PPWビジネス通信 × アナシス Vol 1

2017/12/11

黒崎幸良氏と牧野祥子氏に伺った

 

PPW:現地管理者に自分の頭で考えるようになってもらうには、どんな研修をしてけばいいでしょうか?

48798自分の考えを語らせるツールとして、GoogleやIKEAなどがトレーニングや人材開発のツールとして導入している「Points of You®」もアナシスでご紹介しています。

数回に渡って、誌上でご質問にお答えしていきます。第1回目は、現地化を進めたい企業様からよくいただくご質問です。そこには「研修」とありますが、外部の研修だけでは、中々自分で考えるようにはならない事はお分かりだと思います。日常の現場の中が常に考える場となっているかどうかという、環境が課題となります。その環境が人を考えさせていくのです。

そもそも他人の頭で考える事なんて出来ないのに、あえて「自分の頭で」という理由はなんでしょうか。「他人の頭で考えた知識」を得る事が考えることだと勘違いしている人がいます。知識を思考だと間違った認識をしている人は、答えを探してきます。知識は思考ではありません。逆に知識がバイアスになって思考を間違えさせたり、思考の代用となって思考力を低下させることさえあります。

思考とは、インプットである情報をアウトプットである結論に変える事。すなわち何かを決めることが含まれています。この定義にしたがうなら、管理職には問題が起こったときの対応のジャッジをさせる、目標設定そのものを任せてみる、意思決定をさせるなどなどの、何かを決めさせるプロセスを体験させていく事が、「自分の頭で考える」環境となるでしょう。日々が思考訓練です。

もしそれを疑似体験させることを「研修」とするならば、思考訓練的なもののプログラムはできるでしょう。しかし日常の中で、現場で使える判断をさせていかないと能力としては身につきません。

そしてこの課題を考えるときは、そもそも論に戻って思考する三つのことが重要だと思います。そもそもご質問いただいた上司の方も、自分で考えているのでしょうか。我々はその上司の部下育成能力開発から提案します。自分たちで「自分で考える部下を育成」するテーマを考え抜く。その上司の日常の部下への関わり方で、部下の考える力が変わるわけですから。部下本人の「研修」よりも重要性は高くなるのです。分からないことはすぐ外に聞き、1から10まで指示命令だしている上司のもとで、考える人材は生まれません。

そして次の「そもそも」には、稚拙な答えに上司は耐えられるのかと言う課題があります。自分の頭で考えさせればさせるほど、稚拙だったり間違ったりした答えがでてきますが、果たしてそのレベルを許せるのでしょうか?そして考えさせることを諦めていく人も多いのです。今結果を出さねばならない上司に待てるのでしょうか?

最後の「そもそも」は、「自分で考える人材」が育った時に、自分や会社にその人をつなぎ止める力はあるのでしょうかというものです。結構なパワーが必要です。

それでもなお「自分の頭で考える管理職」が必要な理由があるのだと思います。それを明確にしていく過程を経て、上司自らが変わり、部下を取り巻く日常を変え、部下へ具体的な要望をしつづけて、部下の要望にも応えていくことになるでしょう。

黒崎幸良

 

 

 
アナシスグループCEO 黒崎幸良氏

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董事総経理 牧野祥子氏

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