持分譲渡に係る所得税のリスク防止。広東君厚法律事務所

2015/09/29

【広東君厚法律事務所】
◆広東君厚法律事務所弁護士 周 軍偉

2014年9月に深某電子貿易会社(以下はA社という)が税関に対し衛星受信機(価値は150万人民元)の輸出申告を行いました。税関が貨物検査を行ったところ、当該貨物において税関知的財産権保護登録済の某知名HDポートの表示が付いており、貨物の梱包にも同表示が印刷されていることを発見しました。税関の通関において、A社が知的財産権権利者(以下は「権利者」という)の授権書を提供できなかったため、税関は知的財産権保護プロセスを行いました。権利者は、税関から通知書を受けて、当該貨物は自社の知的財産権を侵害したと判断し、税関に対し当該権利侵害容疑貨物に差押えの申請を行い、相応な担保を提供しました。

税関は当該貨物を差押え、A社に対し立件調査を行い、A社の権利侵害行為を行政処罰案件として処理しました。税関は調査を経て、A社の権利侵害行為の事実が明確で、証拠が確実であることを認定し、かつ当該案件の貨物価値がかなり大きいため、プロセスに則って公安局の経済犯罪調査部門に通知し、刑事案件としてA社が調査されることになりました。また、権利者はA社の代理人を通じて、A社より自社の知的財産権侵害容疑のため、民事訴訟を提起して損害賠償を請求するようA社に表示しました。

A社は多額の金銭を用意し各種関係や貿易の習慣方法を利用してトラブルを解決しようとしましたが何の効果も出ませんでした。結局、A社が弁護士交渉を委任しました。弁護士の調査結果によると、当該貨物はA社に属さず、A社は自社の名義を他社に貸し出して輸出している(中国語の俗語で「売単」という)こと、当該貨物は広州にあるB社に属しており、B社はA社の名義を利用して貨物を輸出していることが分かりました。また、A社は貿易の過程において荷物も見たこともなく、
物流申告も処理しておらず、すべての輸出手続きは深某物流会社で行ったとのことです。さらに、貨物に関する状況については、A社の法人が税関より調査に協力するようとの連絡が入った際に初めて知ったとのことです。なお、事件発生後、B社が連絡も取れず、いなくなりました。

弁護士は豊富な税関と対外貿易処理経験をもって、次のようなことを注意しました:本件では税関の調査段階においては、権利侵害者は権利者の補足授権書と容赦を取得した場合、規定により税関は権利侵害行為を処理しないこともできます。これにより、弁護士は次のような解決案を速やかに制定しました:a.権利者と連絡を取り、交渉のチャンスを請求する。b.税関と連絡を取り、貨物権利侵害の状況を詳しく説明し、税関が経済犯罪調査部門に通知する際はA社が権利侵害行為を知らず、かつ貨物の事実上の所有者ではなかった事実を知らせるよう請求する。

弁護士はA社を代表して権利者と交渉のうえA社の行為を容赦してもらい、権利者の会社規定により、補足授権書を取得できないが権利者と民事賠償責任を追及しないことに合意しました。また、弁護士が作成した事情説明書より、経済犯罪調査部門は、A社は事実上の権利侵害者ではないことから、A社に刑事立件を行わないことを決定しました。最終的には、次のような結果となりました:権利者から補足授権書を取得できないことより、A社には15万人民元の税関罰金が科され、権利侵害貨物も没収されました。

本件をまとめますと、a.貿易会社であるA社はわずかな輸出代理費を浮かせるために他の会社に「売単」をして、かつ貨物の有効監督もせず、重大な刑事責任まで科される可能性がありました。b.税関経験豊富な弁護士を利用して適切な処理をしたおかげでわずかな経済処罰が科されたものの、刑事事件としては処理されず、かつ民事損害賠償を避けることもできました。

税関知的財産権保護は極めて厳しく実施されています。対外貿易会社の貨物輸出において商標など知的財産権の権利侵害事件については、問題が生じた場合、速やかに専門の法律業者に解決を図ることを提案いたします。

 

周軍偉弁護士

周軍偉弁護士
弁護士、中級会計検査官、会計修士号取得。得意分野は、税関法、輸出入貿易、政府事務協調、税法、融資など。2014年8月に広東君厚法律事務所入所。それまでの12年間、税関正科級幹部として、税関関連の部署を経験。税関検査、税関関税徴収などの分野においても豊富な経験をもつ。また税関部門の講師も兼任していた。税関部門による個人賞7回受賞。中山市青年ベテラン等栄誉を獲得。広州某国営企業の税務調査(企業の刑事責任の回避)を担当。普通貨物密輸嫌疑事件における陳氏側代理人(税関刑事調査機関による事件取消し)。広州市蘿岡某日系企業従業員の急死事件(労使両者和解)を担当。

 

 

 

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