深水埗特集 ローカルとモダンの融合

2021/08/11

今昔が共存する魅惑の下町 深水埗

  九龍半島の北西部に位置する深水埗地区は、香港で最も早く開発され、最も人口密度の高い行政区となっている。深水埗中央、石硤尾、荔枝角、西九龍埋立区、美孚、長沙湾、又一村の7つのエリアに分かれており、行政区画の境界線によると、北は沙田獅子山郊野公園、東は東鉄線、南は界限街、西は昂船洲を含む海岸地域に囲まれている。主に工業・商業施設が多く、2000年以上の歴史ある李鄭屋漢墓(古墳)と新たに開発された埋立地が混在している。前世紀には、数千人の人口しかなかった田舎の村が、現在では行き交う人々で常時大変賑やかな社会へと変貌を遂げた。深水埗は香港の物語を生きた証。

 活気に満ちたストリート・マーケットや、家電量販店、生地専門店、レストラン、屋台などがある。高登電脳中心では、お買い得な電子機器やアクセサリーが手に入ることで有名。ガラス張りの華やかな大規模ショッピングモールや不動産もあれば、地味な外見の裏に豊かな歴史を秘めた建物もある。移民によって建てられた伝統的な寺院から、トレンドを取り入れたコーヒーショップまで、見て、食べて、買って、試すことができる。深水埗の新たな魅力を発見してみよう。                              


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1 李鄭屋漢墓博物館
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 荔枝角駅お隣の長沙湾駅まで足を伸ばせば、駅前の開発中に偶然発見された古墳を博物館にした施設がある。入場無料でライトアップされた古墳内を見学する事ができ、陶器や青銅器、発掘作業当時の写真などが展示されている。十字の形をした古墳はもともと海に面していて、積まれたブロックには花紋などが刻まれており神秘的。

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住所:41 Tonkin St., Sham Shui Po
時間:10:00~18:00(祝日を除く木曜日閉館)


2 深水埗公園

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 深水埗公園は、茘枝角道の両側にあり、隣接しない2つの敷地から構成されている。公園はもともと深水埗の兵舎があった場所を埋め立てて作られた。1983年11月、HKD980万をかけて建設された第1期工事が完成し、1985年には深水埗公園スイミングプールがオープンした。2008年には第2期が完成。元々あった公園に隣接していた、独立した2つの敷地に公園を拡張したものである。この敷地は元々、日本が香港を占領していた1941年から1945年の間、捕虜収容所であり、多くの人がこの収容所で亡くなった。園内には、1989年8月26日に香港捕虜協会によって、香港の戦いでなくなった兵士を偲んで、数本の木が植えられた。さらに、1991年12月5日には、カナダ香港退伍軍人協会が、収容所で亡くなったカナダ兵士を偲んで2本の楓の木を植えた。

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住所:733 Lai Chi Kok Rd., Sham Shui Po


3 V Walk

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 V Walkは、九龍西南部の中心に位置し、MTR南昌駅に直結した新しい同地区を代表するショッピングモール。総面積は約30万sqfで、150以上の店舗が入っている。映画館「嘉禾V Walkシネマ」も存在し、大規模かつお洒落なショッピングスポットが集中し、消費者に新しい価値を創造している。また、様々なテーマのプロモーションや交流イベントも展開しており、地区外からより多くの集客を試み、「We Walk in Style」のアプローチを実現している。

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住所:28 Sham Mong Rd., Sham Shui Po
時間:10:00~22:00


4 南昌公園

IMG_0546_ この公園は、南昌駅、南昌邨、通州街公園遊樂場の近くにあり、規模は約41万sqf。1990年代に「香港空港コアプログラム」の一環として埋め立て地に建てられた。2000年代初期、敷地の半分は西鉄線の建設工事に使われた。近年では、公園の大半分が広深港高速鉄道の作業エリアとして使用されていた。歩道の両側には30本のゴールデン・トランペットの木が植えられており、毎年春になると見事な花の庭が形成される。公園の風景は1年中、変化に富んだ風景を楽しむことができ、金色の花が咲かない季節でも、ピクニックをしたり、休暇を楽しむ人で賑わう。

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住所:20 Sham Mong Rd., Sham Shui Po

 


