日本食材卸「JFCグループ」香港代表に聞く

2014/08/26

JFC Hong Kong Ltd. 坂根正敏氏にインタビューした

キッコーマングループの中でも、とりわけ食品卸に特化した会社「JFC グループ」、現在世界14ヶ国に拠点がある。
ここ香港では「JFC Hong Kong Ltd.」として、1984年に設立、今年で30周年を迎える。
そこで、今回は代表の坂根正敏氏にJFCのこれから、そしてプライベートについてもお話を伺った。

代表

現在JFCは、酒、調味料、米、冷凍魚介類、加工食品を取り扱い、商品数は1,200~1,300アイテムにも及ぶ。近年、築地から取り寄せるマグロや和牛などの付加価値の高い商品の取扱量も増えきている。これは、香港人の間でもクオリティーの高い日本食材に対する認識が深まっているためだ。他にも、ラーメン、焼鳥などの専門店が多くなり、専門店向けの商品も揃え、取扱い数、幅も広がっている。

30年の節目を迎え、これからどのようにビジネスを展開していくのだろう。昨年12月に「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ世界無形文化遺産に登録されたことをご存じだろうか。これに絡めて、JFCでは日本産の食材にこだわり、これまで以上により広く深く日本食が香港及び周辺地域へと広まるように努め、意識していく方針だ。

香港に来てもうすぐ丸3年を迎える坂根氏。香港は刺激が溢れていてビジネスする上では素晴らしいと感じている。コンパクトなマーケットだが動きが早い、店の入れ替わりも頻繁、すべてにおいてスピード感が溢れている、良くも悪くも、何かが起こる毎日。そして、日本食に対する興味、知識、そして経験値も他の国に比べると香港は高いと感じるそうだ。日港の友好関係を保つのに「日本食」は大切な項目のひとつなので、食に関わる者として、より安全、安心なものを届けていく重要性を強く感じるそうだ。

香港以外にもドイツに8年間駐在経験がある。あちらのマーケットは香港とは対照的で、どっしり落ち着いていて、平穏に暮らせる。こちらから何か仕掛けないと何も起こらない、歴史と伝統を重んじ、軽率に変化を求めない生き方が当たり前。そんな中で仕事をするのは違った意味で大変だった。しかし、坂根氏自身はドイツは大好き、芸術、文化が素晴らしいと感じる。ドイツはヨーロッパでもリーダー格、モラル、ルールが突出してしっかりしており、日本人と相通じるものがあると考える。

そんな坂根氏、プライベートの時間はどのように過ごすか伺うと「仕事もプライベートも一緒」の返事が。20年以上、サントリーやキッコーマンで外食担当営業部門にいたので、平日は得意先を回り、顧客と過ごすことが多かった。現在は単身赴任のため、週末も顧客の店を訪ねているそうだ。シェフやバーテンダーと話しながら飲食するのが楽しくて仕方がない、外食が好きだから、この仕事が楽しく、苦痛に思ったことがないとのこと。

読者へのメッセージは「皆さんの故郷の特産品、名産品を香港に紹介してほしい」。その理由は、それをきっかけに日本各地を訪ねてもらい、地方の良さを色々な面で知ってもらいたいから。地方を活性化することが日本の発展にもつながる。「地域ブランド」を香港だけでなく、多くの海外の人に知ってもらう事が、日本食への興味を深めるきっかけになる。そして、地域の人も海外から観光客が訪れるように観光名所の設備等を進め「おらが村・町」のブランドをマーケティングし、海外に目を向けることも大切。JFCのビジネスだけでなく、それを支える日本食の普及、地域振興まで考える坂根氏の日本と日本食に対する強い思いが感じられた。

JFC

JFC Hong Kong Ltd.
住所:5/F., Ever Gain Centre, 43-57 Wang Wo Tsai St., Tsuen Wan, N.T.
電話: (852)2428-6431

Pocket
LINEで送る