香港・広東おいしいパン大集合!ベーカリー特集

2022/05/05

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パン好きファンから根強い人気
bakehouse

2018年のオープンからランチ時は行列ができるほど大人気のベーカリー。香港のパン好きなら誰もが知るショップともいえる。湾仔ではベーカリー&カフェ、尖沙咀とSOHOではテイクアウトのみの3ヶ所展開をしている。人気の秘密は5つ星ホテル出身のぺストリーシェフがこだわり抜いて選ぶ厳選食材と、自然発酵の酵母で作ったふっくらカリカリのパンたち。なかでも人気なのがエッグタルト、サワードウのパンやクロワッサンなどだ。特にこのエッグタルトは甘じょっぱいカスタードと外側のサクサクしたタルトの相性バツグン!オープン当初はこのエッグタルト目当てにファンがおしよせ、販売数が間に合わず、数量限定で生産していたエピソードもあるほど。ここのエッグタルトを食べたら他店のものは目に入らないという定評もある。テイクアウトでお気に入りパンを購入してもいいし、焼きたてパンの香りを楽しみながら、カフェでランチも堪能できる。まだ食べたことがない方は今すぐ足を運んでみて。

湾仔店(ベーカリー&カフェ)
14 Tai Wong St. East, Wan Chai
ほか全3店舗
www.bakehouse.hk

一番人気のエッグタルト。クリーミーなカスタードと香ばしく焼けたタルト生地の食感はたくさんのファンの心をつかんでいる

一番人気のエッグタルト。クリーミーなカスタードと香ばしく焼けたタルト生地の食感はたくさんのファンの心をつかんでいる

くるみといちじくのサワードウ。外はカリカリ、中はフワフワ、小麦のふくよかな自然な甘みを堪能できる

くるみといちじくのサワードウ。外はカリカリ、中はフワフワ、小麦のふくよかな自然な甘みを堪能できる

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世界に240店を展開するベルギーのベーカリー
Le Pain Quotidien

カフェ好きの憩いの場でもある同店はいつも満員で、特にテラス席は欧米人が犬を連れてカフェをしたり、ニュースペーパーを広げて優雅なブランチを楽しんでいる。フランス語で「日々の糧」を意味する店名は、食べ物だけの意味ではなく、豊かな生活という意味合いも込められているそう。創業者アランが幼い頃、ある冬の寒い日に、おばあちゃんが入れてくれたホットチョコレートのマグを両手で包むようにして飲んだ記憶から、同カフェで使われるマグにも持ち手がない。そのあたたかなやさしい気持ちをお客さんに味わってほしいという思いからなんだとか。ここの特徴はなんといっても、色鮮やかで豊富なカフェメニュー。シンプルなひとつのパンが、生ハムやアボカド、トマト、フルーツ類、いろいろなペーストのディップとともにアレンジされ、まるで絵画作品を眺めるような美しさ。テイクアウトならリッチな食感のブリオッシュが人気。卵と牛乳をふんだんに使ったふんわり生地は朝食はもちろん、おやつとしてもはまりそう。

TST Center店
Shop G38, G/F., TST Center, 66 Mody Rd., TST
ほか全3店舗
www.lepainquotidien.com