5 雷生春

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 雷生春は九龍バス(KMB)の創設者の一人である雷氏によって1931年に建てられた住居。当時、1階は薬局として、上階は居住部屋として使われ、1960年代になると家族が増えたことから一族は相次いで転出し、1970年代には住居として使われなくなった。その後、ビルの老朽化が進み、2000年に一級歴史建築に認定された事をきっかけに所有者が政府に寄贈し、2004年から修復作業が始まり、2012年4月、「香港浸会大学中医薬学院ー雷生春堂」として生まれ変わった。館内には漢方医が常駐する診療所があり、ロビーには香港浸会大学中医薬学院が処方した涼茶も販売している。見学ツアーや漢方医の診察ともに予約が必要。詳細は公式サイトおよびパンフレットを参照。

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住所:119 Lai Chi Kok Rd., Mok Kok
電話:(852)3411-0628
ウェブ:http://scm.hkbu.edu.hk/lsc/tc/index.html


6 三太子宮及北帝廟

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 三太子宮は1898年に建てられた寺院で、香港で唯一「三太子(哪吒)」を守り神とする寺院。その隣にある北帝廟は1920年に地元の漁師たちによって建てられた。

スクリーンショット 2021-08-11 090606 三太子宮の由来は、1894年に深水埗で恐ろしい疫病が発生し、客家人は流行を抑えるために、彼らの故郷である惠陽から守護神である三太子の像を深水埗に持ち込んだ。この像を持って地区内を練り歩いたところ、疫病が治り、彼らは神通力のおかげだと考えた。現在、寺院には100年前の鐘や太鼓など清朝末期の工芸品が保管されている。

 三太子は、本名は哪吒として知られており、中国の伝説「封神演義」に登場する偉大な将軍の三男。彼の死後、道教の先生が彼の魂を蓮花に転生させ、槍と炎の輪を与えて飛び回らせた。後に周の皇帝となる人物が殷を滅ぼす際にも手助けを行った。玉皇大帝は三太子を天下三十六神将の最高司令官に任命した。

スクリーンショット 2021-08-11 090620 北帝は、玄天上帝とも呼ばれ、殷の王子であった。殷が滅亡した際、魔王が世界を荒らし、道教の原始神(元始天尊)は玉皇大帝に命じて、北帝を悪と戦う12の天軍の司令官に任命した。北帝は魔王を倒し、暗黒帝の最高皇帝の称号を得た。現在北帝廟の、北帝の像の足元にある青銅の亀や蛇は、善が悪に勝つことを意味している。

 主祭神の三太子と北帝の他に、太歳(方角の神)、観音(慈悲の女神)、唐三蔵(仏教を必要とする僧侶)、包公(正義の神)、金花娘娘/金花夫人(妊娠中の女性の守り神)、財神(富の神)、文昌(学問の神)、城隍(街の守り神)が祀られている。

住所:196 Yu Chau St., Sham Shui Po


7 嘉頓中心

スクリーンショット 2021-08-11 091335 「合っていたためしがない」とまで言われながらも50年以上の歴史を持つ時計台。深水埗の大埔道から青山道が分かれ出たあたり・青山道58号に、香港市民にはお馴染みの製パン会社「Garden(嘉頓)」の本社工場ビル「嘉頓中心」が建てられたのは1935年、その後1958年に再建され、この時新たに「鐘楼」が設置された。当時は深水埗エリアで最も高い建築物として付近の住民や工場へ通う人々に時を告げるはずだったのだが、この鐘楼、「無時準(モゥシーヂョン・合っていたためしがない)」と呼ばれてきた。

1980年代半ば、「市民に正確な時刻を知らせるために」と、政府は付近に小型の時計台を作る事を決定。「無時準鐘楼」を見上げる視線に割り込むように、嘉頓中心前の小さな公園に、「正確な」時計を設置したのだ。

 1992年、Gardenは新界の深井に建設した新工場に生産の拠点を移した後、1999年、青山道の嘉頓中心は研究施設、資料館的な位置づけとなり、記念碑的な存在として取り壊しを免れたが、「無時準鐘楼」の修理・修正に関してはそのまま放置されている。

