元祖スーパーフード? ナッツ類にまつわるエトセトラ

2017/03/01

ナッツ今年はより健康的な食生活を目指したいとお考えなら、日々の食事にナッツを取り入れるのは手軽な方法かもしれない。最近の研究結果によると1日20g以上のナッツを食べる人は冠状動脈性心臓病で30%、癌で15%、健康に関するリスクを減らすことができるという。

ナッツ類摂取による健康効果の研究はインペリアル・カレッジ・ロンドンとノルウェー理科大学の研究者によってすすめられ、共著者のDagfinn Aune氏は、「今回の研究では、ナッツと健康の関係性の根底に存在する、様々な病気のリスクに対する一貫した効果を発見しました。摂取量からすると、その効果は相当なものです」と語った。

調査は木から取れるナッツと、実は豆類であるヘーゼルナッツ、ウォルナッツ、ピーナッツの区別なく行われたが、結果は概して類似していた。

ナッツには脂肪が多いが、食物繊維とタンパク質も多く含有しており、肥満のリスクを減らす可能性があることを示唆する幾つかの証拠も見つかった。Michelle Lau氏(Nutrilicious公認栄養学者、栄養教育者)は、「ナッツは栄養分が豊富なため、一日片手1杯程度の摂取にすべきで、蜂蜜などでコーティングされたもの、塩味が付けられたものは避け、アレルギー発生防止のためにも、様々な種類のナッツを食べるのが良い」と語った。また、ナッツの薄い皮はフラボノイドやポリフェノールが最も多く含まれている部分であり、健康効果からすると捨てるには惜しい存在なのだとか。

アフラトキシン(急性肝炎、免疫抑制などとも関係している有毒発がん性物質)を分泌するアスペルギルス属真菌による汚染を防ぎ、かつオイル成分やビタミンEの破壊を防ぐためにも、ナッツは直射日光の当たらない、涼しく、乾燥した場所に保管するのが良い。もしおかしな匂いや味がしたら廃棄しよう。

Lau氏はナッツアレルギーがある人は代わりに全粒穀類、ひよこ豆のホムスなど低タンパクな食材、様々な果物と野菜で栄養を摂ることを勧めている。亜麻やチアの種子、麻の実は、ナッツの代表的な代替物であり、それらはナッツに類似した脂肪や繊維、ミネラルを含んでいる。噛み応えのあるものがお好みなら、ヒマワリの種やソイナッツも良い選択肢かもしれない。

アーモンド

アーモンド

他のナッツよりも多くの食物繊維とビタミンEを含み、マグネシウムとマンガンも多い。ビタミンEの酸化防止剤機能がLDL(悪玉コレステロール)と総コレステロール値を減らして心臓病のリスクを軽減するのに加え、セレン(ミネラル)を多く含むので癌の防止効果もある。アーユルヴェーダの医療でも、脳の活力、長寿に有効とされる。

ブラジルナッツ

ブラジルナッツ

体の酸化を防いで心臓病を予防し、癌の発生を予防するセレンが豊富。食物繊維と良質な脂肪を多く含み、解毒と抗炎症作用、甲状腺機能の向上に役立つ。

カシューナッツ

カシューナッツ

多くのナッツより低脂肪で、糖尿病患者に有益で慢性的炎症の防止にも効果的なアナカルジン酸を含む。豊富に含まれるオレイン酸、パルミトレイン酸などの一価不飽和脂肪酸は心臓に負担が少なく、血液中の善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きがある。

ピーナッツ

ピーナッツ

ナッツの中でも食物繊維量が多く、ビタミンE、葉酸、ナイアシン(ビタミンB3)、マグネシウムとカリウムも含んでいる。中医学の世界では皮が血小板の不足に効果的とされる。

ピーカンナッツ

ピーカンナッツ

木の実の中で最も多くのポリフェノールとフラボノイドを含むほか、ビタミンA、葉酸、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、ビタミンB群、亜鉛など様々なビタミン、ミネラルを含有し、LDLコレステロールの酸化を防ぐビタミンEも豊富。片手1杯で1日に必要な食物繊維の10%を摂ることができる。

ピスタチオ

ピスタチオ

木の実の中で2番目に高いポリフェノールとフラボノイドを含み、カリウム、ビタミンB6、銅やマンガンも豊富。”殻付きピスタチオを食べていると、満腹感と満足感を強化してカロリー制限に効果的”という調査結果もある。間食に取り入れれば血糖値、血圧、体重のコントロールと、抗炎症作用の作用が。

クルミ

クルミ

他のナッツより食物繊維と一価不飽和脂肪は少ないが、オメガ-3を多く含み、酸化防止効果が高い。1gのクルミには不眠症の改善に有効なメラトニンが2.5~4.5ng(ナノグラム)含まれる。

ヘーゼルナッツ

ヘーゼルナッツ

ビタミンE、マンガン、チアミン(ビタミンB1)、葉酸と脂肪酸を高水準で含み、認知症予防に効果的とされる。葉酸も豊富で、妊婦が摂ると胎児の脊柱と脳の発達に役立つ。

栗

糖尿病性合併症と癌の予防に効果的なケルセチンなどのフラボノイドを含む。適切な摂取量は健康状態によって異なり、栄養の吸収障害による慢性的な下痢で苦しむ人が多めに摂ることは症状を改善させるが、完治後は却って便秘の原因になる可能性がある。

マカダミアナッツ

マカダミアナッツ

グルテンを含まないので、グルテンフリーの食事によく使われる。体の代謝機能に不可欠な多くのビタミンB6類が豊富なほか、冠状動脈疾患のリスクを軽減する一価不飽和脂肪とポリフェノール合成物質を含む。

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