企業のストライキに対する対応策。広東君厚法律事務所

2014/12/23

【広東君厚法律事務所】
◆アドバンスパートナー弁護士 李 立
◆弁護士アシスタント 孔滢滢

アドバンスパートナー弁護士 李 立

この数年、中国国内では大規模なストライキが頻繁に行われています。なかには2013年11月のノキア東莞工場、2014年3月の米IBM深センPCサーバー工場、及び2014年5月の日本衛生陶器会社上海工場のストライキが挙げられます。頻繁に労働争議が発生しているため、ストライキ対応策は急務となっています。企業はどのように対応すべきでしょうか。

1.報酬集団協商制度の確立

近年、中国国内の物価が上昇しているため、広東省のストライキのうち80%ほどは賃上げ及び待遇改善などの利益上の要請です。企業は長い目で見て、「工会法」(「工会」は日本の労働組合に相当)、「広東省企業集団契約条例」などの規定に基づいて報酬集団協商制度の仕組みを確立し、従業員の合理的なニーズを把握し、協議によって合意に達する必要があります。万が一協議不成立となった場合、法定的プロセスに従い、企業の協商代表は直ちに従業員協商代表及び政府代表と三者間の集団協商を行い、労使間衝突の拡大を抑え、交渉の決裂を回避し、最終的にストライキを未然に防止します。

2.社内工会組織の運用

集団協議制度の仕組みを確立するために、企業は社内工会組織の設立、工会による企業風土や企業文化の構築を重視する必要があります。まずは、従業員が自ら信頼できる工会代表を選任できるよう協力し、工会代表と良好な関係を保ちます。また、工会によるクレーム処理プロセスの改善、問題解決制度の形成など、問題解決の仕組みを完成させます。さらに、従業員が仕事環境に対する満足度を高められるよう、工会により各種福利厚生(文化・体育活動)を展開させ、良好な企業文化を育成します。

3.中国国内管理者の選任

外国企業は、中国国内における企業管理者を選任する際に、可能であれば中国人や華僑を選任することによって、中国人の潜在的な反感を抑えることができます。共通の言語や文化背景を持つ管理者は従業員の要求をより良く理解できます。また、高級管理者が「中国系」であれば、中国政府部門とも円滑なコミュニケーションを図ることがき、政府部門から様々な面での支援を取得しやすくなります。

4.労使関係の早期警戒システムの構築

労使関係の衝突を引き起こす可能性のある要素を根本からコントロールしなければなりません。このため、企業は専門家の協力を得て労使関係の早期警戒システムを構築する必要があります。早期警戒システムの内容には、労使関係の現状分析システム、従業員苦情の申出ルート及び重点部門の連絡制度、従業員の意識分析制度、労使関係早期警戒に関する情報収集、ならびに審査報告制度などが含まれます。このシステムの構築によって、潜在的な衝突が発見され、労使問題を根本からコントロールし、ストライキ発生を未然に防止することができます。

もちろん、早期警戒システム構築の前提は、企業が長期的な発展を遂げていることにあります。利益的福利制度(保険金の追加納付、ボーナス支給金額の設置、通勤バスや寮の提供など)及び心理的福利制度(文化・体育活動の組織、貢献した従業員への褒賞など)の整備、インセンティブ・システムの確立がストライキ発生を予防できると考えられます。

以上は基本的な対応策ですが、ほかにも多数の対策がございます。

李立

李立弁護士(アドバンス・パートナー弁護士):
得意分野は、労働争議や各種類の契約紛争、権利侵害、不正競争などに関する訴訟、並びにM&A、資産譲渡などのコンサルティング。1000件以上の労働争議案件において代理人としての経験を持ち、日系企業を含む外資企業の年間顧問を担当してきた。なお、広州市弁護士協会労働専門委員会委員、広州市司法局による「優秀弁護士」、広州市弁護士協会による「社会安定賞」を取得している。

広東君厚法律事務所 King & Land Law Firm
住所:広州市天河路101号興業銀行ビル14階
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