住所:58 Castle Peak Rd., Sham Shui Po


8 美荷楼

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スクリーンショット 2021-08-11 091406 石硤尾村にあった美荷楼は、香港で現存する最も古い「H」字型の建物で、1953年に発生した大火災(後に「石硤尾大火」と呼ばれる)により、約6万人が家を失った。政府は多数の被害者に長期的な住宅を提供するため、火災現場に再定住ブロック(AからH(美荷楼)ブロック)を建設した。美荷楼を含む6階建ての8つの再定住ブロックは、1954年に完成し、香港の公営住宅政策の始まりを象徴するものである。1950年代に建てられた他の建物が取り壊され、新しい建物に取り替えられていく中、美荷楼のみ取り壊しを逃れ、香港初の民間住宅博物館となった。また、深水埗の歴史を記念して、1950年代から1970年代までの香港の公営住宅の発展と生活環境を記録した「美荷楼生活館」も併設されている。※美荷楼生活館は、現在一時閉鎖中。

スクリーンショット 2021-08-11 091422 9階建てで20万sqfの広さを誇る垂直型で、約140のアーティストや文化団体の活動拠点となっている。アートセンターとして、コンパクトで設備の整ったジョッキークラブ・ブラックボックス・シアター(賽馬會黑盒劇場)の他、2階建ての展示ギャラリー、ティーハウス、カフェ、手芸店などが中庭を囲むように配置されている。

 JCCACでは、毎年恒例の芸術フェス、年4回のハンディクラフト・フェア、屋上での映画上映、パブリック・ガイド・ツアーなどの一般公開イベントを開催している。

住所:30 Pak Tin St., Shek Kip Mei


9 馬会創意芸術中心(JCCAC)

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 2008年にオープンした賽馬会創意芸術中心(JCCAC)は、工場を改造した香港初のアーティストの為の大型作業空間兼展示施設。元は1977年に建設された石硤尾工廠大厦。かつては多くの家族経営の小さな工場が集まっていた。しかし、2000年に入ると、香港の軽工業が衰退し、工場団地は徐々に閉鎖されていった。香港政府と香港賽馬會慈善信託基金により改装が施され、現在のJCCACとなった。アーティストたちから需要の高い手ごろな価格のアートスタジオや展示施設を提供し、香港の若いクリエイティブな才能を育成。一般の人々にも芸術と文化を体験できるような環境を提供している。

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住所:Block 41, Shek Kip Mei Estate,
70 Berwick St., Sham Shui Po

 


10  嘉頓山

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 嘉頓山の本来の名前は「喃嘸山」だが、嘉頓山は地元の有名な「ガーデン・ベーカリー」に近いことから、この愛称で親しまれている。頂上にはかつて、空港への道を照らしたり、低空飛行の飛行機を警告するためのライトが設置されていた。1998年に空港が閉鎖されてから、山頂と西側斜面の削られた段の1つは、頂上まで続くかなり急な階段を登るための休憩ガーデンになっている。標高は90mの小さな山で、0.6kmのトレイルがあり、主にハイキングとウォーキングに利用されている。ハイキングというよりは、階段を上っていくような感じで、最高のビューポイントの一つであり、香港の写真家にも人気。山頂からは、香港の街とそのスカイラインが見渡せ、様々な角度で深水埗の街並みが望める。特に夕暮れに、眼下に広がる景色は一見の価値あり。

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住所:Block 41, Shek Kip Mei Estate,


ローカルの魅力を発信する YouTuber兼深水埗の住人リンモクさん“リンモク(Lingmuk)”という名の青年をご存じだろうか? 香港に来て2年弱ながら、流暢な広東語を駆使しYouTuber活動を開始すると、これがローカルメディアの目に留まり「深水埗(サムスイーポー)に住む、広東語の達者な不思議な学生」としてたちまち話題に。今回は、そんなリンモクさんの背景と深水埗の魅力について合わせて伺った。


香港との出会いは突然に

 2014年、大学2年生の時に観光で初めて広州、深圳、香港を訪れた。当時は何の思い入れも無かったというが、縁とは不思議なもので、翌年、通っていた京都立命館大学の交換留学生として深圳大学に半年間留学することに。その際、週末に頻繁に遊びに来ていた香港に改めて魅せられたという。リンモクさんは当時の様子を「自分が生き生きできる環境や、香港人が3言語をデフォルトで話すことや当時の自分に無かった外向きの考え方などに生命力や逞しさを感じた」と、この時点で将来は香港に移住することを決意したという。

