中国法律コラム47「日本から深圳への移動・隔離の実態レポート」その二

2020/04/22

houritu

〜 「日本から深圳への移動・隔離の実態レポート」その二 〜

 みなさんこんにちは、日本人法律家の大嶽です。今回も、前回に引き続き弊所のパラリーガルのFさん(日本人女性)が日本から深センへ戻ってきた際の隔離の様子について、レポートさせていただきます。

 

隔離レポート②

 前回に引き続き、深センでの隔離レポートです。3月13日に入国、3月14日~27日までホテル隔離、3月28日に開放されました。前回は入国から隔離初日3日間の様子をお届けしましたので、今回はその続きをレポートいたします。

 

一、隔離生活

3/17 隔離生活4日目 隔離告知書①発行
 PCR検査の際、検査員より本日より隔離期間計算スタートと伝えられる。すでに別ホテルで3日間経過しているため、3日+14日では17日間の隔離になってしまうこと、PCR検査で一回すでに陰性が出ていることを伝えるも、「前のホテルは区が違うから合算できない、前のホテルは担当が違うから検査結果は確かめようがない」、という意味不明な説明が返ってくる。廊下に出たり、エレベーターに乗ったりすると怒られる仕様。ウイルス扱いを実感。
 水銀体温計と表を渡され、毎日2回体温を自分で測って写真を撮り、担当者に送るよう言われる。咳や息苦しさがあるかのチェック欄もあり。隔離告知書というピンクの紙を渡され、隔離期間は3月17日~31日までと書かれる。

3/18 隔離生活5日目
 フロントまでPCR検査の結果を聞きに降りると、担当者はいない、部屋から出るなと部屋に追い返される。新たな政策が公表され、3月19日より隔離費用が全額自己負担になるとのこと。ホテルに費用基準を尋ねるも、知らぬ存ぜぬの一点張り。この日は諦める。

3/19 隔離生活6日目 隔離期間の交渉
 部屋の掃除、飲み水、アメニティの補充等が一切無いため、申請制。掃除機の借り出しに成功し、自分で掃除機をかける。この日に始めてホテルの隔離者のグループチャットの存在を知らされる。早速登録すると、費用に関する質問だらけだが、ホテルからは何の返答もなし。
 隔離期間について社康(社区健康サービスセンター)の担当者に連絡するも、返答なし。広州総領事館に連絡し、相談。外事弁に直接確認してくれるとのことで、広東省ホットラインにもこちらから連絡してみるよう言われる。電話してみると、隔離ホテルの現状がわからないため、ホテルと自分で交渉しなさいとの回答。
 フロントまで降りてホテルのフロント、社康の担当者に状況を説明するも話通じず、医者には怒られる始末。すると外事弁の担当者が対応してくれ、WeChatをゲット。入国スタンプとチケットの写真を撮って送るよう言われる。
 9時頃、外事弁の担当者から連絡を受け、入国日から隔離期間を計算することが確定。翌日新たな隔離告知書を発行してくれるとのこと。

3/20 隔離生活7日目 隔離告知書②発行
 朝一で領事館担当者から連絡を受ける。外事弁に連絡し、状況を説明してくれたとのこと。隔離期間を入国日13日~27日までとする、という新たな告知書を受け取る。この日より、食事の配給がなくなり、すべて個人でデリバリー手配となる。

3/21-25 隔離生活、、、、、もう何日目かもわからない状態
 動物園の動物状態。部屋の外にも出られないため、仕事の合間に寝て食べての繰り返し。解放の時をただひたすら待つのみ。

3/26 隔離13日目
 翌日解放と思い浮かれていたところ、外事弁担当者より電話が入る。またもや区の政策が変わり、隔離期間は入国翌日から起算するとのこと。よって15日目の28日に解放と告げられる。釈放日がもう1日延びる。

3/28 隔離期間満了、帰宅
 朝、フロントに行き、19日以降の宿泊費を精算し、隔離解除証明書、PCR検査結果のコピーを渡される。そのまま自分で帰っていいと解放される。
 自宅の小区にたどり着くと、スーツケースを持っていたため警備員に止められる。日本から帰って来てすでに隔離済みだと説明すると、隔離関連書類を全て確認される。その後無事入れてもらえる。今回の長旅はこれにて終了。

 

まとめ

・ 入国スタンプは必ず押してもらうこと。入国書類の写真も撮っておく。
・ PCR検査の結果も必ず証拠を残しておくこと。結果をもらえない場合は写真を撮っておく。
・ 現場の人と話が通じない場合、領事館から上の担当者に話を通してもらうのも得策。中国では上から物事を進めたほうが早い。
・ 政策は上の都合で毎日コロコロ変わるため、あまり当てにしない。
・ 14日間ホテルに監禁は精神的に相当キツいので、メンタルに自信のない方は避けましょう

以上

 

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ddd広東盛唐法律事務所
SHENG TANG LAW FIRM
法律顧問

大嶽徳洋  Roy Odake

行政書士
東京商工会議所認定
ビジネス法務エグゼクティブ
Tel:(86)755-8328-3652
E-mail:odake@yamatolaw.com

中国の法律事務所で10年以上の実務経験を有しています。
得意分野は、労働法・会社法・契約法です。
法律関係でお悩みのことがありましたら、お気軽にご連絡ください。

九州出身、趣味は卓球です。
深圳市で日本人卓球クラブの代表を勤めております。
卓球が好きな方は、ぜひお気軽にお声掛けください。
部活経験者を特に歓迎しています。

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