RM Silver 925 MamiDesmidtさんにインタビュー

2014/12/15

RM Silver 925
Mami Desmidtさんインタビュー

イタリアやイギリスへの留学、日本でのアクセサリー卸売り業の経験を活かし、この地でジュエリー業を再開させたMamiさん。子育てや香港人の気質に日々悪戦苦闘しながらも、持ち前の思い切りの良さで活躍を続ける彼女にこれまでの人生を伺った。

MamiDesmidtさん

人生のハイライトは現在だ。諦めたらそこまで!

香港に来られたきっかけを教えて下さい。
2009年3月より主人の仕事の転勤がきっかけで香港に越して来ました。1人なら香港に来てなかったですよ(笑)。フランス辺りに住んでいたかったです。

 

香港に来られてからも今までずっとこの仕事を続けられていたのですか?
いいえ。1995年から香港に住む前までは日本でアクセサリーの仕入れ、買い付け、卸をやっていたのですが香港への引っ越しを機に仕事を辞め、その後香港で妊娠、出産。しばらくは専業主婦をしていました。子供が3歳になって子育ても楽になり、また働きたいという気持ちになったので思い切ってアクセサリーの卸売を再開する事にしたんです。

 

そもそもどうしてこの仕事を始められたのですか?
元々は日本で普通にOLをしていたんですが、OL業はつまらなくて辞めたいな~と思っていた頃、ちょうどジュエリーの卸売をしていた友人に誘われてジュエリーショーを見に行く機会が何度かあったんです。当時は若かったので綺麗なものに対する憧れがありましたし、この仕事なら素敵なジュエリーをいつもいっぱい身につけられるんじゃないか、なんて想像していました。また当時職場にいた海外旅行好きの先輩に、毎日の様に海外旅行の話を聞かされていた影響で、私もいつかイタリアやフランスに行ってみたいと外国に憧れを持つようになっていました。そして「この職業に就いたら出張で海外に行けるし、色々な物を見る事ができて良さそう!」と転職を決意したんです。

 

転職されて思い描いていた日々は実現しましたか?
いえいえ、転職したものの現実はもちろん甘くなく、最初はそう簡単に売り手が見つからず大変でした。当時はまだインターネットの時代じゃなかったので、実際に商品を見てもらってからオーダーをいただいていたんです。ですから小さなスーツケースに品物を入るだけ詰め込んで営業に行っていたのですが、尽く断られ続け…。3ヶ月経った頃には辞めようと思っていました。ですが、そんな頃にイタリア留学のチャンスが来たんです。当時はイタリアの業者がよく日本に来ていたんですが、言葉の問題もあり商談がスムーズにいかないこともあったんです。「イタリアで直接仕入れや買い付けが出来る上、言葉も習得出来るから留学しないか」という話だったんです。元々、イタリアに行ってみたいと憧れていたので、二つ返事で即決しました。また半年のイタリア留学後、イギリスにも4年間留学させて貰えました。

 

イタリア、イギリス留学中の楽しかった事、辛かった事を教えて下さい。
イタリアではフィレンツェに住んでいたのですが、そんなロマンチックな都市で1人で食事に行ったりするので、周りのイタリア人からは可哀相な人だと思われていました(笑)。楽しかった事は今までにない生活を体験出来た事。イギリスに住んでいた頃は何度もフランスに買い付けに行く機会があったので、ついでに観光もできて楽しかったです。でもイギリスの寒さは辛かったですね(笑)。最初は言葉が出来なくて苦労する事も多かったのですが、仕事の為に1日中頑張って働いていたのと日本人と話す機会が無い環境でトータル4年半海外生活を過ごしたことで英語はしっかり身につきました。その代わりに日本語が訛ってしまいましたけど(笑)。

 

ご主人様はイギリス人とフランス人のハーフとの事ですが留学中に知り合われたのですか?
主人とは日本帰国後の2004年に当時行きつけだったバーで知り合いました。よく行くバーだったのですが、行く度に「あれ?またこの人か」という位よく会いましたね。やがてお付き合いが始まったのですが、主人がアートや料理が好きなので、付き合い始めた頃はインテリアデザインの学校やコルドンブルー、クッキングスクールなどに通い、お花も好きなので生け花からプリザーブドフラワーまで色々な習い事をして忙しかったです。