決意と行動力で香港中文大学へ入学

 その後、大学を卒業とともに地元愛知の車部品関係の会社に就職。働きながらも毎年欠かさず香港に旅行するなど「香港愛」は薄れることなく、むしろ深まっていった。実家住まいだったこともあり、2年間で計画どおり約400万円を貯めたリンモクさんはここで思い切った行動に出る。香港へ渡航する上で必須条件となるビザを調べ、「IANG(Immigration Arrangements for Non-local Graduates)」という、香港の大学以上を卒業して社会人になる場合に交付される特殊なビザの存在を知り、貯めた資金で香港の大学への留学を決意。

 2019年9月、晴れて香港中文大学(The Chinese Universityof Hong Kong)に入学し、念願だった香港移住の一歩を踏み出した。しかし、この直後、香港に激動の時期が訪れる。

災い転じて福となす?

 香港中文大学への入学とともにやって来たのが、デモ、コロナ…。自らの集大成として意気揚々としていたリンモクさんだったが、僅か2カ月の通学後に授業がオンラインに切り替わり、いきなり出鼻を挫かれることに。人との関わりが希薄になり、自宅に引きこもりがちで気分も滅入ってしまったそうだが、これが大きな転機となる。

 「香港人の友達づくりや広東語交流の為に始めた。(リンモクさん)」というYouTubeの「リンモク Lingmuk【廣東話學習Vlog】」が、ローカル大手メディアに取り上げられるなど瞬く間に話題となった。留学生の実情や廣東語の上達法、ローカルフードの食べ歩きなど、等身大の自分と香港の魅力をありのままに発信し続け、現在ではチャンネル登録者数も14,000まで伸びている。

ローカル好きが高じて深水埗の住人へ

自宅屋上からの夜景

自宅屋上からの夜景

 来港から激動の10カ月が経った頃、深水埗に住んでいた大学の日本人同級生に進められ、雰囲気が良かったことやローカル好きが高じて大圍(タイワイ)から深水埗に引っ越すことに。自ら現地の不動産仲介業者をあたり、何軒か内覧した後に駅から徒歩1分、エレベーター無しの4階、ワンルーム、家賃HKD4,800の物件に決定。ローカル飯が美味しく、屋上から望む夜景やごちゃついた電飾が“らしさ”を演出して綺麗だという。半面、空気汚染や騒音、訳の分からないBGMや叫び声、異様な暑苦しさなどもあるらしいが、それも深水埗ならではのご愛敬かもしれない。

変わりゆくも各世代から愛される街

スクリーンショット 2021-08-11 092244 リンモクさん曰く「深水埗は香港人どの世代からも愛され、香港人と話す際のネタにもなるし、香港人を理解する上で非常に良い街」とのこと。近年、深水埗から南昌(ナムチョン)のちょうど中間地点にあたる大南街(Tai Nan Street)は、若者向けの小洒落たカフェが次々と出店し、1 0 代から20代のインスタ(Instagram)世代の人気を集める注目スポットになっている。ただ、街が様変わりするかというとそうでもなく、桂林街(Kweilin Street)には相も変わらず古い店が軒を連ね、住民の大食堂・大牌檔(ダイパントン)もいまだ健在。さらに玩具店が立ち並ぶ福榮街(Fuk WingStreet)も、近隣住民の一家団欒を感じられるエリアになっている。地元民・リンモクさんのおすすめは、駅から北に少し歩いた所にある嘉頓山(Garden Hill)。15分程で登頂できる山だそうで、そこから見渡す夜景もまた格別だとか。

 

嘉頓山から望む夜景

嘉頓山から望む夜景

大南街のお洒落なカフェ

大南街のお洒落なカフェ

飽くなきローカル探求心

 YouTube活動が功を奏して、なんと現在の勤め先からもYouTubeを介してジョブオファーがあったそう。今後は勤務地が九龍になることから、大好きな船退勤をするべく深水埗から香港島への引っ越しを決断。そこで、以前より興味のあった鰂魚涌(クオーリーベイ)のモンスターマンションに既に3回ほど内覧に行ったそう(笑)。「せっかく香港に居るので船通勤もしてみたいです」と、飽くなきローカル探求心は尽きることがない。

安くて美味しいローカル飯の数々

安くて美味しいローカル飯の数々

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リンモク(Lingmuk)さん
2019年9月、香港中文大学への入学を機に念願だった香港へ移住。2013~2020年に掛けて、中央アジアや東南アジアなど20カ国以上を旅する。河南省への旅行で夜行列車に乗っていた際、翌朝武漢が封鎖され周辺地域の封鎖網に巻き込まれるなど、自称巻き込まれ体質。愛知県日進市出身。27歳。

