香港の工業用建築事情

2017/07/24

CBREの報告書によると、香港の工業用建物は、小売、娯楽、技術分野のテナントの間で人気が高まっているが、近代的設備が不足していることがネックになっているという。

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政府のPlanning Department(規劃署)によると、香港の工業用空間の少なくとも3分の1(8,700万平方フィートに相当)がアートやパフォーマンス、教育、飲食、一般小売、レクリエーション、スポーツなどの非工業用の使用に当てられているという。製造業のGDPへの貢献度が、1970年代の平均27%から現在の1.5%に低下したため、1976年から2016の間にオフィルビル面積は6.3倍に増えた一方、工業用スペースの増加はわずか1.8倍にとどまった。

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空室率の低さと商業用不動産の賃料が高いことは、より安価な選択肢の探索に寄与している。

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「今日では、食料・飲料、芸術、文化、スポーツ、ハイテク産業の経営者は同じ建物内で商売を行うことが可能であり、それは小売やエンターテイメント、テクノロジー部門の成長を促進します。例えばスポーツやアートを目 的 に 訪 れる人々が、同じ建物内の食料品や店舗の需要を押し上げ、小売業の間で相乗効果が生まれるのです。」と、CBREのアドバイザリーであるジョー・リンは語る。

しかしCBREによると、香港の工業用建物の83%は1990年以前に建築されたものなので、インフラストラクチャーと安全機能の構造が古く、設計的に時代遅れなのだという。そのため現代的な仕様を配した建物が、安全かつ合法に商業を実行可能な環境となってくる。報告書によれば、640sqの新しい工業用スペースのうち、わずか280万sqしか現代の産業には適していないという。物件を探す事業者には、黄竹坑(ウォンチョクハン)、九龍東(カウルーンイースト)、長沙湾(チョウサワン)、荃湾(チェンワン)などのエリアがお勧めだそうだ。

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