中国法律コラム27「企業年金弁法の紹介」広東盛唐法律事務所

2018/03/20

《企業年金弁法》が2018年2月1日に施行されました。この法令は中国で業務展開している日系企業に一定の影響を与えると考えましたので、一問一答形式で解説させていただきます。

Q1:企業年金の意義とは?
企業年金とは、基本養老保険への加入を基礎として、その上積みとして企業及び従業員が自主的に設立する補助的な養老保険制度です。基本養老保険に加入している使用者及びその従業員は、みな企業年金制度を確立することができます。ただし、企業年金制度は、法律により強制された制度ではなく、あくまで任意の制度です。

Q2:企業年金はどのように管理されるのか?
企業年金に加入する全ての従業員には企業年金個人口座が開設されます。企業年金個人口座の中には、企業納付口座と個人納付口座とが設置され、企業が納付した金額及びその投資収益と個人が納付した金額及びその投資収益とが別々に反映されます。企業年金基金は、国家の関連規定に則り投資運営がなされ、それによる収益は企業年金基金に組み込まれることになります。

Q3:企業年金設立の要件及び手続きとは?
企業及び従業員は、集団協議により企業年金の設立を確定し、企業年金方案を制定します。企業年金方案は従業員大会又は従業員代表大会での討論を経て、所在地の県級以上の人力資源社会保障行政部門に届出をすることになります。

企業年金方案が届け出られた後、企業及び従業員は、企業年金受託人を選定します。受託人は企業年金管理資格を有する口座管理人、投資管理人を委任して、企業年金基金の口座管理及び投資運営を実施します。

Q4:企業年金方案にはどのような内容を含まなければならないか? 変更や終了は可能か?
企業年金方案には、参加者、資金調達、分配比率・方法、口座管理、権利利益の帰属、基金管理、支給方法、方案の変更・終了、組織管理及び監督方法などを約定しなければならないとされています。

企業及び従業員は、国家の政策に照らして、協議合意のうえで、企業年金方案を修正することができます。企業に解散、抹消、破産又はその他の不可抗力が生じて、年金方案を履行できなくなった場合、並びに企業年金方案に定めるその他の終了条件が成就した場合は、企業年金方案を終了することができます。

Q5:企業年金の納付率は?
企業年金は企業と従業員が共同で納付します。企業の納付金額は従業員の賃金総額の8%を超えないもの、企業及び従業員の納付総額の合計は従業員の賃金総額の12%を超えないものとされています。具体的な納付率は、企業と従業員との協議により自由に確定することができます。

Q6:企業年金は全従業員一律にしなければならないか?
企業は職位、責任及び貢献率などに応じて、企業年金の納付率を調整することによって、優秀な従業員のインセンティブとすることができます。つまり、全従業員の納付比率を一定にする必要はありません。但し、公平性の観点から、一人の従業員のために納付する企業年金は、全社員の平均の5倍を超えることはできないとされています。

Q7:企業は企業年金の納付を中止することができるか?
企業は赤字、再生、買収などの状況が生じた場合、従業員と協議の上、納付を中止することができます。

Q8:企業負担分の権利帰属はどうなるか?
企業年金個人口座のうち企業負担部分及びその投資収益について、最初から従業員個人に帰属するとすることも、勤続年数に応じて段階的に個人に帰属するとすることもできます。段階的に従業員個人に帰属するとする場合は、その期間は最長でも8年を超えることはできません。

Q9:企業年金の個人口座は移転できるか?
従業員が転職した場合、転職先の使用者が企業年金を設立しているときは、以前の企業年金の個人口座における権利・利益は転職先の企業年金に移転することができます。転職先の企業に企業年金制度がない場合、企業年金個人口座は一時的に原管理機構又は他の資格を有する機構に管理されることになります。

Q10:従業員はいつ企業年金の受給を受けられるか?
従業員は、国家の定める定年退職年齢に達したとき、労働能力を完全に喪失したとき、又は外国に移住したときに、企業年金の受給を受けることができます。

盛唐法律事務所

 

 

 

 

 

広東盛唐法律事務所
SHENG TANG LAW FIRM
法律顧問
大嶽 徳洋 Roy Odake
行政書士試験合格
東京商工会議所認定
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