YouTube:リンモク Lingmuk【廣東話學習Vlog】
Instagram:lingmuk.hk
Facebook:Lingmuk.hk
Twitter:Lingmuk


\食べてみよう!安ウマローカルフード10選/

なんとローカル下町エリアでも、ミシュランガイドで紹介されるようなお店が存在する。きっとお気に入りのお店が見つかるはず。


合益泰小食

1 ミシュランにも掲載されている腸粉が有名で、1日に5000個も売れるそうだ。作り立ての腸粉は、皮は薄く滑らかで、米の風味が豊か。醤油やごま油、ごまだれ、甘だれ、ごまなどをかけて食べる。また、豚肉と椎茸の燒賣も合わせて食べたい。

スクリーンショット 2021-08-11 092404住所:G/F., 121 Kweilin St., Sham Shui Po
電話:(852) 2720-0239
時間:6:30~20:30


添好運

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 ミシュランガイド常連レストランのひとつ。シェフが手早く作る20種類以上の絶品点心は、伝統的な味だけではなく、価格も魅力的。深水埗住宅街にあり、周辺の飲食店からも人気を集めている。人気メニューは酥皮叉焼包(叉焼をパイ生地で包んだパン)や蝦餃(海老餃子)など。

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住所:G/F., 9-11 Fuk Wing St., Sham Shui Po
電話:(852)2788-1226
時間:月~金 10:00~21:30、
土~日 9:00~21:30


八仙餅家

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 1966年に開店した「八仙大茶樓」の唐餅部門。1979年、唐餅の歴史と職人技を残すため、「八仙」という名前で開業し、55年の歴史を残している。「叉燒蠔豉酥(叉燒と牡蠣の煮干を包んだパイ)」が看板商品で、香港でも一部の老舗でしか販売されていない。1960~1970年代の香港を代表する伝統的な味。

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住所:G/F., 197 Nam Cheong St., Sham Shui Po
電話:(852)2729-9440 時間:7:30~19:45


坤記品家

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 有名な菓子専門店。特徴は、長年にわたり手作りされていること。一番人気の「白糖糕」は、オーナー自身が毎日手で挽いた米粉を使うことにこだわっている。店の隣では、昔ながらのコンビニ「士多」も営業しており、そこに残っている昔ながらの冷凍庫は香港の歴史の証だ。

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住所:Shop 10, 115-117 Fuk Wah St.,
Sham Shui Po
電話:(852)2360-0328
時間:8:00~23:00


海鮮飯店

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 香港を代表する大衆レストラン「大排檔」の中でも「萬發海鮮飯店」は地元の人からの人気が高く、「黑椒薯仔牛柳粒(ジャガイモと牛肉の胡椒炒め)」の発祥地と言われており、香港で最も美味しいと言われている。また「風沙雞(鶏のガーリック唐揚げ)」もおすすめ。

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住所:G/F., 150-152 Kiu Kiang St.,
Sham Shui Po
電話:(852) 2361-8708
時間:17:00~26:00


添福小食

8 ファーストフード専門店で、香港式のハンバーガーや軽食を提供。1960年代には香港式のハンバーガーの元祖として「時新漢堡包」が流行したが、1970年代にアメリカのハンバーガー・ブランドが進出してからはその地位を奪われ、今ではどこでも見かけるということはなくなった。黒胡椒ビーフバーガーが一番の人気商品。

スクリーンショット 2021-08-11 092602住所:Shop A1, G/F., Man Hoi Mansion,80-82 Cheung Sha Wan Rd., Sham Shui Po
電話:(852)5721-0055
時間:火~日 12:00~21:30、月休


緑林甜品

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スクリーンショット 2021-08-11 092616 37年前にオープンした伝統的中華デザートの専門店。小豆や、ナッツ、黒ごまを使ったお汁粉、豆腐プリンなどの定番から、ドリアンパンケーキといった独創的な新スイーツも提供。また、仙草ゼリーは毎日手作りで、ハーブの豊かな風味が感じられる。フルーツのトッピングや自家製ミックスミルクなど、お好みの組み合わせで堪能できる。

