教育費のリスクと学資保険(1)Borderless Management & Investment Ltd.

2016/06/06

「学資保険」という商品がある。
主には子供が成長するに従って大きな負担となる教育資金を作る目的で利用される。
通常は親が保険契約者(Policy Owner)となり、子供を被保険者(Life Insured)にして親が受取人(Beneficiary)となる形の生命保険契約であるが、中学、高校や大学入学など子供の就学生活の節目節目に「祝い金」と言われる一時金が支給されるのが特徴である。
私立の学校に入学したり、遠隔地の学校で親元を離れて学校に通うような場合、予定外の支出が増えることが考えられる。そして大抵の場合、それは子供が小さいときにはそれ
が合計でどの程度かかるのか予測が難しい。
小学校から大学まですべて国公立に通った場合は約1,000万円、すべて私立に通った場合は約2,500万円程度かかると言われている。理系の大学に通えば学費は文系の20%増し。私立医科歯科系になると大学在学中の学費だけで2,000万円以上かかる。また昨今ではアイビーリーグなどアメリカの大学に留学させればやはり4年間で2,000万円ぐらいので学費がかかってしまう。子供の教育費はある意味リスクであり、こうした保険に入っておくとそういったリスクをヘッジできるわけだ。
それを予測して、自分で計画的に貯蓄するには結構強固な意思の力を必要とする。ひらたく言えば挫折しやすい。しかし保険契約という形で自動引き落としにしたり、支払い時期に保険会社から催促が来たりする状態を作っておくと割と容易に継続することができる。そうした貯蓄の強制性を利用するために学資保険を利用している人も少なくはないだろう。
一方で学資保険は生命保険の一種でもあり、子供が成長する前に亡くなった場合は死亡保険金が支払われることになる。そうした予期できない不幸な出来事と年々高騰の一途を辿る教育費負担の両方を一気にヘッジできる商品、それが「学資保険」なのだ。
さてこの学資保険。仕組みとしては満期になればまとまった満期保険金の受け取れる養老保険のようなものと考えてよいだろう。祝い金は満期保険金の一部を前倒しでもらっているようなものだ。
学資保険は複数の保険会社で販売しているが、その優位性を比較する基準のひとつに返戻率というものがある。
返戻率の計算式は、「学資保険の返戻率=(満期保険金+祝い金)÷支払い保険料の合計X100」
要は支払った保険料(積立金)の総額に対する受け取れる教育資金の割合ということである。
日本で販売されている学資保険の返戻率は高くても110%ぐらいである。
中には100%を切る、つまり受け取れる教育資金が支払い保険料を下まわる商品もある。
その分、被保険者である子供が病気になった場合の医療給付金が高く設定されている等、他の部分の保障が手厚い場合があるので一概に返戻率の高さが学資保険の優位性を説明するものではないようである。

玉利将彦さん玉利将彦 (タマリ マサヒコ)
上海と香港を拠点に活動し、中国在住歴は20年に渡る。
香港の証券取扱免許(SFC)と保険取扱免許(PIBA)を保有する資産運用アドバイザーとして、顧客のライフプランに即した投資計画の立案及び積立ファンド・保険の仲介、HSBC香港BOOM証券・中国銀行など海外の有名金融機関の口座開設・運営サポートをおこなっている。

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