【映画「 I.T.」 を観て思うこと】兆星電脳有限公司(広東省佛山市)

2016/12/13

I.T.IT サービスの仕事で中国華南地区を忙しく走り回っている著者です。この記事が出るのは12 月中旬です。時間が経つのも早く、もう年末ですね。皆さまの一年はいかがでしたか。今回はソリューションとしてお伝えするネタは特にありません。替わりに最近観た映画について紹介します。題名は「I.T.」、その名の通り、インフォメーション・テクノロジーに関係する映画です。あらすじを言うと、ITエンジニアが雇い主とのいざこざを境に復讐心を抱き、IT を駆使してその雇い主と家族に対しありとあらゆる嫌がらせをするという可笑しな、でもちょっと怖いお話しです。僕自身がITサービスの仕事を生業としていますので、かなり真剣に観てしまいました(笑)。「プライバシーは権利ではなく特権だ」、という一言が印象に残りました。

この映画からわかるのは、どの会社でもIT 担当者というのは雇い主(IT サービス会社の場合は顧客企業)の基幹システムや重要データを基本的に全て把握しているわけですので、いざとなったらその全てを盗み出すことや破壊することまでできてしまうという現実です。倫理観、いうなれば正義感を必要とされる仕事だと思います。データというものは、保存しようと思えば良くも悪くも永遠に残ってしまいます。それを使って脅迫じみたことや、会社に大損害を与えるような事件も実際には身近なところでも頻繁に発生しています。顧客企業の中には、自社で雇用していたIT 担当者が辞めた際に図面データなど全て持ち去り、しかも社内サーバのデータは全て消去したというケースも聞いています。(同社はそのような事件を二度と起こさないためにウチにIT 管理の仕事を任せてくれています)。

我々のようなIT サービス会社は日頃お客様の社内サーバや社員の方々のPC をメンテナンスするのが仕事であり、お客様にとって大切な業務データにいつでも触れる立場にあるわけです。そのような環境下でIT サービスの仕事をするわけですから、ウチの会社でIT エンジニアを雇用する際は技術力云々以上に信頼できるかどうか、善良な一市民であるかを重視しています。経験上、技術力の高いIT エンジニアほど企業のIT 管理など退屈なものと考えがちで、暇つぶしに悪事に手を染める場合が多い傾向にあります。どちらかというと、IT 機器やハイテクが大好きで、コンピュータを一日中触っていても苦にならない「普通レベルのエンジニア」、別の言い方をすれば「善良なIT オタク」が弊社の掲げる「当たり前に使えるIT サービス」を提供する上でポジティブな人材という判断になります。対照的に、同じIT でも開発業者は技術力や発想力が全てですので、最先端のIT 技術を自在に操れるエンジニア、プログラマーが渇望されている世の中です。うまく棲み分けができています。

話を元に戻しますと、この映画に出てくるようなITエンジニアにはくれぐれもお気を付けくださいということです。技術力も重要ですが、それ以上に人間力が最優先されるべきだと思います。企業のIT 管理というのは、技術的にはローテクな部類に入りますが、産業を支える重要なインフラ保守業務にあたります。IT サービスの仕事に携わる以上、多大な責任を受け入れる覚悟や使命感が無くてはやってはいけないということを改めて実感しました。

赤座 卓也( あかざ たくや)

兆星電脳有限公司
TERASTARS Computer Ltd.
広東省佛山市順徳区大良街道宜新路1号銀海大厦14楼A8
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