住所:77-79 Un Chau St., Sham Shui Po
電話:(852)2361-4205
時間:13:00~23:45


文記車仔麺

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 麺やスープ、トッピングが自由に選べて、非常に手頃な価格で満腹感を得られる。「ミシュランガイド」で紹介される前から人気があり、常に長蛇の列ができている。あっさり、牛バラ風味、甘じょっぱい3種類のスープベースが用意されていて、トッピングに慣れていない客のために、「おすすめのトッピング10選」も用意している。

スクリーンショット 2021-08-11 092631住所:G/F., 121 Fuk Wing St., Sham Shui Po
電話:(852)9059-5104 時間:11:00~28:00


劉森記麺家

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 約70年の歴史を持ち、香港で唯一現存する「竹昇麺」店。3世代で伝統を受け継ぎ、竹の棒を用いた手作業で生地を伸ばすことで、麺に弾力を持たせ、長時間スープに浸っても伸びづらくしている。人気メニューの「蝦子撈麺」は、自家製の小エビと竹昇麺を用い、魚介や豚骨、羅漢果などで作られたスープが自慢の一品。

スクリーンショット 2021-08-11 092644住所:G/F., 48 Kweilin St.,Sham Shui Po
電話:(852) 2386-353
時間:11:30~21:30


公和品

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 120年以上の歴史を持つ、香港を代表する老舗の大豆製品工場。食品の品質を保つため、カナダ産の遺伝子組み換えでない大豆を使用し、ゆばや油揚げ、枝竹(ゆばを棒状に畳んだもの)などが大人気。豆腐プリンと揚げ豆腐が看板メニュー。

スクリーンショット 2021-08-11 092658住所:G/F., 118 Pei Ho St.,Sham Shui Po
電話:(852)2386-6871
時間:7:00~21:00


\深水埗/ 歩いて発見あれこれ

Nam Cheong Street /南昌街(リボン通り)、Tai Nan Street /大南街(革通り)など別名を持つ通りもあり、各エリアによって様々な表情を見せる深水埗。その特徴的なストリートを歴史やトピックスを交えて紹介する。


【Café】大南街、基隆街、黄竹街

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 Tai Nan Street/大南街には、アート性を感じるカフェ、ギャラリー、手工芸品店などが周辺に続々オープンし、流行に敏感な若者が集まるエリアへ変化している。コロナ禍で海外旅行が難しくなり、香港内で消費を楽しむ需要が増えたこともあり、ここ1年で約20のコーヒーショップがこの地域にオープンしている。

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 近隣住民だけでなく、ちょっとした贅沢を楽しむため、地域外からも香港人や外国人が頻繁に訪れている。


【DIY・ハンドメイド】汝洲街、基隆街、大南街

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スクリーンショット 2021-08-11 093119 深水埗駅A2出口を出て直進すると左右に広がる通りで、ハンドメイドアクセサリーを楽しむ人で賑わいをみせる。ビーズ、ボタン、チェーンなどを販売する店がずらりと並び、1軒1軒品定めをしながらお気に入りのパーツを探していくのがこの通りの楽しみ方。来店客の大半は女性だが、世代を問わず人気がある。中でもリボンを売る店は、数え切れないぐらいの品揃えを誇り、店によっては10cmまでであれば無料で提供している。このリボンを用いて簡単にヘアゴムができあがるので、子供を持つお母さんは必見。アクセサリーの材料は、中華風のものから流行のスワロフスキー、革、ギフトを入れる袋やボックスまで何でも揃う。その他、一角ではレザー生地や布生地も販売しており、カバンから洋服、枕カバーやベッドシーツ、ソファカバーまでもDIYできてしまう。この時期にお家時間で身の回りの物をハンドメイドしてみてはいかがだろうか。

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【電気街】鴨寮街

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スクリーンショット 2021-08-11 093157 深水埗駅A2出口を出ると目の前に広がるApliu Street/鴨寮街は、スマートフォンやケーブル類が所狭しと並び、その数の多さに圧倒される。たこ足コンセントや変圧器、電球などもあり、日用品の購入にもオススメ。通りでは、ドローンの実演販売などがあり、熱心に客を呼び込む姿を眺めながら散歩しているだけでも面白い。

スクリーンショット 2021-08-11 093220 その他、プリペイドSIMも多種多様に販売しており、日本・中国をはじめアジア諸国、アフリカや南米向けの製品までそろっているから驚きだ。

