中国法律コラム26「外国籍華人に対するビザの緩和政策について」広東盛唐法律事務所

2018/02/20

今回のコラムでは、今月2月1日より、外国籍華人の中国滞在ビザ政策が緩和されましたので、それについて皆様と情報共有をさせていただきます。今月から、一代目の外国籍華人(もともと中国国籍であり、現在外国籍となっている華人)は5年のマルチビザを取得できることとなりました。

もしお知り合いに、元中国人で日本に帰化された華人の方などがいらっしゃいましたら、ぜひ、この情報を共有いただければとおもいます。

一、法的根拠
中華人民共和国公安部は、2018年1月22日に次の内容の公告を発しました。

 中華人民共和国公安部公告(2018年2月1日施行)

 第六条(外国籍華人にビザ、居住の便利を提供する)

中国に入境し、親族訪問、ビジネス上の打ち合わせ、科学教育・文化・衛生交流活動及び私的事務を行う外国籍の華人に対して、公安出入境管理機構は規定に従い有効期間5年以内のマルチビザを発給することができる。現地で、仕事、学習、親族訪問及び私的な事務のために長期の滞在をしなければならない外国籍の華人に対しても有効期間5年以内のマルチビザを発給することができる。

二、出入境管理局でのヒアリング
前述の公告における外国籍華人に対するビザの緩和政策が実際に実施されたかどうかについて、早速、深圳市の出入境管理局に赴きヒアリングをしました。窓口の担当者によりますと、外国籍華人の5年マルチビザについて、具体的な実施細則はまだ通達されていないものの、次の要件を満たせば、窓口で申請できるということです。

☆要件(第一代外国籍華人であること)
申請人本人は、かつて中国国籍を有しており、後に外国籍となった華人に限られるということです。つまり、両親が中国国籍であった二代目の華人(中国国籍を取得したことがない華人)は対象ではないということです。

☆申請書類
前述の要件を満たす場合は申請が可能であるが、その際の必要書類は主に次のとおりということでした。
1.出生地(かつての戸籍所在地)の派出所が発行した戸籍抹消の記録、出生証明などかつて中国国籍を有していたことを証明できる書類
2.その他の各ビザ発給に必要となる書類(例:就労ビザの場合)

ア 外国人ビザ申請表
イ 証明写真及び証明写真の控え(回执)
ウ 使用者が発行する保証書(担保函)
エ パスポート
オ 直近の入境に用いたビザ
カ 入境時の税関押印ページの写し など
前述の要件及び申請必要書類は、深圳市の出入境管理局の窓口の人員の口頭の説明によるものです。今後、政策の変化により随時変更される恐れがあります
ので、手続にあたっては、事前に現地公安局の出入境管理局に問い合わせをされるように助言致します。

今回のコラムは以上です。なにかご質問などございましたら、小生のメールにご連絡いただければ幸甚です。どうぞよろしくお願いします。

盛唐法律事務所

広東盛唐法律事務所
SHENG TANG LAW FIRM
法律顧問
大嶽 徳洋 Roy Odake
行政書士試験合格
東京商工会議所認定
ビジネス法務エキスパート
Tel: (86)755-8328-3652
E-mail: odake@yamatolaw.com

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