教えて!総経理!Reeracoen」上小牧氏

2018/01/15

香港・中国華南地区で働く中で、少なからず頭を悩ませる人材の問題。サービス業界では人手不足が叫ばれるほか、優秀な人材の発掘、確保、さらには育成など多岐に渡る。その半面、日本国内では30、40代の即戦力人材への注目が集まり、好待遇のオファーもあってか、海外から日本に向けての求人発信力は益々弱まるばかりだ。

そんな中、欧米に比べ比較的ビザが取得しやすいアジアで、逞しく成長しようと海外にチャレンジしてくる20代も少なからずいるのも確かで、今回は、グローバル化が叫ばれる昨今、香港・華南地区を含めたアジアでの転職の実状および注目される人材とは?に焦点を当て、海外10カ国22拠点、アジアで躍進するリクルートメント企業「Reeracoen」の上小牧(かみこまき)拓馬総経理に話を伺った。

For interview_use big総経理 上小牧 拓馬
2012年、日本のネオキャリアに中途入社。その後、タイでの営業を経て、フィリピン、インドネシアの現地法人立ち上げを経験。2017年2月に立ち上げ間もない香港に赴任し、現役職。兵庫県神戸市出身。28歳

Q:香港・華南地区の日本人の転職市場の動向はいかがでしょうか?
A:年々厳しくなっていると感じます。日系企業でも徐々にローカライズが進み、日本人へのニーズが希薄になっている印象です。

Q:理由としてはどういったことが挙げられますか?
A:やはり雇用主からするとビザサポートが負担になっているかと思います。私が経験してきた東南アジアに比べ、香港とシンガポールは取得条件が厳しく、企業側もそこを見極めざる負えない背景があります。タイ、フィリピン、インドネシアでは自動車や電子部品関連が主要産業であり、専門的な知識の必要なエンジニアや工場を束ねる管理能力のある人材が組織形成のポイントとなっており、各国のビジネスが成熟しきっていない点もそれに拍車をかけ、日本人への依存が強いです。ただ、いずれ労働力の成熟に伴い、香港やシンガポールと同じような状況が予測されます。

Q:日本国内での転職市場は活性化していると伺いますが、どうでしょうか?
A:確かに日本の転職マーケットは好景気だと感じます。働き方が多様化しているのも一因ではないかと。ひと昔前の自己犠牲を伴った結果主義の働き方から、より生産性を意識しながら成果を上げていくような傾向が日本含め世界的にも増えています。起業家の増加やベンチャー企業を引っ張るリーダーが、採用から人材定着、教育に至るまで生産性の向上に努めている結果、被雇用者を取り巻く働き方も変わってきているのではないでしょうか。弊社でも21時には消灯、業務の持ち帰り、休日出勤を禁止するなど、私が率先して実践しています。

Q:今後どういった人材が海外で求められますか?
A:冒頭で日系企業もビザサポートの背景から採用についてはシビアな目を向けていると説明しましたが、だからこそ1拠点に固執しないフットワークの軽い人材や、現地法人での管理職や総経理を務められる可能性を秘めた人材には前向きだと考えます。そういったポテンシャルを持った人材に対しては、中途採用として駐在員待遇に切り替えたりといったケースも珍しくありません。また、初めからビザサポート不要なパーマネントホルダーの即戦力人材への需要も高いです。
Q:貴社へ寄せられる取引先企業からの需要を教えてください。
A:日本人紹介依頼の案件でいうと7、8割は営業職で、そのほか2割がカスタマーサービスなどの事務職です。その中でも、人や物に対して非常に細かな点まで対応が求められる食品や電子部品関連の業種が多いです。いかに人間味あふれる対応で顧客と寄り添えるか。といった観点からでしょうか。

Q:貴社が人材を紹介する上で心掛けている点を教えてください。
A:ベタではありますが、FacetoFaceでしょうか。お取引先企業に対しては訪問をさせていただき、ヒアリングの中から細かなニーズをも汲み取る。求職者に対しては、例えSkypeを用いた面接であっても表情の読み取れるビデオ通話にするなど、些細な点です。キャリア(経歴)はいくらでもシステムでマッチングできますが、そういった部分はあえてアナログとのバランスも大切にしています。

Q:総括も踏まえて読者の為になるようなアドバイスをお願いします。
A:傾向的な話をすると、採用側の企業は求職者との最初の面談で、リスクヘッジを意識しすぎるあまり、極端に情報を公開しないケースが見受けられます。求職者側の立場で見ると、一人ひとりが自身のキャリアにはとても敏感ですし、不安を抱えています。実際に求職者から弊社に寄せられる相談も上記の事項が多く、いかに情報を開示し、当事者目線でのキャリアのロードマップを共に描けるか(魅せられるか)ということが当たり前のようで肝心なポイントです。

REERACOEN

 

 

 


REERACOEN (HK) CO., LTD.

母体は2000年に日本で発足したネオキャリア。REERACOENは同社の海外ブランドとして2011年に誕生し、初の海外拠点をシンガポールに設立。その後にタイ、インドネシア、フィリピンとアジアを中心に業務を拡大し、現在までに10ヵ国22拠点を有する。求人案件数はアジア最大級を誇り、2017年に香港にて業務を開始した。

住所:Rm. 608, 6/F., Tower 2, Silvercord, 30 Canton Rd., TST
電話:(852)2513-5707
メール:t-kamikomaki@reeracoen.hk
ウェブ:www.reeracoen.com.hk

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