【医療&保険事情】快適な香港ライフは正しい知識から!

2023/03/15

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赴任開始時は特に、慣れない香港での生活や、気候や環境の変化により体調を崩してしまう方も多いだろう。そんな時は安心の日系サポート機関に問合せてみよう。
快適な生活を送るには、頼れる医療や保険体制を整えるところから。

香港の疾病と医療事情

(取材協力 さくらクリニック)

代表的な疾病
香港は年間を通して温暖な為、建物内外の気温差により体調を崩しやすいです。また、夏季には熱中症、雨季には食中毒など、日本との環境的要因の違いや近年の慢性的な大気汚染により、咳や気管支炎、アレルギー症状や皮膚疾患も多いです。1

子どもの代表的な疾病
URTI (上気道感染症)、インフルエンザ、手足口病、感染性胃腸炎、アデノウイルス感染症、RSウイルス感染症、水痘、マイコプラズマ感染症、ヘルパンギーナ、流行性結膜炎、熱中症、突発性発疹などが代表的な病気です。3487657_m 子どもは身体機能が未熟な為、多少の環境変化により体調を崩しやすく、感染症を患うことがあります。私たちの身体は「自然免疫」と「獲得免疫」によってウイルスや細菌などの病原体から守られています。自然免疫とはヒトが生まれながら保持する免疫システム、獲得免疫とは後天的に形成される免疫システムを指します。獲得免疫は病原体に感染しないと抗体を作れないのですが、子どもは病原体の感染経験が大人よりも少ない為、この獲得免疫が未熟です。
ヒトは生後10ヶ月頃~5歳頃までに約300もの病原体に感染するといわれており、そのなかで少しずつ獲得免疫を強化していきます。小学生の頃には300の病原体のほとんどに感染し、病原体への抵抗力が高まってくる為、風邪をひく頻度も年1~2回程と、大人と同程度になっていきます。それまでは何度も病気にかかるのがいわば普通で、6歳頃には大人に近い免疫状態となります。その間にかかりやすい疾病に注意して健康管理に努めることが重要で、子どもの体調が優れない場合や健康や発育に心配がある時は、かかりつけの小児科医に早めに相談しましょう。

手足口病

手足口病

突発性発疹

突発性発疹

基本的な医療制度
パブリック(公立病院)とプライベート(私立病院・クリニック)に大別されます。香港の公立病院の医療水準は世界トップクラスであり、香港居民は安価で受診できます。しかし救急以外の受診は一般的に待ち時間が長く、日本語窓口がありません。命に関わる緊急時や救急車を必要とする際は公立病院が受け入れ先となり、5段階のトリアージにより迅速に診てもらえます。救急車の手配は「999」。緊急時24時間対応で、誰でも利用でき、最寄りの公立医療機関へ搬送されます。
私立は総合病院とクリニックに分類されます。症状や標榜科、通院の利便性、自身の保険状況に基づき使い分けます。香港の医師はGP(内外全科医、家庭医)とSP(内外全科医と専門医称号をもつ医師)に大別されます。一般的に入院や大掛かりな手術は総合病院、日常の病気や体調不良はクリニック(かかりつけ医)と分別されています。
香港の公立病院や総合病院のA & E(accident & emergency)救急医療科や総合外来は、「walk in」(いわゆる飛び込み)での受診も受け付けていますが、香港を含めた海外の医療機関は一般的に予約制が大半です。また、受診の際には身分証(HKIDまたはパスポート)の提示が必須です。

Queen Marry Hospital

Queen Marry Hospital

基本的な保険制度
日本の健康保険のような制度はありません。企業の中には、福利厚生の一環として医療保険を付与したり、個人で自主加入する方もいます。医療保険は、治療や入院に対する保障内容や限度額が付帯内容や契約内容の種類・ランクによって異なります。
海外での医療は、一般的に日本と比べて高額であり、全額負担や一時負担が発生する場合、経済的に大きな負担となる場合があります。日本人駐在員向けにキャッシュレスサービスが受けられたり、日本語での医療通訳やサポートが付く保険もあります。

海外生活で起こりやすい事例や注意喚起
先述した通り香港の医療水準は世界トップクラスであり、治療方法や処方箋も最先端の為、高度な医療が受けられます。しかし、日本との医療システムやスタイルの違い、言語、保険や医療費の違いなど、最初は戸惑うことが多いかも知れません。子どものいる家庭においては、発育相談やワクチンプログラム、怪我や病気など心配が尽きないでしょう。気軽に相談のできるかかりつけ小児科医を持つことをおすすめします。doctor-patient-are-discussing-something-just-hands-table_1421-51 また、言語によるコミュニケーションの壁、文化や生活環境の違い、新しい職場、学校で感じる気苦労など、海外赴任には様々なストレスが付きまといます。慣れることで徐々に軽減していきますが、中には適応できずメンタル面に不調をきたしてしまう方も少なくありません。メンタルヘルスの観点からいうと、初期症状を感じた時点で酷くなる前に早め早めの対処を行うことが大切です。メンタル面では、憂鬱、やる気が出ない、無気力、不安。フィジカル面では、不眠、記憶力や集中力の欠如、頭痛や胃痛、肩凝り、食欲不振、過食といった症状が現れます。つらい時には一人で抱え込まず、医療機関に相談しましょう。

