ビジネスにおけるソリューション・ナレッジや解決法 兆星電脳有限公司(広東省佛山市)

2017/05/16

【IoT化は既に始まっています】

兆星 592

中国華南地区にて長年 IT サービスの仕事に携わっている著者です。最近、各種メディアで「IoT」という単語が一般的に出てきます。これは「モノのインターネット」、英語で「Internet of Things」の略です。身の回りで日常的に使うあらゆるモノが何等かの電子デバイスとして機能し、取得されたデータはインターネットを介して様々な機器と相互に繋がり、各種情報端末からの管理を可能にします。これぞ本格的な情報化社会到来ですね。10 年前まではケータイと呼ばれていた携帯電話端末も現在ではスマートフォンに様変わりしました。つまり IoT とは、スマート○○○と呼ばれるモノの普及および相互接続という解釈で大方間違っていないと思います。スマートウォッチ、スマート家電は一例に過ぎません。
実際に IoT で何ができるようになるのでしょうか。簡単 な 例 を 挙 げると、外 出 先 から自 宅 の エアコンをOn/Off 操作するだけでなく、家でお留守番のペットの状態を知ることもできるようになりますし、冷蔵庫にあとどれくらい卵や牛乳が残っているかを買い物先から調べるなど、遠隔地のありとあらゆるモノの状態検知や操作が可能になります。但し、それだけではありません。IoT で単に生活が便利になるとかそういった次元の話ではないのです。身の回りのモノだけでなく、実際に身に着けているモノまでもネットに接続されるようになり、自分自身の行動や習慣までもデータとして保存され、いつでもトラッキングされるリスクもあるということを忘れてはいけません。

ビジネスでの応用も無限大の可能性を秘めています。IoT 導入と一言でいっても、単にモノとインターネットが繋がることでモノから情報を得るだけでなく、それを元にどのようにフィードバックするか、つまり「どういった社会的問題を解決できるのか、誰のニーズをどのように満たすのか」が重要になります。IoT 社会のまだ入り口に立ったばかりという現在では、実際に IoTを駆使している会社も全体的には多くありません。生産現場での IoT 導入により生産効率が格段に上がるといわれていますし、サービス業でも関連するあらゆるモノを介しカスタマーのちょっとした動きまで事細かくデータ取り&フィードバックを得られるようになります。同時に AI(人工知能)も駆使されるようになり、あらゆるデータの分析までも人を介することなく回答を得られる世の中へと変わりつつあります。言うまでもありませんが、ビジネスへの応用に重視されるのは利便性やコスト削減です。従来では人的および経済的コストが多大に発生していた作業を IoT 導入により自動化や省力化を実現できる可能性もあり、今後多くの企業でも IoT への取り組みが進むと思われます。究極のIT 化ともいえるでしょう。

このように、IoT 化が進むにつれて企業の IT 管理も様変わりすることが予想されますが、何より人々の仕事や生活が根底から変わるのが楽しみでもあり恐怖でもあるこの頃です。20 世紀後半から今世紀初めにイメージされた SF の世界が今まさに実現しようとしています。

赤座 卓也(あかざ たくや)

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