日本の地方産品を香港に伝える展示プロジェクト「The Wonder 500」に関するインタビュー

2016/02/22

本年度経済産業省が推進する「地方創生総合戦略」を踏まえたクールジャパンによる地域活性化推進のため、「ふるさと名物発掘・連携促進事業」として「世界にまだ知られていない、日本が誇るべき優れた地方産品」を発掘・選定し、海外に広く伝えていくプロジェクト「The Wonder 500」が展開されてきた。香港も重要拠点のひとつとして、さまざまなイベントが開催されたが、TheWonder500の香港運営事務局として活動したコンパスコミュニケーションズ木邨さんに事業を振り返ってもらいながら、香港での課題や展望を聞いてみた。

The Wonder41月6日から2週間に渡りPMQで展示された商品には、香港の人たちをはじめ、多くの欧米人からも注目を集めたようですが。
木邨:そうですね、今回PMQで展示をした背景には、香港でのクリエティブ産業にちからをもつウィリアム・トー氏の協力があったことがあります。もともとこのプロジェクトは、日本国内で選出された30人のプロデューサーが推薦したものと一般公募の中から選定されたもので決まったのですが、香港では主にウィリアムさんが高く評価したものを中心に紹介をしたんです。ウィリアムさんの点数表を見ると、必ずしも自分の好みという視点ではなく、「モノとして優れているだけでなく、海外の人に受け入れられるか」を意識して審査して頂いていたことに感謝でした。

世界で同時に動くプロジェクトの中で、香港ならではの発見はありましたか?
木邨:今回場所がPMQだったことで、国籍もさまざまな方にご覧いただけたんですが、欧米人の人が見た目のインパクトやかわいらしさ、例えばサムライの鎧型のワインカバーなどに興味をもつ傾向があるんですが、香港人は実用的なものを手にするんです。財布や傘、名刺ケースなど、「実用的でありつつ、香港にはちょっとないもの」という点が重要だということが改めてよく分かりました。

The Wonder1具体的にはどんなイベントを仕掛けたんですか?
木邨:今回のプロジェクトは、香港だけでなくニューヨーク、パリをはじめ、台湾やタイなどでもイベントを実施しているのですが、各国「日本」の浸透度が違うんですね。香港ではすでに流通しているものもありましたし、訪日数が152万を超える香港市場ですから、情報量も経験数は圧倒的です。そんな中でも「これは知らなかった」と思ってもらえる展示やイベント展開を心がけました。
偶然も重なりましたが、昨年よりPMQにあるグッドデザインストアで香港が生んだ世界的デザイナーのアラン・チャン氏が日本とのつながりをテーマした展示会「我的日記/MY JAPLAN」を開催することもあり、レセプションを同じ日に設定することで、アランさんのまわりにいる香港のクリエイティブ感度の高い方たちに直接商品や日本がもつ固有の価値観などを説明することができた機会は良かったと思っています。ほかにも、銅鑼湾にオープンしたばかりの米にこだわる日本料理店「玄穂」でコタキホワイトという新潟南魚沼地区に隣接した信越の深い雪の降る長野県小滝地区で育まれた食味の高い高級米を提供したり、同じく銅鑼湾の味十味ではThe Wonder500に選ばれた食材を解説を加えながら、香港人たちが自分で調理もする料理教室を開催したり、中環の「酒バー吟」では、これまで香港に登場したことのない日本酒や同じ酒造のものでも数が少なく貴重なものを中心にした「酒ナイト」なども実施しましたね。また日本の作家ものの皿でも、料理を載せるだけでなく、ジュエリーショップ「宝意堂」では、パールやダイヤをよりひきたたせるために展示に使うなど、使用用途を限ることなく見せる工夫をしました。

 The Wonder2宣伝ではテレビ番組も制作したと聞きました。どんな映像が撮影できたのでしょう?
木邨:香港大手ケーブルテレビ「i-CABLE」に特別番組の枠を設定してもらいまして、鹿児島で旅行番組のロケをしてきました。番組は1月に放送され、今後再放送や番版なども進んでいく予定です。鹿児島は香港から直行便で気軽に行くことができる場所であると同時に、ふと考えますと鹿児島は同プロジェクトが掲げる観光観点で選出された10の要素をほぼ網羅していたんです。「自然と信仰」「海岸線」「高低差」をはじめ、「産業遺産」「食文化」など多くの要素が該当する地域であったことは偶然でした。そこで鹿児島の選定商品を取り上げながら旅をしていくスタイルで、例えばイギリスとの戦争で西洋式の近代的装備を目の当たりにした薩摩藩が資金を得るために作ったといわれる「薩摩ボタン」の絵付師室田志保さんの仕事場では、キャストがボタン作りに挑戦しました。香港のMCが桜島のイラストから桜の花びらが噴火した様子を描いたのを見て、「これは香港の人だからこそ思いつく絵柄だな」と感じましたし、香港と日本が結びついた瞬間のようで嬉しかったですね。

The Wonder3今後The Wonder 500はどうなっていくのでしょうか?
木邨:今回のプロジェクトは展示だけでなく、実際に今回紹介した商品の中からひとつでも多くのものが香港に、またその他の海外に流通する日を願ってのプロジェクトです。来年度民間で継続的に運営していくことができるのであれば、香港には需要もありますし、ぜひ我こそはこういった商品を販売したいという方がいらっしゃったら、声をかけて頂きたいですね。今回選出のアイテムの中には、たった数人で会社を切り盛りする技術のある個人経営の企業の商品も多くあります。後継者に悩む工房もあります。それを発掘するきっかけであり、その商品を香港側でみて気に入った方がいらっしゃれば、The Wonder 500の全体の枠組みではなく、それぞれの商品が流通していくというのもひとつの形です。食べ物もあれば商品もある中で、The Wonder500というブランド、パッケージもひとつの魅力でありながらも、沢山の選択肢の中で、「これこそは私が広めたい!」という個人の力が結集して、「大きな日本を広める力」になることを願い、そのための裏方の役割を果たしていきたいと考えています。

The Wonder 500 香港事務局
コンパスコミュニケーションズ( Compass Communications)
TEL:2147-1100 info@ccihongkong.com

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