香港、華南やアジアの起業特集4・起業家アンケート

2014/06/09

「起業」という大きなハードルを乗り越えて、自分たちのビジネスを展開する方たちに話を聞いてみよう。ここでは、起業のきっかけやメリット、苦労など、アンケートを通して、起業家の実態に迫ってみた。そこには起業に関するヒントがいっぱい。一歩踏み出す勇気をもらえるのでは?

以下のアンケートに答えていただきました。

❶現在の会社を起業される前の「前職」と、起業に至るまでの経緯、当時の意気込み等をお聞かせ下さい。
❷起業されて「良かったな」と思われる点と、その理由をお聞かせください。
❸起業されてご苦労された点や時期を、その理由も含めてお聞かせください。
❹そのご苦労をどのように乗り越えられましたか?
❺ビジネスに於いて影響を受けた「人物」「書籍」「映画」「出来事」等を教えてください。
❻ビジネスに於ける「今後の目標、ビジョン」をお聞かせください。
❼これから起業しようと考えている方に助言等、何か一言お願いします。

能力の有無を問わず、大きなチャレンジを

Bright Bridge Group Co.,Ltd・・・・・・・大橋由享さん

・業種:PVC、TPUインフラタブルグッツ、ネブライザー生産、輸出(エアーマットレス、エアープール等のユニット品)
・起業年:2010年
・起業資金:100万人民元

Bright Bridge Group Co.,Ltd大橋由享さん❶電子部品アッセンブリー会社で会社員として働いていた34歳くらいから漠然と独立したいと思うようになり、39歳に独立。当時、意気込み自体はまったくなく、単に「できる事からはじめてみよう」という思いだけでした。だた、起業して1年後に、工場立ち上げ等で、意気込みみたいなものが徐々に出始めてきたという感じ。

❷自分の思いが仕事の全てに反映でき、自分で全て責任が取れる点。
❸中国人パートナーとの考えの相違(とりわけ品質管理に関して)があり、経営方針が定まらず、製品開発が滞ったこと。
❹大同小異でもって事に望み、それでも問題がある場合はパートナー関係を解消した。
❺「成功の法則92か条」―――三木谷浩史
「プロ経営者の条件」――――折口雅博
基本的に0から会社を立ち上げ、会社を大きくした人に憧れているから。
❻今の会社を今後4年で高付加価値を生めるグローバル企業に育て上げ、幅広いお客さんに愛されるようになることを目指してます。
❼起業するにあたって向き不向きがあると思いますが、基本的に仕事が大好きで、大好きでたまらない人は起業に向いていると思います。ですので、そういう人は自分に能力が有る無しを問わず、挑戦してみたほうがいいと思います。
(ちなみに自分も仕事が大好きで、徹夜も苦になりませんが、頑張れています。ただ、かみさんには文句言われっぱなしですが・・・・・・)

Bright Bridge Group Co.,Ltd
電話:(86)769-8538-2429

従業員も会社も損しない方法を、お客様に提供したい

KGC関西広東貿易投資有限公司・・・・・・・片山勉さん

・業務内容:企業コンサルタント、LEDの製造販売、日本語学校の運営
・起業年:2001年3月

KGC関西広東貿易投資有限公司、片山勉さん❶以前は大阪府の役人として香港に駐在していました。大阪も商売の街でかなり盛んですが、香港はもっとスピードが早いと感じていましたね。どんな仕事でも日本だと決断までにかなりの時間を要しますが、それがこちらでは相手が面白いと思ったら即決!そんなところに少し惹かれていました。ちょうどタイミングもあり自分で自由にやってみようと思い起業することを決意しました。
❷お客様との距離が近いところですね。企業にいたら解決できないこと、お客様のために何かしたいけどできない、そんなこと多々あると思うんですが、自分でやっていると必ず結論を出し解決させなければならない。それはプレッシャーでもありますが、成功した時は本当にやりがいを感じます。
❸❹昔、従業員に騙されたことがあります。ある機械の製造販売をしていたんですが急にコストが20%も上がって、調べた結果、従業員が不正をしていることが発覚しました。その頃から、どうしたら不正を無くすことができるか考えるようになりました。不正ができないシステムを構築し、従業員も余計なことを考えず仕事に打ち込める、会社も損をしない方法を自分のお客様にも提供したいと思うようになりました。
❺やはり、松下幸之助ですね。私も起業する際、会社の為、社員の為、社会の為に何ができるか考えました。それは今でも同じです。中国にいるからには、中国にも貢献しないとと思います。
❻2つあります。1つは、企業コンサルタントとしての立場から社員が不正することなくお客様に利益を出してもらう、また社員の方にも気持よく働いてもらえるシステムを構築しお客様に貢献すること。もうひとつは、中国人の看護師を育て、日本で活躍してもらうことです。人手不足で深刻なのでそうすることで日本社会にも貢献したいと思います。
❼やりたいことを持つこと!自分でなんとかやる!目的がなければダメです。はっきりとした目的を見つかれば、精神もついていくはずです。頑張ってください。

KGC関西広東貿易投資有限公司
住所:Rm.1506, 15/F., Golden Era Plaza, Sai Yee St., Mongkok
電話:(852)2525-7166

その頃の苦労が今に繋がっている

小麦の家BACKERI・・・・・・・・・鋤本雄一郎さん

・社名:小麦の家食品有限公司
・業種:パン・ケーキの製造・販売、喫茶
・起業年:2005年11月1日
・起業資金:30万人民元(会社申請時)

小麦の家BACKERI❶日本で製パン店に勤務。当初は起業する気はなかったのですが、珠海に住む日本人と知り合い、声をかけられました。日本と中国の現状を比較し、起業するなら中国と決めました。2004年8月に中国を旅行した際に、若者が多く、街が活気であふれることにすごく驚きました。そんな中国の街を見て、自分が学生だった頃の昔を思い出し、ここなら商売が成功するかも、と思ったからです。
❷起業しても1~2年でダメになる会社が多い中、軌道に乗って営業を続けていられることです。知り合いの中国人が一昨年の秋口に、日本人シェフを雇ってパン屋をオープンしたのですが、つい最近閉店してしまいました。そういう状況を目の当たりにするので、起業しても続けることはもっと大変なことだと思います。
❸苦労はずっと今でも続いています。世界の常識は中国の非常識、自分自身の言動に気を使い続ける苦労もあります。他には起業当初は今のように流通もよくなく材料の調達にも苦労しました。
❹材料調達の件ですが、手に入るものを使い、自分なりに工夫しました。例えば、自分で必要に応じて小麦粉を配合するなど。この頃の苦労が今につながっているのは確かですね。
❻現在2店舗を経営、新店舗を6月に1店舗、7月にもう1店舗、オープン予定です。ですので、とりあえずの目標はこれらの店舗を軌道に乗せること、それ以降は今後の成り行きを見てからですね。
❼これからは東南アジアの方が起業するには良いかと思います。親日な国、思想が似た国の方が楽だと思います。継続していく体力も必要ですね。

小麦の家 BACKERI
住所:珠海吉大石花東路28棟115號(海湾花園大門左側)
電話:(86)756-323-2139
営業時間:6:00~20:00(定休日なし)
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