 

ところで仕事を通して日本人と香港人の違いを感じる事はありますか?
香港人相手の商売は日本人相手の時と比べて大変だと感じる事が多いです。まず香港人は約束を守らない人も多く、適当でいい加減な印象を受けます。日本では聞かれなかった「本物?偽物?」という質問もよくされます。日本人は品物を見ただけで分かる人も多く、特に質問される事も無く購入して下さるお客様が多かったんですが、香港人のなかには知識もあまり無いのに分かったふりをして態度が尊大な人もいるんです。それから香港人はオーダーもころころ変わるし、わがままな要求も多いです。例えばネックレスを売っているのにペンダントだけ欲しいと言われたり…。とにかく「もっと安く、安く」と値切られる事が多いですが、日本人では無かったことです。そうそう、日本人は自分で新しいデザインを考える事が好きな人も多いですが、香港人で自分でデザインしたいという人は滅多にいませんね。デザインに時間を費やすよりも既製品を安く購入できる方が良いみたいです。香港人に対してネガティブな事を沢山述べてしまいましたが、それでも御蔭様でノースポイント(北角)のSOLOに最初に構えたショールームスペースでは手狭になり、広めの部屋に移動するほど商売は順調にいっています。ネット時代の現在、Facebookから注文を頂くことも多いです。扱っている商品が何千点もあるため、毎日数回新作アクセサリーの画像をアップする事を続けていたら、今ではなんと「いいね!」が1万件を超えました。

 

ワーキングマザーのMamiさん、子育てとの両立は大変だと感じる事はありますか?
毎日なかなかのハードスケジュールをこなしています(笑)。まずは朝9時に車で息子を学校へ送り、その後ノースポイントのオフィスへ直行。インターナショナルスクールに通う息子はまだ授業は午前中だけの半日しかないため、お昼に迎えに行き、ランチは職場近辺で出来るだけ一緒に食べるようにしています。そして息子を習い事に連れて行き、その後は商品の配達に毎日色々な場所に出掛けます。結構ホンハム(紅磡)に住んでいるお客様が多いのでホンハムはよく行きます。遠くは深センまで商品を届けに行く事もありますよ。以前はパートタイムのアマさんに来てもらっていたのですが、忙しくなってきたので今はフルタイムで雇っています。

 

仕事が休みの日はどの様に過ごされていますか?
この仕事は常にネットや電話で問い合わせが来るのでキリがないですね。週末、私は働いて主人が息子の面倒をみている事も結構あります。ですので、たまにでも息子と一緒に過ごせる時間はとても楽しみな息抜きの時間でもあります。とても忙しいけれど自分の好きな仕事を再開する事ができ、毎日が充実していて楽しいです。

 

今後の夢・目標を教えて下さい。
日本人の個人のお客様にも商品をお売りしたいです。そのためにはもう少し日本人好みのデザインも増やさないといけませんね。今は香港人、中国人のお客様ばかりなのでどうしてもデザインがこちらの人好みのものが多くなってしまっているので。

 

最後に、店名の由来は?
Rは息子の名前の頭文字、Mは主人の頭文字です。元々はシルバーだけを売っていたのでRM Silver 925という店名ですけど、現在はシルバーに限らず色々な種類のアクセサリーを扱っています。社長の希望もあってもっとシンプルに格好良く見えるRM&Co.に近々改名したいと思っています。

Mamiさん仕事中  Mamiさんとご主人様

Mami Desmidt さんプロフィール
香港在住歴5年半。ご主人とインター校に通う息子さんの3人暮らし。日本でOL、アクセサリーの卸売を経験したのち、ご主人の転勤により来港。子育てが落ち着いたのを機に香港でアクセサリー業を再開させた。

RM Silver 925
住所:Unit 145, SOLO Offices, 343-347 King’s Rd., North Point, HK

 

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