総合健康診断サービス「メディポート」医療情報:インフルエンザ 流行拡大中

2017/07/12

春節を前にしていよいよインフルエンザのピークシーズン を迎えました。今季は12月に入ってからというもの、冬らしさ を感じないとても暖かな天候に恵まれたことから、インフルエ ンザのことなどすっかり忘れてしまっていた人も多いのではな いでしょうか。香港の昨年12月の平均気温は1884年に天文台 が観測を始めて以来3番目という異例の暖かさだったというこ となので、それも無理はありません。しかも例年インフルエン ザ患者が増え始める11月に雨が多く降って湿度が高めに推移
したことも流行を遅らせた要因になっているようです。しかし ウイルスにとっては悪い条件ではあっても、インフルエンザの 患者数はこれまで徐々に増え続けてきており、今後、気温の急 降下などをきっかけに爆発的な流行になる可能性もあり油断 は禁物です。香港では春節後に湿度が急激に上昇し、気温も アップダウンはあるものの徐々に上昇していくので、本来であ ればインフルエンザ流行に歯止めがかからなければいけな いはずですが、この時期も患者数の増加が続きます。日本では 低温で乾燥した状態で流行するというのがインフルエンザの 常識。この不思議な現象を日本の専門家に直接質してみたの ですが、日本とはあまりに違う流行で、その理由がまったくわ からないという返事しかなく、今も私の大きな疑問のひと つとして残ったままです。インフルエンザは感染力が 強いため、いったん流行に火がつくと患者数が急激 に増加します。これから3月下旬まで感染には十分 な注意が必要です。

メディポート代表:堀 真メディポート代表:堀 真

さて、毎年流行を繰り返すA型インフルエンザウ イルスは俗に香港風邪とも呼ばれているウイルスで す。毎年少しずつ構造を変えてはいるものの、基本的 には同じタイプのウイルスが流行を繰り返しているわけです。 このウイルスの起源は、実は鳥インフルエンザであることはあ まり知られてはいないようです。年輩の方であれば記憶にある かと思いますが、これまでにアジア風邪やソ連風邪と呼ばれた インフルエンザがありました。それぞれ新型インフルエンザと して世界的に流行したものですが、さらに起源を追うと世界中 で3000万人もの死者を出し、第一次世界大戦の終結が早まっ た大きな理由になったともいわれている1900年代当初のスペ イン風邪に遡ることができます。その当時のインフルエンザウ イルスがその構造を徐々に変化させ、性質も少しずつ変えな がらヒトの健康を今も脅かし続けているわけです。インフルエ ンザウイルスは10~40年の周期で大きな変化をおこして新型 ウイルスに生まれ変わると言われていますが、この際に重要な 仲介役となる生きものが、実は鳥と豚なのです。

この冬も日本各地で鳥インフルエンザが確認され、養鶏場 では何十万羽ものニワトリが殺処分されています。これは少々 残酷ではありますが感染の拡大を防ぐための唯一の手段とし て取られている措置です。鳥インフルエンザが鳥の世界だけに とどまってくれていれば、ヒトには何の問題もありませんが、厄 介なことにH7N9型鳥インフルエンザなどいくつかの 鳥インフルエンザウイルスがすでにヒトに感染し 始めているのです。感染した鳥と濃厚に接触し た場合などに偶発的に感染していることがほ とんどだと思われますが、世界中で死亡例も散 発しており、決して侮るわけにはいきません。ウ イルスは常にその性質を変えており、ヒトからヒト へ感染することが可能であるウイルスがいつ出現し てくるのか、その点が専門家の間 では目下最大の関心事となってい ます。

酉年であるにもかかわらず鳥が 厄介な存在になりかねない鳥イン フルエンザですが、ヒトの世界では 研究がかなり進んでいることも確 かであり、まったく新しいウイルス が現れても再びスペイン風邪の時 のような惨禍を繰り返すことはな いと信じます。

超過死亡という考え方があります。インフルエンザであれ ば、基礎疾患などがある人が感染したがために死亡してし まった場合です。現在、流行中の季節性インフルエンザであっ ても世界中で毎年数十万人が死亡していると推計されている 怖い病気です。目覚ましい医学の進歩のおかげで、昔のように 恐れなければいけない病気ではありませんが、感染はできる 限り予防しておきたいものです。人混みを避けることはもちろ んのこと不要な外出は避けたいものです。さらに外出後は丁 寧に手洗いすることは基本の基本。また免疫力を低下させな いために十分な睡眠をとり疲れをためないこと、バランスがと れた食事を心がけることが大切です。可能であれば軽い運動を 継続することが広い意味での「体力」を維持することに効果的 なので、免疫力強化という観点からも是非お勧めしたいことで す。なお鳥インフルエンザに対しては、当然のことながら死んだ り弱ったりした野鳥には決して近づかないことが感染予防策と して大切なポイントになります。

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