教えて！総経理！

発展途上国の子供たちにも、せっせを届けたい！
昨年、香港に設立された「キャラポート有限公司」総経理にその想いを伺った。

■まず最初に、御社の設立の背景を教えてください。
キャラポートは、元々ライバル関係にあった子供向け文具メーカー2社、サンスター文具株式会社とショウワノート株式会社が合同出資して、2013年10月に香港で設立されました。業界では、かなり話題になりましたね。
この話は、数年前から進められていて、2社は環境問題や子供の教育についての考えが一致していましたので、子供用のキャラクター文具事業をアジアへ展開しようということで合意に至りました。
■現在の業界全体の状況はいかがでしょうか？
そうですね。子供向けの文具業界ということで、日本国内の少子高齢化の影響を直接受けます。ですから、今回の我々のように海外へ事業拡大したり、発想や方向性を変えていく必要が出てくるのではないでしょうか。
アジアの方々は、やはり日本人と感覚が似ている部分も多いので、日本で人気のあるキャラクターは他のアジア各国でも人気があるんです。（著作権の都合により、キャラクター名の記載は控えます）
■香港での業務・オフィス運営について、日本とはどんな違いがありますか？
やはり、版権（著作権）の交渉が一番大変です。日本で我々がデザインしたキャラクターの商品を販売するにも、香港でデザインされた商品を扱うにも、どちらの場合も香港で香港側の版権承認が必要となります。
香港は日本よりも企業や個人の意思がしっかりしますし、この業界だからか、決定権をもっているのは女性が多いですね。本当にこちらの女性は意見の主張が非常に強く、Yes/Noがはっきりしています（笑）
言語も異なりますし、交渉には苦戦することもありますが、出来る限り実績データを用意し、論理的に交渉するようにしています。
■設立から半年経って、業務を円滑に進めるための工夫点・発見などがありますか？
メンバーは現在、現地のスタッフが2名、日本からのスタッフが3名の合計5名です。現地のスタッフに関しては、前職の経験やその人個人の持ち味を十分に生かしてもらえるように接しています。業務に関しては、言語も違いますから情報共有のための連絡・報告は必須です。もちろん、日本本社との連絡も緊密にとっており、私は月の半分を日本、もう半分を香港で過ごしています。そして一番大切にしていることは、何か問題が起こったときにその場で解決するということ。これは前職のサンスター文具でも大切にしていたことです。
■海外赴任のご経験は？また、香港生活には慣れましたか？
海外赴任は初めてですが、こちらの生活はご飯も美味しくてカラダに合いますし、特に不自由はないですね。私は香港と日本を行ったり来たりすることが多いのですが、そんな生活でも体調を崩したことは一度もありません。健康維持の秘訣は、中国茶かな（笑）雲南省のプーアール茶。中国出張時に時間があれば、テイスティングして選びます。普通のグレードの茶葉ですよ。茶器でゆっくり飲むのが好きですが、普段は時間がないので、茶漉し付きのマイカップに茶葉を入れて飲んでいます。
■現在、力を入れている点と今後の目標を教えてください。
そうですね。こちらにも書いてあるように（壁にかかった大きなボードを指差て）、”Our full range of productswill bring all Asian people happiness and energy.”というスローガンがありまして、つまりは「アジアの子供たち、そして全ての人々にHAPPYを！」ということですね。キャラクター文具を通してみんなに元気になってもらい、豊かな人生を送って頂きたいという気持ちがこめられています。こちら側だけでなく、常に相手側にも利益があるように、Win-Winの関係であること。全ての生産者、管理者、消費者が平等であるべきだと考えています。
現在、我々は、現地に生産工場を設置する、原材料を見直すなど、商品開発におけるコストの削減に取り組んでいます。これによって、割高になりがちな、キャラクター文具の価格をおさえることを目指しています。アジアの発展途上国の多くの子供たちにも、日本のキャラクター文具を使ってもらい、HAPPYになって頂きたい。ゼロからのスタートです。頑張っていかないと！

［鈴木直利氏 PROFILE］
1964年 福岡県生まれ
2004年 株式会社バンダイ入社
2005年 株式会社セイカ出向
仕入／生産／企画開発部長
2009年 ㈱サンスター文具と㈱セイカ業務統合
生産管理統括部長
企画開発ＣＤ１部長
2013年4月 海外事業部部長
2013年10月 Chara Port Co.,Ltd. 総経理

Chara Port Co., Ltd.
住所：15/F., I, MG Tower, 133 Hoi Bun Rd., Kwun Tong
電話：+852-2351-0700
ファクス：+852-2351-0311