総合健康診断サービス「メディポート」医療情報:ダイエットが難しい?食欲の秋!

2017/10/24

長かった夏が去った今、日差しがやっと柔らかくなり、爽やかな夜風に響く虫の音にも力強さを感じるようになりました。やっと秋を実感できるようになりましたが、秋は「食欲とダイエット」という相反する難しい課題に挑まなければいけない季節です。肌の露出が多くなる夏に向けてはダイエットに励む女性もいるようですが、夏が過ぎてしまうと安心してなのか再び太ってしまう。そんな悩みを抱える女性も少なくはないようです。女性に限らず男性であっても秋には食欲が増して太りやすくなると多くの人が信じているようですが、これはただの思い込みではなく生物学的にも医学的にもその理由が裏付けられるものなのです。厳しい冬に備えるために、動物は餌が豊富な秋にエネルギーを蓄えるという本来の習性があります。その究極ともいえる動物がクマなのかもしれません。一切の餌を口にすることができない長い冬眠生活に備えて、できる限りエネルギーを蓄える必要があります。あれだけの巨体で雪に覆われた山野を歩き廻ってエサを探しまわったところで、体力を奪われるばかりで生きていくことは相当困難なはずです。冬眠は、餌に乏しい季節に、生命を維持するために必要な有効な手段であり、利に適ったものといえましょう。

メディポート代表:堀 真
メディポート代表:堀 真

さて、ヒトの場合はどうでしょうか。実はヒトも哺乳動物の一角を占める生き物であることに違いはありませんから、当然ながら似たようなところがあります。秋は主食としての米や芋、そして果物など、年間を通して最も豊かな食物に恵まれる季節です。ヒトもこの時季にたくさん食べて冬に備えるわけですが、一方で収穫された作物を様々な方法で保存して冬に備えます。リスなどが木の実を集めて冬に備えるという行動をしますが、ヒトは昔から食物を干したり、塩漬けにするなど加工する知恵を持ち合わせていました。冬を迎えるにあたっての大切な季節に、米はもちろんのこと農作物の不作が起きてしまうと、冬の生活を極端に脅かすことになります。五穀豊穣に感謝して日本全国で執り行われている秋祭りがいかに大切な行事であるかが理解できますが、宮中祭祀のひとつである新嘗祭はその頂点にあるものといえましょう。

ところで実りの秋にエネルギーをできる限り体の中に貯めておこうとする行動は、現代では無用なものになりましたが、ヒトが食生活をまだ採集に頼っていた太古の時代には普通に行われていたのではないでしょうか。もちろんヒトが冬眠するわけはありませんが、栄養状態を最良のものとして免疫力なども高めた状態で冬を迎えようとする本能が働いていたものと考えられます。その遺伝子はその子孫である現代人にも確実に引き継がれているはずです。

秋の日に、西に傾いた太陽はつるべ落としのごとく早く落ちるものです。実は日照時間が短くなると食欲を抑制することに働くホルモン、セロトニンの分泌が減少することが知られています。秋になると食欲が増すという一因はここにあります。そこで現代の食生活を考えてみなければいけません。

採集に頼ることがなくなった現代の食生活は、例外を除けば食糧生産体制が整い季節に関係なくいつでも十分に供給される体制にあります。そのうえ我々の味覚を満足させる食品が巷にあふれる状態になっているのが現状です。生理的に食欲が増進する季節になると、ついつい食べ過ぎてしまうことにもうなづけます。今の時代は秋だから太りやすいというわけではありません。現代人は季節に関係なく、注意しておかないと常に太りやすい環境にあるということを理解しておかなければいけません。冬の生活も快適な環境である現代では、厳しい寒さの中、体温を保持するために多くのエネルギーを消費してしまうということもないのです。しかも寒い季節には運動量も少なくなりがちです。過食傾向である上に運動量が少ない現代人は、冬でも歩き回って乏しい食糧をかき集めていた太古の人々とは全く逆の環境にあります。摂取カロリーが多いにもかかわらず運動量が絶対的に少ないのが現代人の特徴です。

さて、とても快適な季節が巡ってきました。スポーツの秋です。適度な運動は年間を通して行うことが良いに違いありませんが、今の季節に始めるのが最も長続きしそうです。やみくもに運動しても意味がありません。とにかく歩きましょう。いつもは乗物に乗ってしまうところでも、爽やかな風を受けて歩くのは気持ちが良いものです。先日はこのPPWでもハイキングとキャンプについて良くまとめられた特集を組んでいました。大自然と大都会が隣り合わせの香港は、歩く環境がとても良く整備されています。街歩きでは、背筋を伸ばして、少し大股で、ちょっとだけ早歩きが基本です。さあ、今日から歩いてみませんか?

メディポートINFO

Pocket
LINEで送る