り、香港黄金海岸駅に降りる。

 

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