中秋節特集3・燈籠(ダンロン)

2014/08/17

名月の夜を彩るダンロン燈籠大図鑑

中秋には欠かせないアイテムの1つ、燈籠(ダンロン)。
中華の伝統行事には必ず使われるが、特に中秋の日はおもちゃとして持ち歩く子供の姿を多く見かける。
中秋が訪れる前に、中国燈籠の徹底検査を行った!

巧の指先から作り出される燈籠と伝統へのこだわり

燈籠達人――欧陽秉志さんにインタビュー

燈籠

一般的には、旧暦7月15日以降、街市の紙製祭祀用品店や文房具店で売られている。今回の取材先、下町の深水埗へ巡った際、子供と一緒に燈籠を見ながらワクワクしている親が少なくない。だが、現在は電池式のものが大半で、伝統的な技術を受継ぎ、紙と竹を使った手作りの燈籠を提供する店が少ないのが残念だ。
燈籠が売られている店が軒連ねる福栄街で編集部は悩んでいた。電池式の燈籠もかわいいがなにか物足りない。しかし、伝統的技術を使い、燈篭や紙製祭祀用品を手作りしている店が一軒があるらしいという情報をつかんだ。活気溢れる深水埗中心部を離れ、プリンスエドワード方面へ足を伸ばすと、多くの回収屋の間にひっそりと店を構える「宝華紮作」を見つけた。

オーナーの欧陽夫婦、2代目の秉志さん(欧陽秉志)と看板娘の飼い猫が私たちを迎えてくれた。秉志さんは大学を卒業後、父親の事業を引き継ぎ、10年以上燈籠と祭祀用品を造り続けてきた。初めて作った燈籠は、スターフルーツだったそう。見た目は簡単だけど、1つ作るのに数時間かかるらしい。コストを抑えるため、店に置かれている商品は大陸からの物がほとんどだが、オーダーメイドの商品は店で手作りする。人気キャラクターを題材に、または秉志さん自らデザインするものもある。店の中にも竹の骨組みが置いてあり、制作途中の品を見ることができる。「オーダーしてくれるのは基本的に常連客しかいないね」と淡々と話す秉志さんを見ていると、この伝統工芸が失われてる理由が、なんとなく分る気がする。だが、この伝統工芸を守りたい彼は、一般の人々にワークショップを開催したり、より新しいデザインを試したりするなど、さらに多くの人にこの伝統が広がっていくように力を注いでいる。

色々な種類の燈籠

時代の流れを反映して
進化し続ける燈籠

時代と共に変わる燈籠

時期は限られるが、大量消費品と見られる燈籠は世の中の流れに影響を受けるのは当たり前だ。エンターテインメントが少なかった昔は、燈籠の造形は伝統的な蛇腹燈籠や、スターフルーツ燈籠がほとんどだったが、現在は流行りのアニメキャラクターなどが人気のようだ。安全面からの考慮により、動力源は蝋燭から電池に進化し、素材のほうは燃えやすい紙に替わり、より安全性の高いプラスチックが採用されている。最近の燈籠はピカピカと発光する機能と、ピーピーと鳴る発声機能が付いたものが増えてきており、中秋節ならではの騒音、環境問題ともなっているようだ。

月餅についての豆知識

一口に月餅と言っても味は様々。伝統的なもので言うと、こしあんや、ハスの実の餡に茹でた鹹蛋(シエンタン:塩漬け卵)の黄身を入れたもの、杏仁、胡桃、ピーナッツ、ゴマ、ヒマワリの実の5つの餡の「五仁月餅」などがある。五仁は、儒教の道徳基準である「仁、儀、礼、志、信」とそれぞれ発音が近いところからこの具材になったと言われている。また地域によっても違う。月餅界のリーダーである「広式月餅」は、広州が起源で、特徴は皮が薄く、餡が多いこと。広東地方だけでなく、上海などでも生産されている。「京式月餅」は、北京や天津など、主に北部で作られており、餡に特別な風味がある。蘇州一帯から起こった「蘇式月餅」の特徴は、皮がサクサクして柔らかいこと。上記の五仁餡も蘇式だ。「徽式月餅」は、野菜の餡があるのが特徴で、主なものは梅干し餡。
最近では洋風にアレンジした新しい月餅も人気が高い。ザ・ペニンシュラ香港の嘉麟楼で売られているカスタード月餅は特に有名で、毎年、行列ができる。去年は1人の中国人が2000箱以上を買い占めたという噂も。ちなみに今年は早くも売り切れ。

作ってみよう! おうちで冰皮月餅

中秋節に欠かせない月餅。数年前には冷やして食べる大福のような氷皮月餅が登場しブームに。その作り方は実に簡単なので、自分で作って友達に贈ったり一緒に楽しんだりする人は少なくない。そんな氷皮月餅のレシピを紹介しよう。
<材料>冰皮月餅
氷皮粉 80g
冷たい水 70g
マーガリン 10g
ショートニング、片栗粉 適宜
餡料(緑豆・コーヒー・小豆) 30g/1個
<作り方>
(1)大きめのボールに氷皮粉を入れ、冷水を少しずつ足しながら、全体的に光沢と弾力が出るまで良く練る。
(2)(1)にマーガリン、ショートニングを3回に分けて入れる。入れたあとに練り、耳たぶほどの硬さになればOK。
(3)(2)の生地を棒状にのばし10gずつに分ける。餡料も30gずつに分ける。
(4)手に少量の片栗粉をつけながら分割した生地を丸く広げ餡を包む。
(5)(4)を金型に入れて月餅の型を作る。後は冷やして出来上がり。

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