中国における企業解散・清算時の経済補償金の計算。広東君厚法律事務所

2015/04/06

中国の経済成長や、人件費・物価の上昇、人民元高などのため、一部の大手外資企業が工場を閉鎖・解散することにしました。

1.経済補償金の計算方法企業の解散・清算により労働契約を終了する際に、経済補償金は「労働契約法」第47条の規定に基づき計算・支給します。

(1)従業員の労働契約終了前12か月分の平均月給が、使用者所在の市級人民政府の公布する前年度従業員平均月給の3倍を上回る場合、経済補償の基準は従業員平均月給の3倍を支払い、経済補償の年限は最高12年を越えません。例:A氏は広州のX社にて13年勤務し、2014年12月に労働契約が終了しました。A氏の直近12か月分(2014年1月~12月)の平均月給は2万元で、広州2013年度の従業員平均月給は5808元でした。この場合、A氏の経済補償金は最高12×5808元×3となります(2008年1月1日以前の分も支払うと仮定)。
(2)経済補償金は従業員が2008年1月1日以降、その企業での勤続年数によって、1年ごとに1か月の給与を支払うという基準で従業員に支払われます。6か月以上1年未満の場合には1年として計算します。6か月未満の場合は、従業員に半月分の報酬に相当する経済補償金を支払います。
例:A氏はX社にて5年7か月勤務しました。経済補償金は6か月分の月給に相当します。また、仮にA社はX社にて5年間4か月勤務した場合、経済補償金は5.5か月分の月給に相当します。

2.2008年1月1日より前の勤続年数を含むか

「労働契約法」第44条5項、第46条6項、第97条3項に基づき、労働関係が2008年1月1日をまたぐ場合、2008年1月1日以前の勤続年数に対して経済補償金を支払うか否かについては、2008年1月1日以前の規定に従います。
ただし、「労働法」では企業が労働契約終了時に従業員に経済補償金を支払うと定めていません。また、元国家労働部による1995年8月4日に公布された『「中華人民共和国労働法」の遂行と施行に関する諸問題への意見』(以下は「意見」という)第38条では、「労働契約期間満了または当事者があらかじめ取り決めた労働契約の終了条件が現れた場合、労働契約は終了し、企業は労働者に経済補償金を支払わなくてもよい。」と定めています。
従って、「意見」第38条及び「労働契約法」第97条3項に基づき、企業解散・清算により労働契約終了をした場合、企業は従業員に2008年1月1日以降の勤続年数の経済補償金のみを支払うものと考えられます。例として、A氏が2006年1月1日~2008年1月1日まで勤続した場合、X社は当該勤続年数の経済補償金の支払いについては、法的な根拠がないと判断されます。
ただし、中国各地域の人民法院の判例はそれぞれ異なっています。上海、天津、広州、東莞市の人民法院は2008年1月1日以前の勤続年数の経済補償金を認める判決を下しました。これに対し、北京、佛山市の人民法院はこれの支払いを認めていません。企業は経済補償金支払いを処理する際に、現地の裁判慣習や最新裁判基準に照らし、慎重に判断したほうが良いでしょう。

欧陽鋒弁護士

欧陽鋒弁護士プロフィール:中国の大手不動産企業である恒大集団にてHRマネージャとして10年勤務。その後、弁護士として活躍。得意分野は労働法、M&A、会社法、契約法、安全生産法など。広東省弁護士協会労働、社会保障法律専門委員会委員、広東省企業権利維持顧問団顧問、および広州市工会従業員法律含む弁護士団メンバー。広州市弁護士協会2010年度「社会安定維持賞」および広州市弁護士協会2012年度「業務成果賞」を受賞。

 

 

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