 お目当ての物が見つかったら、値段交渉も忘れずに。


【洋服】長沙湾道

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スクリーンショット 2021-08-11 094632 Cheung Sha Wan Road/長沙湾道は、彌敦道(ネイザンロード)から繋がる大通りでもあり、路線バスも頻繁に行き交う幹線道路。そんな通りの左右には、ズラーッと並んだ衣料品の問屋街が続いている。婦人服から面白いキャラクターTシャツ、スポーツウェアまで多種多様なファッションが所狭しと並び、その奇抜さは見ていて面白い。HKD20前後の安価で販売している衣類は近隣住民にも大人気。

スクリーンショット 2021-08-11 094643 また、卸売り専門店も多く、店頭に「謝絕零售」と表示している店は、小売りをしていないので注意が必要。その一方で、ばら積みの衣類などを段ボールに入れて乱雑に販売している店もあるので、掘り出し物が見つかるかもしれない。大半が試着するスペースはないため、サイズはしっかりと確認しよう。


【中古品マーケット】桂林街、鴨寮街、汝洲街、基隆街

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スクリーンショット 2021-08-11 094707 鴨寮街では常に中古市が開かれており、この地域は香港で最も歴史のある地域の1つ。元々は「鴨寮村」とよばれ、その名の通りアヒルの飼育でよく知られていた。「apliu」は「アヒルの小屋」を意味し、深水埗のエリア拡大に伴い鴨寮村が鴨寮街へと変化した。

スクリーンショット 2021-08-11 094718 深水埗が発展するにつれ、中古品の市場へと姿を変えた。回路からトランジスタ、真空管、回路ブレーカーに至るまで、そのエリア全体が電子部品のハブになっている。かつて政府は鴨寮街を東京の秋葉原の香港版としてブランド化する計画さえあったとか。その他、固定屋台に加え、無数の屋台がある。香港の法律では、露店は違法な露天商と見なされ、公共スペースを妨害したり、無許可の露天商で起訴される可能性があるため、彼らの活動範囲が鴨寮街から北河街まで広がった。

スクリーンショット 2021-08-11 094733 販売アイテムは日用品、衣類、おもちゃ、本などが数多く販売されており、個々に明確な価格設定はない。商品のほとんどはHKD5~15で提供されているが、さらに安い価格を求め交渉する人も少なくないのだとか。

 買い物の仕方は通常の店とは大きく異なり、商品をはっきりと見るために、経験豊富な顧客の中には、露店を訪れるときに懐中電灯を携帯し、屋台で商品を照らし何を販売しているかを確認する人もいるようだ。


【おもちゃ・玩具】福榮街

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スクリーンショット 2021-08-11 094747 鴨寮街とは長沙湾道を挟み北東側に位置するFuk Wing Street/福榮街は、おもちゃやキャラクターグッズ、文房具などを販売する店が集まる問屋街。一般的によく見かけるおもちゃを販売しているほか、季節のイベントに欠かせないアイテムもこちらで入手できる。夏は海やプールで遊べる浮き輪やビーチボール、冬にはクリスマスツリーの飾りや電飾なども。日本の「ガチャガチャ」の中身やフィギュアを始め、ボードゲームやパーティーグッズも取り扱っている。その他自転車やスケートボード、キックボードなど子供向けの大型玩具まで取り揃え、プラモデルなどの大人でも夢中になるホビーもあり、万人が楽しめるはずだ。


\下町の魅力 広州編/

広東にも色とりどりの下町がもちろん存在。今回は広州から3か所をご紹介。観光だけでなく、住居の候補としても参考にしてみては。


【小北】

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1 広州小北は、広州の「重慶マンション」と呼ばれ、外国からの出稼ぎ労働者が多く、特に中東とアフリカ人で溢れる、復雑な下町である。それは広州の文化と時代の縮図のようで、広州全体の物流が頻繁に行われており、複雑な環境は小さな国のようである。7小北は広州市越秀区に位置し、非常に多くの衣服、靴、小商品、電気製品の卸売り店がある。ここは治安があまりよくないという噂が方々に広がり、「広州のアトランタ」と呼ばれるが、実際には小北にいる外国人は、非常に堅実で、ほとんどの人が留学かビジネスの為、中国に来ているのである。

