総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:SARSと新型コロナ

2020/08/26

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 hori prof 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続いています。まだまだ終息の目途が立たないばかりか、一旦収束したかに見えた国や地域でも再び感染者数が増加するなど、このウイルスは人類が戦う相手としては極めてしたたかです。春先には、夏になれば感染が収まるとの見方が一部にありましたが、どうやらこのウイルスにはインフルエンザのような季節との関係性は高くないようです。期待されるワクチンが一般に供給されるのは早くても年が明けてからになりそうなので、それまでは感染者を発見して隔離するとともに、少しでも感染しにくい環境をつくりあげていくこと、あるいは感染者の重症化予防に対策の重点が置かれることになるのでしょう。

 

ワクチンと治療薬

 ワクチンなどの開発は各国が熾烈なまでの競争を演じており、思っていたよりも早く実用化されそうです。アメリカがワクチン開発のトップを走っているものとばかり思っていたら、中国が先頭になっていたり、次に見ると英国が先頭を走っている。ロシアも負けてはいないようです。まるで競走馬が鼻の差での勝負に熾烈な競争を繰り広げているかのようです。もちろん日本もワクチン開発を行っており、開発競争の先頭からは少々遅れをとっていますが、必死に追い上げを図っているところです。私の大学時代の同級生が開発メンバーとして頑張っています。良質のワクチンができるのを願うばかりです。

 ところで2003年に世界を震感させたSARSや2012年以降散発的に発生しているMARS(中東呼吸器疾患)は、どちらもコロナウイルスの仲間です。SARS以降の医学の進歩は凄まじいものがあります。新型コロナウイルスは、新しい感染症の存在が一般に知られるようになって間もない今年1月上旬には全遺伝子の解析が完了していました。そのおかげで特にワクチンの開発にスムーズにとりかかることができたともいえます。SARSは当初その正体がわからず、スーパースプレッダーとよばれる感染力が非常に強いウイルスを持つキャリアーの存在が恐れられたものです。一方ですべての感染経路が明らかになるなど、初期のウイルスは別にして感染力はそれほど強いものではありませんでした。それでも死亡者数がじわじわと増えていくので人々は不気味な不安感に包まれたものです。新型インフルエンザ(H5N1など)が流行し全世界的なパンデミックが心配されたころ、ワクチンの開発にはかなりの時間を要するとされていました。あの当時は一時絶望的な気分にさせられたものですが、インフルエンザの特効薬とされるタミフルが効果的であることがわかったとたんに安心感が広がったものです。ただ当時はタミフルの生産が追い付かず、供給に先行き不安を感じる人も多く、万一社員やその家族が感染してしまった時に備えて、多くの日系企業はその備蓄に走ったものです。なお、SARSに関しても世界中でワクチン開発に取り掛かったものですが、終息が早く完成に至ることはありませんでした。

 

コロナ後何が変わるか

 SARS流行の際を思い返すと、終息宣言後には明らかに衛生感覚が向上しました。具体的にはトイレで手を洗うようになったことです。トイレットペーパーやペーパータオルがどこのトイレにも当たり前のように置かれるようになったのはSARS後です。水分を吹き飛ばしてミストをつくってしまうので感染予防的見地からあまり歓迎できないものではありますが、トイレにエアータオルが置かれるようになったのもSARSのしばらく後です。新型コロナを機会に、これからも社会に何らかの変化がおきるのは間違いないでしょう。しかし人々の生活がこれまでと劇的に変わるのではないかと、ある意味期待を込めてその可能性について語られていますが、個人的には徐々に元の状態に戻っていくのではないかと思います。もちろん次に来るであろう新しい感染症に対する社会システム上の防衛力は増強するでしょうが、例えば働き方が大きく変わるなどということは、業種間で大きな差が生じるのではないでしょうか。

 これまでと何が変わるのか?欧米ではマスクに関する認識が大きく変わるはずです。SARS感染が拡大中で、フランスの高速鉄道のTGVは乗客にマスク姿のアジア人が一人いたということで即座に運休になってしまいました。当時欧米ではマスクに対してその程度の認識しかなかったのです。欧米に限らずマスクの捉え方が、がらりと変わるのかもしれません。少なくとも飲食店では調理人はもちろん、フロアのスタッフもマスク着用が普通の光景になるのではないでしょうか。またバスやタクシーのドライバーもマスク着用になりそうです。昨シーズンはインフルエンザ流行がほとんどありませんでした。これが直接的にコロナと関係しているのかはわかりませんが、マスク着用率が高くなったこと、手指の消毒を心掛けるようになったこともその大きな理由ではないでしょうか。そうなると次のインフルエンザシーズンにもその感染者数の減少が期待できます。日本国内で毎年数千人くらいのインフルエンザ感染による死亡がありますが、これが激減するかもしれません。

 数年後に今を振り返ると、表面的には意外にも目立った生活変化が生じてないことに気づくのかもしれません。一日も早く流行が終息し、大きな変化はなくても良いので、とにかく平穏な生活が戻ることを期待したいものです

 


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