中国法律コラム24「新法令の紹介」広東盛唐法律事務所

2017/12/19

昨今、多くの新法令が公布・施行されております。今回のニュースレターでは、製造業に関係が深いと思われる新法令を紹介させていただきます。

一、「広東省企業及び企業経営者権益保護条例(改正)」2017年12月1日施行
企業及び企業経営者の権利・利益を保護するため、企業経営環境を改善するために、広東省人民代表大会常務委員会が本条例を制定しました。

1.本条例では、いかなる会社及び個人であっても、企業の正常生産経営活動を妨害する行為又は企業及び企業経営者の適法な権利・利益を侵害する行為をしてはならないことが強調されています。その具体例としては次のものがあります。

(1)法令の定めなく又は所轄機関の許可を得ることなく、企業に審査、考査、評定、評価、鑑定、ランク付けなどの活動をすること。
(2)企業に対して刊行物の定期購読、指定商品の購買、工事の請負い、有価証券・商業保険の付保などを強要すること。
(3)企業に賛助又は寄付を強要すること。
(4)企業の従業員採用活動を妨害すること。
(5)企業の出入り口通路を封鎖し、人員物資などの出入りを妨害すること。

2.行政機関が、企業及び企業経営者の適法な権利・利益を妨害する行為をしてはならないことが強調されました。具体的には次のものがあります。

(1)違法な罰金を徴すること、又は罰金を徴するときに省財政部門統一書式の領収書を発行しないこと。
(2)違法に操業停止を命じること、又は法定な事由なく企業の生産経営活動を制限すること。
(3)違法に営業許可証や証書を差し押さえること、抹消すること。
(4)企業が行政の監督検査を受けるとき、企業に財物を要求したり、受領するなどして、違法な利益を得ること。

本条例は政府部門の行政管理職能を規範化し、行政権執行の濫用を防止するものです。本条例の施行によって、今後、外商投資企業の中国での経営環境がある程度改善されるものと思います。

二、「増値税消費税関連事項の手続きの更なる適正化に関する国家税務総局の公告」2017年10月13日施行

本公告の主な内容は次のとおりです。
1.2018年1月1日より、期限切れの増値税証憑による相殺控除は、国税局がその承認を担当するものとする。
2.2017年11月1日より、納税人が増値税と消費税の一括納税を申請する場合、一括納税申請資料において説明をするだけでよく、増値税、消費税を別々に申告する必要はない。
3.「期限切れ増値税証憑による相殺控除問題に関する国家税務総局の公告」(国家税務総局公告2011年第50号)が改正された。
本公告は、期限切れの増値税証憑による相殺控除手続き及び増値税と消費税との一括納税の手続を明確かつ詳細化するものであり、納税手続きの簡便化に資するものです。

三、「深セン経済特区消防条例修正案」(2017年10月17日公布・施工)
2017年10月17日、深セン市第六届人民代表大会常務委員会第二十会審議により、「深セン経済特区消防条例改正案」が可決されました。今回の改正は、消防検収申請時に提出すべき書類の簡素化に関するものです。

従前の規定によりますと、大型の人員密集場所の建築工事及びその他特殊な建築工事において、建設会社が消防設計審査を申告するとき、公安機関の消防機構に建築工事計画許可証又はその他の証明文書を提供しなければならず、建設工事竣工後、公安機関消防機構に“消防施設検査合格証明文書”を提出し、消防検収を受けなければならないとされていました。

改正後の本条例により、建設工事計画許可証が消防設計審査時の必要書類から除外され、また消防施設検査合格証明文書も消防検収申請時の必要書類から除
外されました。

本改正案により、消防検収時に提出すべき資料が簡素化され、消防検収の申請が比較的容易なものとなりました。

盛唐法律事務所

広東盛唐法律事務所
SHENG TANG LAW FIRM
法律顧問
大嶽 徳洋 Roy Odake
行政書士試験合格
東京商工会議所認定
ビジネス法務エキスパート
Tel: (86)755-8328-3652
E-mail: odake@yamatolaw.com

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