公的年金を当てにしない覚悟と対策(Borderless Management & Investment)

2014/04/07

現役世代が納めている年金保険料がそのまま受給世代に支払われているという賦課方式の日本の公的年金。

賦課方式の年金制度には負担をする現役世代が減って、受給をする引退世代が増える「少子高齢化」という人口構造の変化が最悪のシナリオであることを前回の記事で述べた。

現在、高度経済成長やバブル経済の好景気を力強く支えた人口の多い世代が次々と年金受給年齢に差し掛かっており、年金の原資は急速に枯渇に向かっている。

政府は充分にこの状況を把握しており、2005年には人口構造の変化による年金加入者の減少や平均寿命の伸び、物価や賃金の変動など社会経済の変化を鑑みて年金支給額を調整する「マクロ経済スライド」を導入している。

ひらたく言えば、支給額を減らしてお金がある範囲内で分配することにしているのだ。これにより年金制度は細々と継続することが可能になり「加入者に年金を支払う」という最低限の約束は果たせるわけだ。

年金資金の減少を抑えるもう1つの方法として支給開始年齢を引き上げるというものがある。人間はずっと生き続けるわけではないから支給開始を遅らせれば、亡くなるまでに支払う金額を減らすことができる。

支給開始年齢の引き上げはすでに導入が決定しており、1961年4月1日以降に生まれた男性及び1966年4月1日以降に生まれた女性は65歳にならないと年金の受給がはじまらないことになっている。

これに伴い、希望すれば定年退職の年齢を65歳に引き上げる「改正高年齢者雇用安定法」が2012年に成立している。しかし、定年の上限引き上げが義務づけられれば若年層や非正規雇用の人員の雇用を圧迫する。賦課方式年金の原資を負担する若年層の窮乏化は年金制度の維持に良い影響があるはずがない。

少子高齢化による人口構造の変化が賦課方式の年金に与える影響を調べた内閣府経済社会研究所の試算では1955年生まれ(現在59歳)を境に生涯に受け取る年金の合計額が支払った年金保険料の総額より少なくなるとのことだ。

1950年生まれの人(現在64歳)は支払った保険料に対する年金の受取額は500万円以上のプラスだが、その差益は年齢が下るとともに減ってゆき、1956年生まれからマイナスに転じ、1985年生まれ(現在29歳)ではマイナス700万円以上にもなるという。

おそらくこの記事を読んでいるほとんどの人は公的年金の収支がマイナスになるということになる。若い世代であればあるほどこの年金制度をいっそのこと今すぐ廃止して欲しいというのがホンネではないだろうか?しかしすでに年金を受給している世代はそれには断固反対だろうから、おそらく若年世代の損失が大きくなることはわかっていながら制度は続いてゆくことになるだろう。

しかし嘆いていても何もはじまらない。現実を受け止めて、前向きな対策を立てることが大切だ。特に海外に住んでいる我々はこの点では国内に居住している人たちよりずっと有利な立場にある。それを正確に知り、活用してゆく方法を「中国・香港で働く人のための個人年金・生命保険勉強会」お話させていただきたいと思う。

玉利将彦

 

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Borderless Management & Investment Ltd

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