さくらコンサルティング「タイムシート管理1」深セン・香港

2014/03/24

御社では、工員さんの作業時間は秒単位で厳格に管理している一方で、事務スタッフは結構自由にやらせている、なんてことありませんでしょうか?
事務スタッフが生産性を上げたところで会社や工場全体の生産性にはあまり関係ない、と思われるかもしれません。しかし、事務スタッフであっても、時間単位の生産性を計測することで客観的な指標ができ、会社全体の業務配分と勤務評価の関係に公平感が生まれます。人間関係に左右されず、データに基づいて意思決定を行えるので、管理業務が格段にやりやすくなります。このような事務スタッフに対する生産性管理の方法を、私は「タイムシート管理」と呼んでいます。
御社でも「タイムシート管理」を導入してみてはいかがでしょうか?

タイムシート管理導入前と後

 

斉藤孝史この連載では、出張の多い海外ビジネスマンでも可能なタイムシート管理のための具体的な方法を、ツールや分析方法を示しながら、分かりやすく解説していきたいと思います。使用するソフトはマイクロソフトのOutlook2010とExcel2010です(他のバージョンでも可)。この2つのソフトをクラウド(Outlook.com)と連携して、インターネットを通じて出張先でもタイムシート管理ができるようにしたいと思います。クラウドでデータを共有しますので、一度仕組みをつくっておけば、従業員に対して毎回タイムシートの提出を求める必要はありません。
では最初に、「クラウド×Excelタイムシート管理」の全体像を見てみたいと思います。従業員のPCで、あらかじめOutlookとOutlook.comを同期する設定をしておきます。その後で従業員はいつもと同じようにOutlookに予定を入力していきます。ただし、特別な予定だけでなく、勤務時間中に行った仕事を分単位で漏れなく記載させることが重要です。サービス業の会社で人件費の原価計算をしたい場合は、契約や原価計算単位ごとに番号(オーダー)をあらかじめ決めておいて、割り振ったオーダーを入力してもらうといいでしょう。
Outlookに入力された予定は、自動的にクラウド(Outlook.com)に同期されます。Outlook.comはマイクロソフトが無料で提供するクラウド上のWebアプリケーションで、2013年のバージョンアップによりカレンダーの共有が可能になっています。
管理者側では、あらかじめ従業員とカレンダーを共有したOutlook.comのデータを、自身のPC上にあるOutlookに同期します。すると従業員の予定表データが管理者のOutlookに表示されます。
管理者は毎月月初に前月の予定表データをOutlookからExcelにエクスポートし、分析を行います。分析の例としては、従業員間の同一業務所要時間比較、売上に対する所要時間比較、売上に対する人件費比較、などが考えられます。または単純に、仕事の優先順位が指示通りになっているかを確認したり、空き時間を見て業務を割り当てたりする、といった使い方をしてもいいと思います。
ちなみにOutlook.comと同じような機能をもったWebアプリケーションに「Googleカレンダー」があります。私が昔から愛用しているのはこちらですが、残念ながら中国本土では安定して使用することができません。ですので、今回の連載では中国本土でも安定して使える
Outlook.comを前提に進めていくことにしたいと思います。

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