香港仔(アバディーン)特集6・広東の漁港・漁村スポット

2014/10/27

アバディーンまで行かなくても大丈夫!

広東の漁港・漁村スポット

広州・深センにも、海鮮市場や漁港はある!ほんの十数年前まで、深センはのどかな漁村だった!?広州の「南極」ってどんなところだ?そんな疑問を追いかけていくと、新しい発見がある!地元海産物であふれる広州の海鮮市場の楽しみ方から、深センの海鮮レストラン街、さらには海辺の観光スポットまで、広東の最新「海」事情を知っておこう!

広州の海鮮市場―食材選びから調理法まで自由自在!

【黄沙水産交易市場】

広州の海鮮市場  黄沙水産交易市場

おいしい海鮮との出会いは、宝探しのようでおもしろい。高級レストランなら値段相当の新鮮で完成された海鮮料理を期待できるが、雰囲気が少々堅苦しかったり、宝探しのようなワクワク気分を感じるのは難しい。海を感じられる雰囲気で新鮮な海鮮をリーズナブルに、となれば市場に直接出向くのがベスト!広州にもそんな海鮮市場がある。地下鉄1号線と6号線が交わる黄沙駅のすぐ近く、「黄沙水産交易市場」だ。

海鮮関係の店が立ち並ぶこのエリア、魚屋さんやレストランが所狭しと軒を連ねる。市場での海鮮の楽しみ方は、食材を自分で選び、購入し、レストランに持ち込んで調理してもらい、食す、というもの。この界隈のレストランも、持ち込みの食材の調理に対応しており、隣の魚屋さんで手に入れたばかりの新鮮食材をすぐに調理してくれる・・・これこそ最高に贅沢な海鮮料理だ!ここに来たらぜひこの方法を試していただきたい。

その場で調理してくれる贅沢な海鮮料理  魚屋さんやレストランが所狭しと軒を連ねる

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レストランはローカルな雰囲気のものも多いが、衛生面が気になるなら、金沙港海鮮酒楼や盛港湾海鮮食府などのきれいなレストランもある。さて、注文方法は、メニューを見ながら注文する街中のレストランとは少々異なる。食材の持ち込みではない場合、まず店内の生簀の前で食材を選ぶ。食材は量り売りで、魚の値段+調理費で計算される。持ち込み食材の場合は調理費だけということになる。魚を選び、お値段が決まれば、あとは調理法を伝える。白身魚の場合、最もポピュラーなのは、「清蒸」という調理法だ。新鮮な魚のうまみを味わい尽くせる、シンプルで贅沢な広東を代表する調理法。ほかにも、食材によってピッタリの調理法があるので、よくわからない場合には、店員さんにおすすめを聞いてみよう。味の好みに合わせて最も適した調理法を選んでくれるはずだ。

黄沙水産交易市場では、日本ではなかなか味わえない魚にもお目にかかれる。例えば、ガルーパ(中国語:石斑。ハタの一種)は、地元を代表する魚。清蒸石斑は広東料理の中でも高級料理として知られている。これを目当てに訪れる人も少なくない。広東の海鮮市場で海鮮の宝探しをしてみよう!

〈アクセス〉地下鉄1号線6号線「黄沙」駅

深センの安くておいしい、海鮮ストリート

【深セン楽園路】

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深センの羅湖付近でおいしい海鮮料理といえば「楽園路」。深センの地元市民でにぎわう海鮮ストリートだ。新鮮さとリーズナブルな価格を求めるならぜひここを訪れてほしい。500メートルほどの道の両脇に海鮮料理店が集まる海鮮天国で、どの店の前にもイキのよい豊富な海鮮食材がならぶ。

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楽園路を訪れたら、まずは店選びからはじめよう。たくさんある海鮮レストランだが、店によって扱っている魚介の種類が若干違っていたりする。店頭にならべられた水槽の中身をよくチェックし、お気に入りの魚介類を扱う店を見つけたら中にはいって注文だ!こちらも広州の黄沙水産市場のレストラン同様、自分で食材を選び、調理してもらうスタイル。店員さんのお薦めなどを聞きながら旬の食材を選ぼう。見たことのないような魚介類も多いので、挑戦してみるのもおもしろい。魚やカニ・エビのほか、アワビ(鮑魚)、ホタテ(元貝・扇貝)、カキ(生蠔)やサルボウ(血蛤)などの貝類も豊富。貝類の調理法は潮汕料理が有名で、アワビやホタテはニンニク蒸し(蒜蓉粉絲蒸~)、カキはニンニクBBQ(蒜蓉烤生蠔)、サルボウはニンニク醤油漬け(生腌血蛤)などが人気メニューだ。