5月の新メニューはスコーン。素朴な甘さとサクサクの食感が楽しい一品

5月の新メニューはスコーン。素朴な甘さとサクサクの食感が楽しい一品

手にとるだけでバターの芳醇な香りを感じる バターブリオッシュ。 シンプルなのに飽きがこないのも不思議

手にとるだけでバターの芳醇な香りを感じる
バターブリオッシュ。
シンプルなのに飽きがこないのも不思議

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熟練の技が光る実力派パン工房
Proof

Happy Valleyに住んでいる人はもちろん、同店のパンを求めて遠路はるばるやってくるファンが多い実力派ベーカリー。使用する素材は、オーガニックなものへこだわり、添加物は一切使わない真摯な姿勢が、商品にそのまま表れている。パンが好きでたまらないという舌の肥えた客は、当店のハード系パンを選ぶ人が多いとか。
同店の「全粒粉サワードウ」を食べてもらえばその違いがわかる。水と粉だけのシンプルな作りだけれど、その分発酵に時間がかかる工程だ。けれど丹念に時間をかけ自然発酵することで、粉本来の味が楽しめ、香ばしさと生地の素朴な酸味を味わえる。またプレッツエルやクッキーなど軽食も人気。メインのパンのほかに、ついついおやつを買いすぎてしまう声も続出している。季節やイベントごとに細かく変わるメニューもファンの心を離さないありがたいサービスだ。オンラインショップも盛況で香港島ならHKD150以上、九龍ならHKD200以上のオーダーでデリバリー(別途HKD40の送料あり)してくれる。

14 Tsun Yuen St., Happy Valley
www.proofhk.com

パリパリの食感がたまらないクロワッサン。 何層にも重なる繊細な生地には、バターの旨味がぎっしりつまっている

パリパリの食感がたまらないクロワッサン。
何層にも重なる繊細な生地には、バターの旨味がぎっしりつまっている

全粒粉サワードウ。指でさわるとコツンコツンと 音がしそうにハードな外側。カットするとふわっといい香りがする

全粒粉サワードウ。指でさわるとコツンコツンと
音がしそうにハードな外側。カットするとふわっといい香りがする

 


図6

 

スクリーンショット (1067)レーズンと胡桃入りライ麦パン  裸麥提子合桃包(A-1 Bakery)

A-1と言ったらこのパン。早めに行かないと、売れ切れてしまう人気メニューだ。レーズンのほんのりとした甘さと胡桃の歯ごたえ、ライ麦の香ばしさが絶妙にマッチしている。翌日に食べても柔らかくておいしいのはこのふんわりとした生地がポイント。

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ツナ&ポテトブレッド    薯蓉吞拿魚包(Yamazaki)

甘~い菓子パンが苦手な人はこれを食べてみて。ホクホクのポテトとチーズのボリューム、ふわふわパンがしっかりとお腹を満たしてくれる。朝、時間がなくて朝食をスキップしがちな人の定番朝ごはんにもぜひどうぞ!

図9カレーパン  吉列咖喱包(A-1 Bakery)

これぞ日本のパンを代表するパン オブ ザ パン。パン粉のついたサクサク、カリカリの外側がまずジューシー!餡のカレーはお肉や野菜の旨味を感じられる深い味わい。一口食べるとジューシー感とカレーの深さが同時に口に広がって幸せな気分に。

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コーンハムブレッド   粟米火腿包(Yamazaki)

忙しい朝に持ってこいの調理パン。もちろんランチやおやつとしても大活躍!ふわふわ生地とクリーミーなマヨネーズ、プチプチ食感のコーンのアンサンブルを楽しんで。冷めててももちろんおいしいけれど、食べる前にレンジで10秒、トースター1分でおいしさ倍増!

スクリーンショット (1073)チョコドーナツ  朱古力冬甩(Yamazaki)

子どもたちに人気のおやつはこれ。パリッとしたミルクチョコレートとジューシーに揚げられたドーナツの定番菓子パンだ。ドーナツ生地は甘すぎず、ふわふわで飽きのこない素朴な味わい。ママが機嫌のいい時はお子さんに買って帰ろう!


図8

デニッシュ食パン    丹麥酥麵包(A-1 Bakery)

何もつけなくても何枚でも食べられそうなデニッシュ食パン。バターと牛乳の甘い香り、食感、歯ざわりが後をひく実力派商品だ。繊細に重なり合う生地感がなんともリッチな気分にしてくれる。ハムやアボカド、チーズやレタスをはさんで贅沢なサンドウィッチにしても○

図7カスタードクリームパン  吉士忌兼包(A-1 Bakery)

カスタードクリームと生クリームが入った贅沢なパン。クリーミーなクリームとしっとりとしたパン生地の食感はまるでデザートを食べているような感覚に。トッピングされたアーモンドの風味もアクセントになっていてやみつきになりそう!