季節(初夏~夏)の留意点
香港では4~5月にかけて気温・湿度が一気に上昇します。夏に流行する病気の一つにウイルス性の胃腸炎があります。主にカンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオなどの細菌が原因となり、特に夏場に食中毒などを引き起こします。腹痛、嘔吐、下痢が特徴で、重症化すると血便が出る場合もあります。下痢をすると体内から急激に水分が失われるため、脱水症状にも注意が必要です。
細菌やウイルスの感染を防ぐため、手洗い・うがいが第一の予防になります。食事の前やトイレの後には必ず手を洗いましょう。また、雨季や夏場は雑菌が繁殖しやすいので、食品を十分に加熱するよう心掛け、調理器具の殺菌にも気を配りましょう。下痢や嘔吐の症状がある場合は、常温の飲料水やスポーツドリンクを少しずつ飲み、下痢により失われた水分を補いましょう。お粥やうどん、すりおろしたリンゴなどもおすすめです。逆に牛乳やチーズなどのデイリープロダクツ(乳製品)は下痢の悪化を招く可能性があるので避けましょう。
最後に、夏場はエアコンの上手な使い方や、屋外での活動や移動時にはこまめな水分補給を心がけましょう。

 

スクリーンショット (2391)スクリーンショット (2392)TST・セントラルの日本人向けクリニック
さくらクリニック(チムサーチョイ院/セントラル院)
日本語の話せる女性医師常駐
(852)6737-6200(日本語医療相談/ご予約)
総合診療科・総合内科・小児科・胃腸科・消化器外科
海外旅行保険キャッシュレスクリニック
(損保ジャパン日本興亜・三井住友海上・東京海上日動・日新・共栄・エース・HS・au・Ji・あいおいニッセイ・AIU/AIG・ヘルスケアプログラムカード)
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海外にいても適用される日本の健診制度

(取材協力 メディポート)

労働安全衛生法第66条に基づき、事業者は労働者に対して、医師による健康診断を実施する義務があります。また、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければいけません。冒頭から堅苦しいお話ですが、この法律が日本人の健康診断に対する意識の高さを育んだ大きな理由にもなっているのでしょう。そのほか住民健診制度など行政サービスとしての健康診断もあり、誰もが健康診断を受診できる環境が整っている日本は世界でもまれな存在といえます。
さて、駐在員として海外に派遣されている人でも、日本の法人等に帰属している以上、日本にいる時と同様にその法律の適用を受けるものです。そのため日本の在外事業者の多くは健康診断の規定を設けているのです。実際多くの在外邦人は家族も含めて健康診断を受診しています。たかが健康診断と思われる方もあるのかもしれませんが、事業所にとっても、駐在員にとっても、とても重要なものです。昔、駐在員が勤務中に死亡した事例が日本で裁判となり、香港での健康診断実施状況が争点のひとつになったことがあります。このときは会社と遺族が和解しましたが、双方大きな痛みを伴ったことでしょう。だからというわけではありませんが、健康診断は重要なイベントであると認識しておきたいものです。medi

健康診断は病気の発見が第一の目的ではありません
健康診断費用を事業所が負担してくれるにも関わらず、多忙を理由に受診しない、あるいは単に受診したくないといって無視する人もあるようですが、せっかくの機会を最大限に利用して自身の健康維持増進に役立てて欲しいものです。体重が増えてきたから受けたくないとか、問題を指摘されるのがわかっているからといって受診を先延ばしする人もいますが、とてももったいない話。健康診断は基本的に健康である人が受診するものですから特別な結果が出てしまうことは稀です。現在の健康状態を把握して、その増進に向けての基礎データを得るのが本来の目的です。もちろん内視鏡検査のようにがんの早期発見を第一の目的とするものもありますが、自分自身でリスクの大幅な低減を図れる循環器系疾患(心臓、脳血管疾患)の予防が最も大切であることを覚えておいてください。

