三菱電機(香港)50周年記念特集 世界で活躍する“三菱電機の技術”! 【第1回】

2016/08/22

屋外の過酷な環境下でも、
美しく鮮明な高画質を誇る巨大LEDスクリーン

鳥海寿郎氏2016年、50周年を迎える三菱電機(香港)有限公司。改めてその軌跡と取り組みを、今注目の製品とあわせて紹介したい。第一回は「ダイヤモンドビジョン」。日本では「オーロラビジョン」の名称で親しまれ、競馬場、野球場を始め、競技場やショッピングモールの外壁など街中でも見ることができる。香港では、2003年8月に設置された沙田競馬場(シャーティン競馬場)、高さ8.0m×長さ70.4mのダイヤモンドビジョンがギネスブックに認定されたことは記憶に新しい。そして今年11月「ハッピーバレー競馬場」の既設LEDスクリーンは、アップグレードされ、更に拡張される予定だ。そこで今回は、今、最も注目を集める同製品について社会インフラ事業部 総経理 鳥海寿郎(とりうみ としお)氏にお話を伺った。

 

三菱電機(香港)有限公司
社会インフラ事業部 総経理
鳥海寿郎(とりうみ としお)氏

兵庫県神戸市出身8月13日生まれ。
4年間の中国(西安)への赴任経験があり、現在香港での生活は3年目突入。
趣味:ハイキング、飲みニケーション。
大のカラオケ好きで「中国語の歌をよく歌います!」

 

高精細・高画質を実現するダイヤモンドビジョンですが、貴社製品の一番の特長とはどのようなところでしょうか。

まず一番に挙げられるのは圧倒的な美しさと鮮明さです。他社では採用していない「黒色パッケージLED(リアルブラック)」を搭載することで、映像画質の根源となる黒レベルが向上し高コントラストを実現しました。例えば地上から空へ向かってディスプレイを見上げた時、他社製品のスクリーン上部には影ができ、ぼんやりとしてしまいますが、ダイヤモンドビジョンはそういった場面や直射日光が当たる環境でも、はっきりと鮮明に映像を表現することができます。また、耐久性という点でも弊社では防水、防塵、防錆など様々な工夫を施すことで、屋外の過酷な環境下で10年、15年と経過しても色褪せることなく画像を鮮やかに保つことを可能にしました。

 

発表以降改良を加えているポイントがあれば教えてください。

近年、用途の多様化により更に高画質で鮮明さを求められるケースも増えてきました。LED間をピッチと言いますが、このピッチの間隔を狭めることで、より繊細な美しい表現ができるようになります。一方で使用するLED数も増えるため、より電力を必要としますが、更に省エネを実現する技術の開発を進めています。

 

ダイヤモンドビジョンの香港・東南アジア地区での知名度、認知度については具体的にどのように認識されていますか。香港事業所は世界おいてどのようなポジショニングでしょうか。

競馬場

香港では沙田競馬場、ハッピーバレー競馬場、香港国際空港のほか大型のショッピングモールなどさまざまな場所で採用されています。その他、マレーシア、シンガポール、タイなどの東南アジア各国のスタジアムやアリーナでも見ることができます。香港の沙田競馬場に設置したダイヤモンドビジョンが、当時の世界最長スクリーンとして2003年にギネスブックに認定されたことは想像以上の反響があり、ドバイのメイダン競馬場の導入へと繋がりました。東南アジアに留まらず中東のお客様も注目する香港は、世界のショールームといっても過言ではありません。

 

導入後、実際にはお客様からどのような反応がありましたか。

同じ条件下で各社製品を並べ、Shoot-Outと呼ばれるテストを行いますが、これをクリアした弊社製品は品質面で高い評価を受けています。アフターサービスも充実しており、24時間対応が可能な点は特にご満足いただいております。何か不具合があれば1時間以内に現場に駆けつけ、場合によっては製作元である長崎製作所※から担当エンジニアが、翌日、現場へ直行することもあります。常にお客様の声に迅速にお応えできるのは、香港に拠点を構える弊社の強みです。確かに、三菱電機製品の価格は他社に比べ安いとはいえません。

