中国法律コラム11「最新法規速報」広東盛唐法律事務所

2016/10/25

最近、広東省は「広東省人口及び計画生育条例」を改正しました。これによって、女子従業員の産休が50日も延長されました。国家レベルでは、国家商務部が「外商投資企業設立変更届出管理暫定弁法」を公布しました。この弁法によって、従前は審査認可機関の許可が必要とされていた外商投資企業の設立・変更手続きが、これからは届出で足りることとなりました。今回のニュースレターでは、これら2つの法規の改正点について解説させていただきます。

 

一. 「広東省人口及び計画生育条例」の改正

2016年9月29日、広東省人民代表大会常務委員会が「広東省人口及び計画生育条例の改正に関する決定」を可決し公布しました。今回の改正では6つの条項が変更されましたが、最も企業に与える影響が大きいのは第4条の変更です。第4条の内容は下記のとおりです。

第4条 法律・法規の定めに従い子女をもうける夫婦について、女子は80日の奨励休暇を享受する。男子は15日の出産付添休暇を享受する。当該期間において賃金は従来とおり支給するものとし、福利待遇及び皆勤賞に影響を来たさないものとする。

本条に基づき、2016年9月29日から、広東省において適法に出産をする女子従業員は80日の奨励休暇を取得できることとなりました(従前は30日でした)。企業は、新規定に基づき就業規則の変更などの対応をする必要があります。奨励休暇が50日も延長されましたので、企業は女子従業員の結婚・妊娠などにより一層注意を払い、女子従業員が産休に入ったときの代替人員などについて事前に対応策を講じる必要があります。

なお、深圳地区の政府部門にヒアリングをしたところ、深圳地区においては、9月29日時点で既に産休に入っていた女子従業員についても、新条例に基づき80日の奨励休暇を与えなければならないということでした。具体例を挙げて説明させていただきます。

(1)新規定が適用されないケース
女子従業員Aは2016年4月1日から産休に入り、従前の規定に基づき128日の産休を取得し、2016年8月10日から職場に復帰しました。Aは、2016年9月29日時点において産休が終了しているため、新規定は適用されません。

(2)新規定が適用されるケース
女子従業員Bは2016年7月1日から産休に入り、従前の規定に基づき128日の産休を取得しており、2016年11月10日から職場に復帰する予定ですが、現在はまだ産休期間中です。Bは、2016年9月29日時点においてまだ産休期間中ですので新規定が適用され奨励休暇が50日追加されます。よって、2016年12月29日まで産休を享受できることとなります。

もう一点注意すべき点があります。深セン地区におきましては、晩育休暇がまだ取り消されておりません。したがいまして、晩育の条件を満たす女子従業員(23歳以降の第一子出産)には、さらに15日の晩育休暇を与える必要があります。

 

 

二. 「外商投資企業設立変更届出管理暫定弁法」の公布

2016年10月8日、国家商務部が「外商投資企業設立変更届出管理暫定弁法」(以下「暫定弁法」といいます)を公布しました。これによって、一般的な外商投資企業の設立及び変更手続きについて、従前は商務部門において許可手続きが必要であったものが、届出手続きで足りることとなりました。

1適用範囲
「暫定弁法」の定めによりますと、国家が外商投資企業の参入に特別な制限を設けている業界ではない外商投資企業の設立及び変更手続きについて、届出管理制度が実施されることになりました。大多数の日系企業は、外商投資企業の参入に特別な制限が設けられている業界に属するものではないと思います。外商投資企業の参入に特別な制限が設けられている業界は、「外商投資産業指導目録(2015年改正)」で確認することができます。

2届出の期限
外商投資企業を設立する場合、企業名称の事前確認をした後、工商局から営業許可証を発行される前に、又は営業許可証の発行を受けた後30日以内に商務部門で設立届出手続きをしなければなりません。外商投資企業の届出事項に変更が生じた場合は、変更が生じた後30日以内に届出変更手続きをしなければなりません。

3届出義務を履行しない場合の法的責任
(1) 「暫定弁法」第24条によりますと、期限内に届出義務を果たさない場合、又は届出に重大な遺漏のある場合、主管部門から是正命令が下されます。期限を過ぎても是正をしない場合又は情状の重たい場合は3万元以下の過料が科されます。
(2) 届出義務の履行をせず、届出時に真実の状況を隠匿し、誤解を招く若しくは虚偽の情報を提供し、又は「届出控え」を偽造、変造、賃貸、貸与、譲渡した場合、政府部門に是正を命じられ、かつ、3万元以下の過料が科されます。


大嶽 徳洋さん広東盛唐法律事務所

SHENG TANG LAW FIRM
法律顧問
大嶽 徳洋 Roy Odake
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