「日本経済新聞国際版ニュースの活用方法」森六(香港)有限公司ディレクター・服部淳幸

2014/04/07

教えて!ニュースの活用方法 NIKKEI

 

香港で活躍する日系企業の人たちに不可欠な情報源となっているのが「日本経済新聞国際版」。
今回は紙面のニュースや記事を、仕事や生活に活かす読み方のポイントを森六(香港)有限公司ディレクター・服部淳幸さんに伺った。

日経新聞はオフィスに置いてあるのですね。日ごろどのような読み方をしていますか?
会社で日経新聞国際版を購読していますが日本人はわたしだけで、深センや広州などへ出張に出る機会が多いので持ち出して移動の際に読んでいます。移動時間が長くなることもあるのでたくさんある記事をチェックするには最適な時間です。会社に居るときは昼食を取りながら読むことが多いですね。

一面に大きく取り上げている記事にまず目を通します。掲載情報量が膨大なので目次を通して気になるトピックを選んでいくスタイルで、日ごろは一般教養としての知識を得るために読んでいます。

そのほかでは特集記事や連続物のコラム記事をよく読みます。一般的なニュースよりもその出来事が起こった背景などを含めた掘り下げた内容のものが多く自分自身の勉強に活用しています。

わたしたちの事業は一般消費者向けではない商品を扱っていて、日ごろ関連商品を記事で取り扱われるケースはあまりないのですが、たまに特集記事で見掛けたときは特に注視しますね。香港に身を置いているので現地情報はいち早く入ってきますがまだまだ知らないことがたくさんあります。後日、日経新聞にその事の記事を見つけると自分の中の理解と照らし合わせて整合性を取っています。

お客様との話題つくりにも一役買っているそうですね。

日本や海外から工業薬品などの基礎化学品、プラスチック、フィルム、化学繊維などの原料を輸入し香港や日系企業の中国に置く工場に対して販売をしています。

以前、磁気テープの話題を取り扱っている記事がありました。一般的にデータを記録する際は以前のようなカセットテープやビデオテープは衰退し、現在はDVD、ブルーレイディスクやハードディスクなどの光学記録媒体が主流になっていますが、今後業務用の保存媒体として大容量化された磁気テープが見直され始めているそうです。

そのような一般消費者向けではない業務用製品は普段あまり情報として入ってこないので、記事で取り扱われて初めて知ることもあります。特集記事と関連するお客様と会ったときには日経新聞国際版で得た情報をネタに話題作りで活用させていただいています。

業務関連以外でよく読まれているコーナーはありますか?

土曜日の「ニュースクール」はよく見ていて、興味のあったものは保存するようにしています。文章が対話形式で子どもにも分かりやすい内容になっていてとても親しみやすいですね。普段よく耳にして理解しているつもりになっている花粉症やIPS細胞などの言葉でいざ自分で説明してみようとしてもなかなか難しいことがあります。図解を利用して解説してあるので理解しやすいのが良いですね。

家族で旅行など出かける時には写真を撮ることも多いので、一眼デジタルカメラなどのトレンド家電などの特集もありがたい。複数の製品の比較検証も行われていて読んでいて楽しいですね。

今後の事業展開を教えてください。

香港で働いているので日中間の政治経済動向は当然気になるところ。リーマンショックに端を発した米国の景気低迷では、中国の玩具メーカーが大打撃を受け、当社でも一部関連取引が低迷しました。次いでEU危機もあり、香港を取り巻く輸出ビジネスは今なお低迷を続けているものの、当社が業務で関わっていた企業はそういった困難を乗り切ってさほど大きな変化はありませんでした。

中国ビジネスの将来性を不安視する声や人件費上昇の現実はありますが、インフラ設備などの環境面を含めやはり中国にはメリットが多くビジネスがしやすい。当社のような加工貿易を主としている企業にとって苦しい状況が続きますが、今後も中国に生産拠点を置く香港、中国や日本企業を相手に業務展開をしていきます。

今後は香港というロケーションを活かした税制の優遇を利用したビジネスに加えて、当社の現地法人がまだ設置されていない台湾、フィリピンやベトナムなどの東南アジアの国々、今まで取引していない企業をサポートしながら事業の拡大をしていく予定です。

また、中国の天然抽出物や現地メーカーの化学品を、日本や第三国に輸出する役割を担っていけたらと思っています。その為にも日経新聞国際版を今後も有意義に活用していきたいと思っています。入社1~3年目は営業部に所属し東京本社にて内勤業務を受け持つ。4年目以降は華東地区や東南アジアなどへ海外営業出張を多くこなす。2010年8月に来港し今年で4年目を迎えている。「休日は2歳の息子に付きっきりの生活をしていてあまり外に出掛けられませんが充実した日々を過ごしています。香港では子どもを抱えていると声を掛けられることが多くとても親切にしていただけますね。香港の街はコンパクトで公共交通機関も充実して生活する上ではとても便利です。」神奈川県横浜市出身。

化学分野におけるソリューションプロバイダー
グローバル市場に新たな素材を提供

森六(香港)有限公司 服部淳幸森六(香港)有限公司は森六ケミカルズ株式会社の子会社として1990年4月2日に設立され、今年で24年目を迎えた。化学品全般を取り扱う専門商社として、近年は広州現地法人との連携により、ローカルメーカーとの取り組みも積極的に推進し華南地区に軸足を置く事業展開を行っている。香港という地の利を生かした近隣の東南アジア各国への展開も図りながら、中国からの輸出テーマにも注力し、海外との架け橋を担う拠点として事業展開をしている。

森六(香港)有限公司
Rm. 1704, 17/F., Tower1, China Hong Kong City,
33 Canton Rd., TST
ウェブ:http://chemicals.moriroku.co.jp
電話:852-2865-0789
ファクス:852-2865-2049

Pocket
LINEで送る