 


 

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パイナップルパン   菠蘿包(ボーローバウ)

香港のパンといったらこれを浮かべる方が多いだろう。どの茶餐廳にもある定番。パン生地の上にクッキー生地をのせ焼き上げるのが特徴だ。見た目がパイナップルに似ていることから、この名前がつけられた。写真は菠蘿油(ボーローヤウ)。あったかいパンに、冷たいバター(すごく分厚い!)をサンドして食べる香港式食べ方。

図5ココナッツフィリングパン  鶏尾包(ガイメイバウ)

鶏の尻尾? いえいえ、これは英語の「cocktai(l 鶏尾酒)」の訳語。なんでも戦後の香港ではパン文化がまだ浸透しておらず、売れなかったパンの廃棄が問題だった。ある店主が廃棄されるパンを粉々に砕き、色々な味のパンに砂糖や粉を混ぜ合わせて作ったことから、ミックスして作るカクテルと同じという名前の由来がある。


図4

ピギーパン  猪仔包(ジュージャイバウ)

「猪=豚」の文字が入ったネーミングだが、豚肉は入っていない。パンの形が丸いものや楕円形のものなどいろいろで、その丸々としたかわいらしいフォルムが豚さんのようなので、この名前がつけられたと言われる。お店によっては甘いもの、しょっぱいもの、ネギやガーリックがトッピングされているものなどさまざま。


図3

ココナッツタルト  椰撻(イエタッ)

茶餐廳のおなじみ商品。エッグタルトと同じくらい香港の人々に愛される昔ながらのスイーツだ。サクサクでバターのコクがリッチなタルトに、ココナッツのほんのりとした甘さが特徴的。香港人が茶餐廳の外買(オイマイ)コーナーでテイクアウトをしているところをよく目にする。このやさしい味わいが根強い人気の理由。


図2

ソーセージチーズパン  腸仔包(チョンジャイバウ)

日本でもよく売られているから、このパンは日本人にもおなじみかもしれない。ただ少し違うのは上にのったマヨネーズが甘い香港式マヨネーズということ。マヨネーズをかけないバージョンもあったり、しょっぱいソーセージ、甘いソーセージのものもあり、お店によりさまざま。自分の好みのものを見つけるのもおもしろいかも。

 

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ツナパン   呑拿魚包(タンナーユバウ)

ほかの香港ローカルパンに比べ、砂糖や塩の使用量が少ないことから、ヘルシーなのがこのパン。お店によりツナとマヨネーズを合わせたものや、コーンが入っているものもある。上にのったサクサクのパン粉も食べるときのアクセントに。夏場は冷蔵庫で保管しておくと安心かも。茶餐廳に行かずともコンビニでも買えるので、小腹が空いたらぜひ手にとってみて。

 

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チャーシューパン   叉焼餐包(チャーシューツァンバウ)

飲茶の代表格、叉焼包(チャーシュー饅)のパンバージョンがこれ。日本人があんパンを食べるなら、広東人はパンの中にチャーシュー餡を入れる発想が広東ならではだ。ふっくらやさしい甘さのパンに、甘じょっぱいチャーシュー餡がよく合う。お店によっては菠蘿包(パイナップルパン)の生地の中にチャーシュー餡を入れるところも。

図1

ハムエッグパン   火腿蛋包(フォートイダンバウ)

香港人の朝ごはんの定番。今はなかなか見ないけれど、マスク着用が義務付けられる以前は、朝の通りで火腿蛋包を食べながら通勤する香港人をよく見かけた。ただのパンでは口寂しいが、ハムとエッグが入っているので栄養もしっかりとれる。おまけにHKD10前後とお財布にもやさしいところが人気の理由だろう。

 


 

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きっかけは娘さんへの親心
創業者の嵜本氏はアレルギーのある娘さんに、卵や牛乳を使わないでもコクのある、風味豊かでヘルシーなパンを作りたいと思った。そのかけがえのない思いが今日の「SAKImoto bakery」が打ち出す、「並んでも買いたい高級食パン」の前身となったのだ。
「毎日食べられる」「毎日食べたい」と自らが思わなければ、誰も買わない。まずは嵜本氏自身が納得のできる品質のものを作ろうと、かけた歳月は2年の月日だったそう。その間、贅沢に原価をかけ、歯切れやのど越しのよさ、舌触り、香り、芳ばしさ、口の中に残る余韻、これらすべての項目を満足に満たすまでにはいくつもの失敗もあった。
そうしてその思いはようやく製品化。大阪のグルメサイトや情報誌ランキングでたちまち1位に輝き、店頭には焼き上がりを待つ行列ができる有名店の座までのぼりつめた。