9小北駅を出て橋を渡ったところに小北街区がある。小さな広場はとてもにぎやかで諸外国語が飛び交っており、中国人はあまり見られない。街をぶらぶらするとアラビア語と中国語併記の看板がいたるところにあり、ブティックやレストランが多く、貿易街を囲むように作られた街で、路地にはヒジャブをかぶったイスラム教徒の女性も見かける。彼らの間には言葉が通じない人も多いが、取引を成立させるためのコミュニケーション方法を見つけているようだ。

3街の奥は暗くて狭い路地で道が複雑であり、まるで映画の中に入ったような感覚。 暗い路地を歩いていると、エアコンの室外機と干された衣類の水滴で道が滑りやすく、湿った空気に様々な生活臭と濃厚な香水の香りが混ざっている……。しかし、ここには各種の軽食、麻辣湯、米線、土鍋、焼き物、新疆のお餅、羊肉、各種の麺類などがある。在住外国人は概ねがムスリムの為、ここで食べられる軽食はほぼすべてハラール食。多くの回族人など西北地区の人がここでレストランを経営しており、本場のムスリム美食を堪能できる。


【石牌村】

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13 広州市石牌村は、地域差が大きいことで有名な城中村で、中山大道と黄埔大道の間に位置し、周辺は太古、珠江新城などの高級商区に囲まれており、広州で最大で最も歴史の長い下町である。ここには3つの祠や公園、小学校、そして伝統的な門楼が十数棟あり、家賃が比較的安く、労働者が集まっている。石牌村にはホワイトカラー、労働者など様々な人が住んでおり、「黄金の位置にある城中村」、「租税によって富を成す村」などと呼ばれている。4石牌村は、1平方キロメートル未満の土地に、建物の距離20センチ未満の3500棟のビル(キスビルと言われる)が存在する。170以上の路地があるが、狭くてあまり日光が入らず、初めてここに来た人は道に迷いやすい。

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 石牌村の歴史は宋の時代にさかのぼり、周辺には石器を売って生活している住民が数多くいたため「石牌」と名づけられ、村にはまだ多くの史跡が残っている。

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 また石牌村は全国各地から広州に出稼ぎに来ている労働者が中心で、中国各地方の料理を食べられる。繁華街では靴、服、家具、時計などの修理店が見つけられないかもしれないが、石牌街ではよく見かける。これらの店は総じて30年から50年続く老舗である。

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 物価も他の地に比べて安い。仕事帰りの多くの労働者がここに集まり、夜食を食べ、お酒を飲んでいる光景が目に付く。夜食の種類も豊富で、夜になると大変賑やかである。

 

 広州のような繁栄都市の裏にある労働者の生活が最もよく反映されており、多くの写真愛好家が訪れる場所となっている。

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【陶街】

1スクリーンショット 2021-08-11 100213 陶街は中山六路の東南片に存在する細道である。陶街の文化の誕生は明代までにさかのぼる。明代ではかつて政府の商業施設を設立し、数千年間、中山六路一帯は繁栄した商業地になっていたが、珠江新城などの新たな地区の発展により、現在の陶街(中山六路)は「老街」となった。スクリーンショット 2021-08-11 100228かつて、陶街はレコード業界が盛んだったが、インターネットやダウンロード購入が主流となった今、壊滅的な打撃を受けCDショップは以前に比べて大幅に減り、数少ない老舗だけが営業を続けている。これらの店が扱っているのは、昔の曲が多く、聞いたこともない歌手もいるが、これらの徐々に時代に忘れられた古い歌手、古いレコード、多くはすべて心の奥底に残る懐かしき記憶でもある。レコードに付随して生まれたのは、もちろんオーディオ機器であり、陶街や中山六路のメイン通りの両側には、無数のオーディオ機器店がある。これらの店では中古品がメインで価格も比較的安く、運が良ければ高級ブランドの製品を見つけることも。それ以外にも、ジュエリーや骨董品、各種面白い生活の小道具や中古品、はたまた「神薬」と長年呼ばれる薬などが陳列されている。

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 長い歴史のため、ここに住んでいる多くは老人で、ここで食べられるものは本格的な広州料理。有名どころで言えば、かつての惠西街(今の中山六路)の鶏の名店「惠食堂」。1986年に創立し【惠味】として有名で、多くの国内外の人々がその名を慕ってやって来た。このほかにも歴史ある老舗菓子屋が数多く点在している。

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