PPWビジネス通信 × アナシス Vol 12
人事労務のアナシスによる誌上相談会
「評価の甘辛調整はどうしたらいいですか?」
問い:マネジャーによって評価の甘辛があるのですが、どう調整したらいいですか?そして大半のマネジャーは厳しい評価をさけようとするのですが。
黒崎:ご質問の意図は「事後調整」だと思いますが、そもそも評価の基準はできているのでしょうか。その基準設定がないこと、あるいは不明瞭であることなどが甘辛を招くケースは非常に多いものです。そしてその設定に対してマネジャーそれぞれの解釈が違い、共通の軸を持っていないことが課題です。
評価は目標設定から始まっています。その目標設定、つまり評価基準をできる限り測定しやすい様にまず設計しておくことが要諦です。これを「事前調整」といいます。その他には部門間基準の調整・2次評価などの評価プロセス設定・評価者会議や評価者研修の設定などなどです。
もう一つのご質問にマネジャーの「寛大化傾向」がありました。それは、部下をよく知らない・嫌われたくない・管理職としての自信がない・知らない職務・ハロー効果に陥るなどの上司の能力や態度姿勢、そして厳しい求人環境で部下を失いたくない背景なども影響していると思います。
評価をさせる前に、これらを是正していくことが重要ですね。評価者としての選抜・育成も「事前調整」しておきたいところです。
さて、それでも生じた甘辛を事後調整するにはどうするのか。大きくは三つあります。(1)統計的・数学的アプローチによる修正(2)2次・3次評価者による調整(3)評価者会議による調整です。
(1)統計的アプローチによる修正では、部門ごとの平均点を全社平均に合わせる形で各評価点を調整する「部門平均点調整法」や、標準偏差を使って中心化傾向なども修正する「標準偏差調整法」、部門毎に正規分布で相対評価化させる方法など2次評価や評価会議前の数値的調整方法として採用されていることがあります。あくまでも数値による調整なので、評価者の軸そのものは修正されておりません。が、評価者たちも自分の傾向を認知できるようにはなるでしょう。
実際にはより上位役職の2次評価者や評価者会議などによる、部門にまたがった調整が行われるのが普通です。特に評価者会議でその評価の論理を確認するプロセスは、会社全体の軸あわせと管理職育成が一緒にできる良い機会となります。
評価は年に1回やるペーパーワークではありません。常に、どこでもやるものです。それが積み重なって、最後の評点にいたるだけです。上司と部下との間で、日常から話し合われていないから、評価に納得が生まれないのです。
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