「Maritozzo」はプレーン、ストロベリー、ピスタチオ、抹茶、柚子(香港限定)、ナッツ&チョコレート(香港限定)の6種類。サクサクのシューにぎっしりつまった濃厚な生クリームが特長

「Maritozzo」はプレーン、ストロベリー、ピスタチオ、抹茶、柚子(香港限定)、ナッツ&チョコレート(香港限定)の6種類。サクサクのシューにぎっしりつまった濃厚な生クリームが特長

約1年半前に香港上陸
実は近隣の台湾ではすでに先行出店している同社。大手百貨店に長蛇の列があるとすればそれは「SAKImoto」の高級食パンを買い求める流行に敏感な人たちの列だ。
では香港マーケットはどうか。約1年半前の上陸から現在までのお話を、同社マーケティング部代表に伺った。
「香港のパンやベーカリー市場はすでに成熟しています。大型のパンチェーン店が台頭し、ホテル出身のブーランジェが創業するお店が多数あるなど競争は激化しているのが現状ですね。さらに、インスタグラムやフェイスブックの影響で流行がコロコロ変わりやすい。また、香港の場所代は世界でもトップレベルの高さ。そんな中でマーケットを切り開くのは非常に難しいことでもあります」と語る。
そんな中、1年半前「SAKImoto」が満を持して展開したのが、同社のシンボル「生」トーストだ。なぜ「生」がつくのか? それは、焼かなくても、何もつけなくてもおいしいパンという意味合いだそう。「過渡期を迎えていた香港マーケットにおいて、弊社のトーストは大注目を浴びました。不定期で打ち出されるさまざまな味のトーストや、日本のサンドウィッチ、デザートなど、新鮮感を求める香港人に受け入れられた手ごたえがあります」と教えてくれた。

日本の美学が詰まった商品と店舗
前述の通り、トースト開発の始まりは娘さんへの親心、そして愛。卵や牛乳を使わない分だけ、素材選び、発酵、製法の選定にこだわりぬく日本の美学がちりばめられている。さらにマーケティング部は「香港で展開する店舗のデザインは日本と同じスタイルです。ウッディな材質を使い、ナチュラル感を感じられる設計です。また、日本からブーランジェが直々に来て生産を指導。日本へ行かなくとも、日本の味を楽しむことができるので、日本好きな香港人の根強い人気を集めています」と語る。
香港マーケットで好スタートを切った同社。いつも食べるパンが、おいしくてたまらない贅沢なパンならば、香港で暮らす私たちの毎日ももっと幸せに、もっと彩豊かになっていくだろう。同社の躍進を誰も止めることはできない。

日替わりサンドウィッチメニューを目当てにカフェに訪れる客も多い。

日替わりサンドウィッチメニューを目当てにカフェに訪れる客も多い。

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食パンと同じくらい人気なのがこの「jewel jam」。フルーツ系、ミルク系、ジャポニズムに分類され、 イートイン時にはその日の気分でジャムを選べる。家用やギフト用としても大好評!

