香港のコンプライアンス・プロフェッショナル雇用維持

2018/02/12

香港の雇用主は経営以外にも自分の仕事範囲を広げなくてはならないかもしれない。高いスキルを持つアンチマネーロンダリングとコンプライアンスの専門家は、中国のより良い給与や特典の誘惑に抗うことが出来ないかもしれないからだ。

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イギリスのリクルートエージェンシー、Haysによれば、上海と香港の中間から上級管理職の賃金格差は縮小しており、既に資金力のある一部中国企業は、香港の雇用主よりはるかに高い給与で人材を確保して、重要なポジションを能力ある人材で埋めているという。

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「一般的には上海と香港の同様の職種における賃金格差は縮小していますが、まだ同等とは言えません。しかし、香港での生活費は依然として高額です。」とHaysのマネージングディレクター、SimonLance氏は語る。アジアの3,000人の雇用主に対してHaysが行った調査によれば、中国本土に拠点を置く銀行のコンプライアンス担当ディレクターの平均給与は120万元(18万7500米ドル)で、香港の101万香港ドル(129,156米ドル)よりも45%多かった。そしてHaysのビジネスダイレクター、スーウェイ氏曰く、本土の雇用主達は、新たに創設されたビジネスにおいて主導的役割を果たすプロフェッショナルの外国人達をヘッドハンティングするために、専門家が不足する市場において平均報酬水準にプラスαをオファーする傾向があるという。

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Haysによると、香港の多国籍企業に雇用された最高財務責任者(CFO)は、年間300万香港ドルまでの報酬を得ることができる一方、中国本土の外国企業のCFOの給与は年間300万元が上限だという。「有能な従業員の採用と維持は、あらゆるビジネスの成功の伴です。中国本土の雇用主は、給与の増額こそが最善の人材を維持する一つの方法だと認識しています。」

2017年の調査結果によると、中国の雇用主の45%が従業員に対して6%以上の賃上げを行い、そのうちの7%が給与を10%以上引き上げ、香港では調査対象者の20%が6%以上の賃金の増額を行ったという。

本土のファイナンステクノロジー・セクターの活況とビジネスにおけるデジタル化の急速な進化により、限られた地域と人材範囲において、資格のある専門家、特にシニアレベルの需要が高まっている。人材を求める本土企業は、経験豊富な外国人と、海外で経験を積んだ中国人達に目を向けている。一方、中間レベルとジュニアレベルの労働者、駐在員は本土で仕事を得ることは難しくなっているという。

本土での外国人従業員の割合は香港より4ポイント低い10%。シンガポールでは、この数字は19%だった。Haysの調査によれば、本土の雇用主の51%が2018年に最低6%を上乗せする見込みがあり、それに対し香港企業の22%も上乗せ予定であるとしている。

グローバル人材派遣コンサルティングのモーガン・マッキンリーによれば、2018年の中国の雇用市場は大きな成長が見込まれるという。「中国経済は好調に推移しており、求職者にとって新しい雇用を得るための理想的なタイミングとなるでしょう。」と、同社のアジア太平洋担当チーフ・オペレーション・オフィサーであるリッチー・ホリデイ氏は語った。

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