この界隈の一番人気レストランは「華城漁港」。楽園路の真ん中あたりに位置するこのレストランは、週末なら夜中でも大勢の人でにぎわっている。値段がリーズナブル、そして回転が速く鮮度がよいのが人気の秘密だ。店内は、個室や中庭オープンテラスなどもあるので、案外たくさんの人が利用できるようになっている。深センで海鮮が食べたくなったら海鮮ストリート「楽園路」をお忘れなく!

〈アクセス〉最寄り駅は地下鉄2号線「湖貝」駅

広州最南端にある漁師町

【南沙十九涌漁人碼頭】

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「南沙十九涌漁人碼頭」は広州の最南端に位置しているため、「広州の南極」と呼ばれているとか!?2009年、南沙区人民政府は、この地域に南沙の観光スポットを作ろうと大幅な整備を実施。岭南水郷と亜熱帯風情独特の特色を取り込んだ「南沙十九涌漁人碼頭」が登場した。

到着すると、「南沙十九涌漁人碼頭」と書かれた大門が出迎えてくれる。門をくぐるとたくさんの観光客で賑わっており、特に週末は大勢の人々が訪れている。この辺りの海岸は干潟も多く、よく見るとムツゴロウやオコゼらしき魚たちも発見できる。また、たくさんの漁船が停泊していたり、海上を行き来していたりと、海辺の風景をのんびり眺めるのもよい。

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海辺の風景に加えて、海の幸を味わうことも楽しみの1つ。漁師町の海鮮レストランなので、使用する魚は地元の漁師が獲ってきたものがほとんど。市場でも、カニや魚、貝類、エビなどが売られており、多くは地元の漁師の直売。獲れたてホヤホヤの新鮮魚介や魚の干物など、漁師町ならではの食品が手に入る。レジャーシートを敷いてお弁当を食べている家族連れもいたりする。ピクニックもよし、海鮮目当てもよし、広州の漁師町では思い思いの過ごし方ができるぞ!

〈アクセス〉地下鉄4号線「蕉門」駅A出口方面へ、
バス南23路「節假日旅游快線」で「十九涌」下車(土日9時~18時限定運行*)

消えた漁村を求めて

【漁村 壩光村】

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小さな漁村でしかなかった場所がまばゆいばかりの発展を遂げた。中国大陸の都市の中でも類例のない変化を遂げたのが「深セン」だ。たった十数年前まで、蛇口湾に面する海辺には、屋台がならび、新鮮な海の幸が振る舞われていた。心地よい潮の匂いを感じられるのどかな風景の中、屋台ではサンダルに肌着姿の人々が溢れいてた。コンクリートで覆われた今の深センには消えてしまった光景だ。

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漁村だった頃の深センには、主に客家人と広府人が暮らしていた。客家人は勤勉で真面目、商人気質の潮汕人とは異なり、勉学と官職が好きだった。しかし、今では、その頃を知る客家人は多くない。また、当時の資料もあまり残されていない。その頃の深センに思いを馳せるためには、郊外まで足を伸ばさなければならない。例えば、深センの東部に位置する「大鵬所城」。明の時代に倭寇の防御のために「大鵬守御千戸所城」が建てられ、「大鵬所城」と呼ばれた。城壁の高さは6メートル、長さ1.2キロに及んだ。「壩光村」は龍崗区葵涌鎮東部に位置する。まだ開発の手が及んでいないので、昔から変わらない環境が残されている。18ほどの集落が16キロに及ぶ海岸線に真珠を連ねたようにならんでいる。時の流れの中で、海と樹木が作り上げた村が残る。特に、「壩光坳仔碼頭」は典型的な漁村の風景を今に伝える。水揚げされたばかりの新鮮な海鮮が、今でも変わらず振る舞われている。

〈アクセス〉車:深セン市内から約60キロ(塩田̶葵涌̶金業路̶葵壩路̶壩光)、片道約2時間。
バス:987路で「壩光村」下車

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