 

 


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香港の街中にあるスーパーやコンビニでかわいいコックさんの赤いロゴが入った、袋入りパンを見かけたことがあるだろう。香港土産にこのロゴのスナック菓子を購入したり、お子さんのお気に入りのお菓子にと普段使いしている方も少なくないのではないか。
普段何気なく目にする商品の数々、実は96年の歴史を誇る「Garden 嘉頓公司」のもの。香港のパン産業の発展はこの「Garden 嘉頓公司」が切り開いたといっても過言ではないだろう。創業から現在のビッグブランドになるまでの軌跡を追った。

2大有名ファストフード店でもスクリーンショット (1093)
日本でいえばヤマザキパンのような老舗ブランドの同社。香港の有名ファストフード店におけるバンズのサプライヤーでもある。香港人はさまざまなシーンで同社の商品に触れているといえる。

始まりは公園での世間話から
1926年のある日、まだあどけなさを残す青年、張子芳はいとこの黄華岳と仕事帰りに雑談していた。話は当時香港で流行りだしていた西洋ケーキやビスケットの話題に。二人は手を組み、パンやケーキ、ビスケットを作る会社を創業することに決めたのだ。そしてその場所が香港動植物公園(Hong Kong Zoological and Botanical Garden)だったことから、社名を「Garden」と命名した。今や誰もが知っている企業「Grden 嘉頓公司」(以下Garden社)の歴史の幕開けとなった。スクリーンショット (1091)

特需を受け規模を拡大する
翌年、德輔道中(Des Voeux Road, Central)に店舗をオープン。工場移転を繰り返しながら時は戦時中の1930年代、Garden社のビスケット商品の賞味期限が長いこと、常温でも保存が効き、持ち運びやすいことなどから、民衆や軍人に支持され需要を伸ばしていった。スクリーンショット (1092)
その後、火災や日本軍の占領などにより生産ラインは一時停止を余儀なくされたが、終戦と同時にイギリス香港政府の支援を受けながら復活。戦後の混乱期とともに、食糧不足を最優先にとの国家レベルの課題のもと、同社の商品は1ポンドHKD0.5という破格の安さと、安定した品質の面で評価され、さらにシェアを獲得していった。

香港初 製品にオリジナルの包装
1950年代に入ると、陸海空軍への物資供給のため生産ラインのオートメーション化に移行。1962年には深井に総面積7万平米に及ぶ工場を建造、1987年には東莞、2000年には中国企業と合弁で江蘇省揚州にも工場を作り製造している。どこかレトロでかわいらしいラッピングの「生命麺包」は60年代に発売され、香港のパン産業で初めてオリジナルの包装を施した商品となった。

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香港トップブランド企業にランクイン
2001年には香港品牌発展局より「香港トップブランド企業」の称号を授与、名実ともに香港のパン食を支える大企業となった。「国民においしいパンを食べてもらいたい」これが創業者・張子芳のよく話していたこと。そして同社の企業理念でもある。
深水埗にある本社の「嘉頓中心」。1935年に建てられ、1958年に再建された歴史建造物でもある。再建と同時に時計台(鐘楼)も設置され、当時ではその辺りで一番高い建物としてランドマークとなった。が、その時計台は「無時準(モゥシーヂョン・合っていたためしがない)」と香港ジョークを交えながら言われるほど、近隣の人にはユニークな存在であり続ける。正確な時間を教えない時計台の風景に人々はやがて慣れ、むしろ居心地よく感じるようになった。
同中心の1階は2022年4月現在ではクローズ中だが、以前はギャラリーとカフェとして開放されていた。ギャラリーには歴史を感じさせる歴代のパッケージデザインなどが展示され、コーヒーを飲みながらほっと安らげる憩いの空間でもあった。
同社の商品は食パン、ビスケット、マフィン、ウエハース、バターロール、クラッカー、キャンディーなどと幅広く、小売店だけでなくホテル、レストラン、前述のファストフード店に使われている。
96年前のあの日、二人の青年によってGardenで話された雑談が、今や香港を代表するパンブランドにまで成長した。香港の食文化を今までも、そしてこれからもリードしていく企業であることに変わりはない。同社の商品をぜひ手に取って、その歴史の重みを感じてほしい。

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4選

豪華餅店 
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香港のエッグタルトといったらここ。
いつも長蛇の列ができ、午後の遅い時間はトレーが空っぽになるほどの人気。
50年の間、この趣ある店舗から、いつもパンの焼けるいい香りを放ちながら営業を続けている。
有名人も多数通うお店なんだとか。香港にいるなら必ず食べたい味だ。
136 Nga Tsin Wai Rd., Kowloon City

 