しかしながら、納入後のきめ細かなメンテナンスにより、ライフサイクルコストの観点から、お客様は弊社製品のトータルコストにメリットを感じていただけると確信しています。

 

今年、三菱電機(香港)は50周年を迎えられますが、これまでを振り返りインフラ事業を始めとして香港でどのような役割を担ってきたと感じていらっしゃいますか。

私自身2014年5月に着任しましたが、改めて三菱電機の培ってきた50年の歴史を感じると同時に、香港での責任の大きさを実感しました。例えば、香港島に電力供給するラマ島発電所では発電機をはじめ弊社の電気品が全体の約90%を占めています。現在、香港島の瞬停は年間1分を切っています。この「瞬停」とは、落雷などが原因で発生する非常に短い時間の停電で、この回復の速さは実は世界でもシンガポールと一、二を争うほどです。日本国内の電力会社でも到達してないレベルに、香港の電力会社からも高品質を評価いただきました。これからも弊社の技術力で、香港の皆様の暮らしを少しでも豊かにできれば幸いに思います。

 

交通、港湾、鉄道等、対象が多岐にわたるインフラ事業において、近い将来貴社が特に注目する分野は何でしょうか。

空港のトータルソリューションに注力したい、と考えています。弊事業部は今年4月、香港空港向け乱気流を検知する既設他社製システムを三菱電機製に更新しました。一方、他部門との連携により、今後、空港内のFlight Information System、エアコン、昇降機等総合的に提案することを心掛けています。今後、3、4年内に新空港18ヶ所、滑走路拡張25ヵ所が計画される中国ですが、特に北京や上海、及び広東省の広州、深圳各空港に対して積極的に提案活動して行きたい、と思っています。

 

想定すべき今後の展望について最も重要な課題とは何でしょうか。

私は組織の活性化こそ、今の弊事業部にとって最も重要な課題だと思っています。社会インフラ事業部では見積、契約、納入、据付、試験、引渡しまで一貫したサービス提供を行わなければなりません。受注品は全てオーダーメイドですので仕様変更に伴うきめ細かな対応が求められますが、営業部、技術部、建設部が担当の分野に特化している半面、組織も硬直化しやすい環境にあるということです。ですので、事業拡大に向け常に挑戦し続けるためには、部門間の連携強化を図らなければいけないと感じています。人材育成もまた重要な課題のひとつです。香港では同じ職場での定着率が非常に低いという背景がありますが、ナショナルスタッフにもできるだけ長く働いてもらえるよう魅力のある職場にしていきたいと思っています。

 

社会インフラ事業部として掲げるスローガンは何でしょうか。

「Dramatically Change(ドラマティカリーチェンジ)」。この言葉には、従来の型にはまらない独創的な発想で、三菱電機の技術力を香港から世界に発信したいと
いう強い思いが込められています。スピーディな市場の変化やニーズの多様化など、流動的な要望に常に応えることができるよう弾力的な事業展開を心掛けています。社内で働くスタッフには、言語を問わずお互いに刺激を受けながら成長して欲しいと願っています。これからも三菱電機(香港)社会インフラ事業部は、新しい発想と技術をもって挑戦しつづけます。


三菱電機㈱ 長崎製作所 
従業員数約370名(関係会社含む人員約1,700名)※平成27年4月現在映像情報装置「ダイヤモンドビジョン」を始め車内空調装置、非常用発電装置、可動式ホーム柵装置などを取り扱う。これまで築き上げてきた実績と技術力には高い評価があり、その技術と製品を、国内のみならず世界へ向けて発信している。


三菱電機

三菱電機(香港)有限公司
住所:20/F Cityplaza One, 1111 King’s Rd., Taikoo Shing
電話:(852)2510-0555
ウェブ:www.mehk.com

 

 

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