A-1 BAKERYが日本ケーキ業界の大手のシャトレーゼと

2017/07/04

香港で30年以上の実績があるA-1 Bakery Groupがこの度、日本ケーキ業界の大手であるシャトレーゼ社と提携し、ダブルネームブランドとして、香港で出店を果たした。その裏側をA-1 Bakery Group楊井元伸（やないもとのぶ）社長に伺った。

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株式会社シャトレーゼホールディングス代表取締役社長
齋藤寛氏（左）と楊井元伸氏（右）

PPW：昨年香港創業30周年を迎え、今年新たな挑戦として、シャトレーゼ社とのダブルブランド店の出店に踏み切った経緯を教えてください。

楊井氏：経済成長減速の煽りを受ける中、香港市場で30年以上リテールベーカリー店舗を展開する弊社は、“商品価値”強化に着手する事が次のステップに進む為の課題でした。そんな中、良きご縁があり、ケーキリテールの最大手シャトレーゼ社の齊藤社長と出会う機会に恵まれました。その際に、シャトレーゼ社の原材料の並々ならぬこだわり、最新鋭の技術による品質の安定、向上に感銘を受け、香港市場での成功を確信し、弊社の得意分野であるパンの製造は弊社が、ケーキ、アイスクリーム、洋・和菓子はシャトレーゼ社が行う、両社にとって初となる“ダブルブランド”店舗の展開をお互いに決断いたしました。

PPW：我々素人からすると、両社は競合でバッティングするような気がしますが、同業者がこのように手を取り合う事があるのですね。

楊井氏：はい。弊社も確かにケーキやアイスクリームを製造し、販売をして参りました。これからもその品質の向上は目指してまいります。以前の香港においては、目新しければ高くても売れていたものが、ここ数年はお客様の食の国際化が進みよりバリュー価値がある物でないと売れない時代に入ってきました。そのような中、冒頭で申し上げたシャトレーゼ社の海外展開戦略が弊社の方向性と一致したのです。弊社は、弊社の強みである焼き立てパンを毎日提供するフレッシュベイクを行い、シャトレーゼ社は【All Made in Japan】の海外展開戦略から日本製造、香港へ直輸入、販売をおこなう。両方の強みを活かす戦略が正にダブルブランド店のコンセプトとなります。

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生クリームのフレッシュなミルク風味と、カスタード生クリームのバニラの香りが引き立つ、
シンプルで飽きの来ない、やさしい味わいのダブルシュークリーム。

PPW：【All Made in Japan】とは文字通り日本で製造だと思いますが、香港への輸送費や、品質維持が課題になりそうですね。

楊井氏：皆さまはそう思われるのですが、シャトレーゼ社は日本各地で販売する商品のほとんどを山梨の工場で一括生産しており、上質な原材料でありながら、徹底的なコストダウンを図っております。牛乳は北海道産で昨日絞られた物を、卵は工場周辺の養鶏場と年間契約をし大量に新鮮な物を仕入れて使用しいるのです。驚くべきは超最先端の技術による完璧な輸送管理システムにより、日本全国はもちろん、香港まで直輸入で送られてくる商品が日本で販売されている物と全く同じ品質だという事です。これはかなりの競争力になります。香港の競合他店で売られているシュークリームは約HKD19ですが、それよりも大きいサイズのシュークリームを香港まで優れた輸送管理システムで運んで販売すると、HKD12で販売が可能なのです。これがまた大変美味しい！是非皆さまにも一度お試し頂きたいと考えております。また、敢えて補足いたしますが、香港の日本料理店やお寿司屋さんで食べるお刺身は、九州で朝水揚げされた魚が空輸でその日の夕方には香港に到着すると言われております。日本の地方のお寿司屋さんよりも香港の寿司ネタの方が新鮮なんじゃないかとも言われています。それくらい物流も進んでいる現代では、香港・日本間はかなり近い距離だと言えますね。

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香料や膨張材といった添加物を一切使用していないにもかかわらず、
しっとりと口溶けのよい食感に仕上げてあるドイツの伝統的な製法に基づいて作ったバウムクーヘン。

PPW：店舗について教えてください。

楊井氏：商品数は従来の200強から330まで増加し、店舗面積に限りがある中、両社実績のある厳選された商品ラインナップを展開するつもりです。弊社は香港の固定費が高騰している中、IT投資などを進めて店舗には工場へのIT発注システムを導入しており、効率化を目指し、その固定費を吸収する努力を行っています。シャトレーゼ社もそのシステムを使用することにより、より“商品価値”の高い商品を販売することが可能になります。店舗の立地ですが、2017年6月14日にElement、Times Square、City Walkという有名ショッピングモールにて３店舗を同時オープンさせまして、今日現在までで、10店舗以上のダブルブランドを今年中にオープンすることが決定されております。このダブルブランドの素晴らしさをご理解いただいたディベロッパー様から多くの出店オファーを頂いている事に非常に嬉しく思います。また、ダブルブランド店は、経済発展が著しいフィリピンでの展開も計画しており、既に複数の現地フランチャイジー候補と交渉を始めております。

PPW：最後に読者に一言おねがいいたします。

楊井氏：お客様にとって、“商品価値の高い商品を便利で楽しくお手頃な価格でご購入頂ける店づくり”を目指し、お客様の要望にあった新商品の投入、店舗展開を継続していく所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

PPW：ありがとうございました。

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A-1 BAKERY CO., (HK) LTD.
Managing Director
楊井元伸（やないもとのぶ）氏
大阪府出身。大学卒業後にHawaii Pacific Universityのビジネススクールで3年就学。1978年同社に入社し、1985年よりA-1 Bakery香港の立ち上げに尽力し現在に至る。
A-1 BAKERY
ウェブ：http://www.a-1bakery.com.hk

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