丹麥餅店 
スクリーンショット (1137)スクリーンショット (1138)銅鑼灣の小さな店舗にはいつもこの店の懐かしい味を求めて、客足が絶えない。
人気なのはホットドッグやポークチョップバーガー。
オーダーするとその場でパンを温め、ソーセージを焼いたりポークチョップを揚げてくれる。
紙袋に入れられた出来立て&熱々のところを頬張ろう!
G/F., Leishun Court, 106 Leighton Rd., CWB

 

James BonBon Bakery 
図11スクリーンショット (1140)最近注目を浴びるお店がここ。
5つ星ホテル出身のペティストリーシェフが打ち出すもちメロンパン(脆皮麻糬波波)が大ブームを起こしている。
プレーン、抹茶、チョコレート、アールグレイなどのテイストがあり毎日12時過ぎから店頭に並ぶ。
サクサクでふわふわの食感ぜひトライしてみて。
Shop C1, G/F., Dragon Rise,
9-11 Pennington St., CWB

 

明華餅家スクリーンショット (1141)スクリーンショット (1142)スクリーンショット (1143)
旺角の豉油街(Soy Street)にひっそり佇み、30年以上同じ場所で香港人のハートを掴み続けるクラシックなベーカリー。
ここを訪れたら絶対試して欲しいのは「紅沙豆焼餅」。
その素朴な甘さはどこか日本の田舎で食べた、おばあちゃんの手作りのお菓子のようなノスタルジーを感じるだろう。
G/F., 29 Soy St., Mong Kok

 


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素材が違う 広州で外せないベーカリー
藤王 
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開業当時から添加物は一切使っていない同店では、実に様々なパンが売られている。クロワッサン(右写真)は、抹茶の天然色素。彩りにプラスしてモチモチとした食感、目と口で楽しめるパンだ。ヨーロピアン赤ワインブレッド(フルサイズ33元、ハーフサイズ17元)は無漂白の米粉を原料としている。そこに干し葡萄、クランベリー、ナッツ類を入れ、水の代わりに赤ワインで練り込んだ健康面に嬉しいパンだ。チーズやワインとも相性が良いので、いろいろな食べ方が楽しめる。

藤王K11店
天河区珠江新城珠江東路6号
広州K11購物芸術中心B137
(86)20-8883-5197

 

旬のフルーツと濃厚クリームが絶品
小西家作 
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季節の果物と上質の生クリームで作られるロールケーキ、カップケーキが人気のベーカリー。「自然由来の無添加商品をお客様にお届けする」をモットーにしており、季節によってその時期の一番美味しいフルーツを世界各地から取り寄せるなど材料選びには特にこだわっている。自慢の濃厚クリームを絡めながらいただくフルーツは、いつもとは違うまた別格の味わい。カラフルな断面が美しく、手土産やみんなで集まるパーティーにもぴったり。季節ごとの“旬”を使ったロールケーキやカップケーキを楽しむならここで決まりだろう。

天河区珠江新城業民路222号 IGC天汇広場L4楼
(86)20-3820-0919

 

天然酵母とフランス産有機小麦が自慢
Perma Bakery 樸門 
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フランス人パン職人がオーナーの人気店。天然素材由来の有機パンを楽しんでほしいという思いから、シンプルで素朴なパン作りを心掛けているという。こじんまりとした店内に並べられたパンは主にクロワッサン系とバゲット系。とにかく材料自体に対するこだわりが強く、厳選した小麦粉、酵母、油、塩のみを極力使用し、添加物は一切加えないという徹底ぶり。有機小麦粉と店舗で育てた天然酵母のシンプルな味わいは毎日食べても飽きることはない。新鮮な果物だけを使用した日替わりのフルーツパンも提供しており、昨今の健康志向に沸く家族連れの中国人にも大人気のベーカリーだ。

越秀区建設五馬路38号広州青年志願者協会そば
(86)20-8380-7050

 

