HSBCのデータから見る駐在員達の見た世界

2018/03/27

HSBCは2017年も海外駐在者に対して経済、経験、家族といったテーマに基づき、46カ国を対象にした駐在員自身による評価調査を行った。順位は3つのテーマの平均値によって決定されている。

HK 20th

【経済】
職場の安全、ワークライフバランス、キャリアの進歩、政治、起業家精神、経済的自信、貯蓄、賃金の伸び、可処分所得等についての質問に対する対象者の意見をまとめたスコアを使い、各国または地域をランク付けしている。1位はスイスで、総合スコアは0.69、2位はノルウェーの0.66。ドイツ、シンガポールがそれに続く。

香港は0.52で18位、中国は0.51で19位で、個人財政および地域経済ランキングでは香港は中国を平均して0.2ほど上回り、ワークライフバランスのスコアは同じだった。日本は総合スコア0.44で31位だった。

【経験】
各国または地域を、採用された国での経験に関する9つの重要な質問に関する概要をスコアによってランク付けした。質問には、生活様式(ライフクオリティ)や地元の人々に溶け込みやすいか、住居を見つけやすいかといったものも含まれる。

トップ3はニュージーランド、スペインとポルトガルで、そぞれスコアは0.61以上だった。香港は総合スコア0.51で21位にランクイン。香港人のオープンさと友達の作りやすさから、地元の人への溶け込みやすさは0.60と高かった。ライフスタイルと住居の見つけやすさは0.46をマーク。

治安の良さ、豊かな文化と健全な社会が特徴の日本は、総合スコア0.49で26位だった。香港と比べると日本は人々の性質で0.62、ライフスタイルで0.56と高いスコアを示した一方、住居の見つけやすさは0.28と、日本の賃貸事情の難しさが現れた。中国は0.37で46位だった。

【家族】
各国または地域での関係性(社会活動は活発かどうかなど)、教育の質やコストはどうか、子育てのしやすさについてなど、その国に住む家族の面についての重要な質問により評価し、スコアに示した。

トップはオランダで、総合スコア0.53。スウェーデン、シンガポールが総合スコア0.52でそれに続いた。

日本は0.39で29位。子供の教育、ケアについては0.41~0.46と高評価だった。香港は0.38で33位。関係性においては高いスコアを示したが、教育と子供のケアは0.29にとどまった。中国は0.33で総合ランク44位だった。

【総合ランキング】
今回の3つのテーマにおいては、シンガポールが駐在員による総合評価トップにランクインした。2位のノルウェーは経済性と家族に関しての評価が高く、2016年以来トップ4をキープしている。ニュージーランドは3位に入ったが、経験の評価においては一歩劣る。

香港は総合で20位。プロフェッショナルとしての経験を得る堅牢な経済性、余暇の充実度が評価された。

フルタイムの勤務者が全世界で61%、東アジア地域では64%なのに対し、香港では78%が働いている。それが功を奏して香港のキャリア進歩率は7割近く、過去3年間でみても高い水準を維持している。また外国人の実に53%は、香港がビジネスを開始するのに最適な場所であると感じており、これは、世界で7番目に優れた環境である。

香港に住む外国人の65%が地域経済について自信を持っており、これは、世界経済の不確実性にも関わらず、3年連続で上昇している。そして58%が自国にいるより多くの可処分所得を手にしていると答え、36%がワーク・ライフ・バランスに満足と回答。約48%が自国よりも積極的な社会生活をしていると答え、これは世界ランキングで4位だった。

overall (jp) v2

中国は総合41位。就業率は70%と高く、キャリア進歩ランキングで世界2位となった。実に働く外国人の半数が、新たなスキルを身に付けられると回答している。収入に関しては世界平均やアジア平均より高い水準の給与を手にしていることが分かった。

HSBC Expat Explorer
ウェブ:www.expatexplorer.hsbc.com/survey

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