長時間天然発酵と無添加へのこだわり
GAONNURI 

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店内での手作りにこだわり、毎日4回焼くという同店。材料は、水、塩、小麦粉、白砂糖のみだという。2016年のオープンから長時間天然発酵と無添加をしっかりと守りながら安全で高品質のパンを提供しており、常時数十種類が並ぶ。オーナーの故郷である韓国から取り寄せた塩と小麦粉を配合した自家製レシピからは、口当たりの違う18種類のパン生地が生み出される。国籍を問わず多くの常連を持つ同店。自家焙煎のコーヒーも試してみたい。

天河区馬場路28号111-1
(86)186-2085-6170

 

フランスのパンはクロワッサンだけにあらず!
Brioche Dorée 
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パリのシャンゼリゼ通り、オペラ座などをはじめフランス国内だけでも300店舗も出店している、フランスで最も親しまれているベーカリーカフェ。フランス発祥のパンの中でも、クロワッサンと並ぶ人気のブリオッシュは、ミルクとバターをふんだんに使い、リッチな風味とフワフワした食感が特徴。厳選された材料を使用することはもちろんのこと、フランスの国家最優秀職人賞(M.O.F)の称号をもつシェフから受け継がれるレシピを使った同店のパンはいずれも芸術品のように美しく、洗練された味わいだ。

天河区冼村路5号凯華中心106舗
(86)20-8852-9943

 


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本特集を読み進めておいしいパンが食べたくなったら、ベーカリーへ買いにいくもよし、本ページでご紹介する「おうちでカンタンに作れるベーカリーレシピ」を参考にホームメイドしてみるのもあり。香港で手作りパン教室を開催する新舎先生の初心者向けレシピをご紹介!

バナナチョコマフィン 

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1. 室温で柔らかくなったバターを泡立て器で混ぜクリーム状にする。
2. 砂糖を加えてよくすり混ぜる。
3. 卵を少しずつ加え、さらによく混ぜる。

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4. フォークでつぶしてペースト状にしたバナナを加えよく混ぜる。

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5. あわせてふるっておいた薄力粉とベーキングパウダーを加え、ゴムベラに替えて練らないようにさっくり混ぜる。

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6. チョコチップを加え、まんべんなく混ぜ込む。

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7. カップに均等に入れ、予熱しておいたオーブンで15~20分焼く(180℃)

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ハワイアンドーナツ・マラサダ 

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1. 【A】の材料を大きめのボウル(底面が広いもの)に入れ、室温に戻しておいた【B】をすべて入れる。

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2.  イーストがよく溶けるように意識しながら、ゴムベラでしっかり混ぜる。粉が水分を吸っていくまで混ぜ、ある程度まとまってきたらゴムベラをはずし、ここからは手で捏ねていく。

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3. 生地を折りたたむようにしながら力をかけ、10分くらいしっかり捏ねる。

4. 室温に戻して柔らかくしておいた【C】を加え、手で揉み込むように生地の中に混ぜ込んでいく。

5. 生地がまとまり表面が滑らかになるまで捏ねる。

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6. 生地をひとまとめに丸めたら、ボウルにラップを張り50~60分ほど発酵させる。

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7. 生地を12等分にカットし丸め、ふきんをかけ20分休ませる。

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8. 一つずつベーキングシートの上にのせ、上から押さえて平たい形に成形する。

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9. ふきんをかけ乾燥させないように20分仕上げ発酵をする。

 

 

 

10. 170℃に熱しておいた油に入れて揚げる。ベーキングシートごと持ち入れると生地をつぶさず入れられる。

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11. 両面がきつね色になるまで揚げたら油をよく切り、グラニュー糖やシナモンシュガーをまぶす。

 

 

 

「ハワイアンドーナツ・マラサダ」作りオンラインレッスン開催予定!
5月27日(金)9:30~ 詳細はインスタグラムにて
 

スクリーンショット (1131)手作りパンとアロマ石けんの教室Crochet(クローシェ)
主宰 新舎早苗先生
25年の講師歴を持つ先生のレシピは、分かりやすく、作りやすいと好評。
香港のご自宅でパン作りやアロマ石けん作りの教室を開催中だ。
詳細はインスタグラムをチェック!
Instagram: crochet_myhappyrecipes

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