がんでは死ななくなります
十数年後には、がんは、死を恐れなければいけない病気ではなくなるそうです。その結果、平均寿命が8歳延びると試算されており、一気に高齢化が進みます。おそらく100歳人口は現在の数倍に達することでしょう。もはや長生きは喜ばしいと言っていられる時代ではなく、超高齢期を迎えた多くの老人は寝たきりになったり、排泄の介助を受けたりしなければならず、生きていること自体が大きな苦痛になるのかもしれません。誰にとっても他人ごとではありません。寝たきりを避けるのはもちろんのこと、たとえ100歳を迎えても、せめて自力でトイレまで行けるくらいの身体機能を維持しておきたいものであり、そのためには若い時からの心掛けが必要です。健康診断の結果を活用してその準備をしなければいけません。
たかが健康診断、されど健康診断。何の問題もない良好な健診結果でも厳しい目で見るといろいろな情報が読み取れます。結果についてきちんと解説してくれる医師や専門家がいると良いですね。健康診断を受けることは、自分のためでもあり、家族をはじめ自分にかかわるすべての人のためでもあります。積極的に受診しましょう。

 

堀 眞 メディポート代表
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。3 mediport医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは日本語ホットライン ☎2577-1568
健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
ウェブ:www.mediport.com.hk
メール:info@mediport.com.hk

 

安心できる医療保険について

(取材協力 NNI Insurance Brokers & Insurance 110)

香港の公立病院は診察代も安いため多くの人が利用し、かつ医師不足で大変混み合っており、緊急性がないと判断された場合はかなりの時間を待たされたりすることが多いです。風邪で行ったら半日待たされたというような話も聞きます。また、日本語は通じませんので言語に不安のある方はハードルが高いかと思います。
そうなってくると選択肢としては私立の病院やクリニックになってきますが、香港は自由診療のため病院側が自由に診察代や手術代を決めることができます。
そのためかかる費用も病院によって異なります。日本語が通じるような病院ですと風邪で診察を受けて薬をもらうだけでHKD1,000前後かかることもあります。入院となると一泊二日でHKD100,000~というような費用を請求されるようなこともあります。68963_m また、入院時の部屋のグレードで部屋代だけでなく、手術代、薬代、診察代が異なる点には注意が必要です。そのような高額な医療費に備えるために、香港に住む人は民間の医療保険に加入されているケースも多いです。

医療保険の種類
大きく分けて2つあります。海外旅行傷害保険とローカルの医療保険です。駐在の方であれば日本で手配して加入しているケースがほとんどかと思います。一部の日系の保険会社であれば香港に来た後でも加入できるものもあります。
基本的にはかかった費用を全額カバー(限度額あり)するような補償内容となっています。また、キャッシュレスで治療を受けられるようなものもあり使い勝手としてもいいです。ただしデメリットもあります。あくまでも”旅行”保険なので長期間治療が必要な病気などには使えないです。具体的には一つの病気や怪我など初診日から180日間しかカバーされません。慢性疾患に罹り長期の治療が必要な場合などには向いていません。4339404_m

長期駐在者や持病持ちの方はローカル保険がおすすめ
ですので長期に住むことが決まっている場合ですとローカルの医療保険に加入された方がいいと思います。カバー内容もフルカバーのものからある一定額までのものまで様々あります。もちろんカバー範囲が広い方が保険料は高くなりますのでどこまで保険で備えるかは要検討です。
これらの中で、実際に発生する治療費を補填する保険は大きく二種類に分けられます。入院の補償が基本必須な商品がほとんどで、通院補償などベネフィットを追加するタイプが多いです。補償内容で言うと様々ではありますが、治療費が全て補償されるフルカバータイプと呼ばれる保険と、一つ一つの補償内容に上限が決まっているサブリミットタイプと呼ばれるものがあります。医療保険は基本的に加入前に事前審査があり、もし持病を持っていたり治療中ですとかなかなか加入が難しい場合や、補償対象外となるなど保険会社の方で条件をつける場合が多いのでできるだけ健康なうちに、何かしら香港の高額な治療費をカバーできる医療保険に入り、長くお付き合いいただくのが良いのかと思います。22441623_m

日本の保険と香港で加入する保険はどっちがお得?
日本は健康保険制度があるので治療費は現役世代で3割負担、高齢者で2割、75歳以上は1割です。その上で日本の民間の医療保険は成り立っているので比較的保険料は安いと感じる方は多いかと思います。
一方香港は健康保険制度はなく、自由診療なので治療にかかる費用も青天井です。そのため民間の保険の掛け金(保険料)も高くなり、そんなに払えないとおっしゃる方も多いです。
ただ、日本の健康保険も収入の10%程度払っていると考えると、実は香港の民間の保険と同じくらいの金額を払っています。
例えば、月給30万円の人で、10%の3万円が月の保険料になります。年間保険料は36万円ですから、実はHKD22,000以上払っていることになります。健康保険料は、会社と従業員が半々で払いますので、月々1万5千円が天引きされていることになり、年間の保険料額に気がついていない方が多いです。日本の健康保険制度は皆保険制度なので加入しないという選択肢はありませんが香港は自分で保険に加入する、しないの判断ができます。全ては自己責任という海外らしい考え方ですね。

日本帰任時の手続きや以後の管理について
香港で販売している医療保険は、ワールドワイド対応やアジア地域対象という物がほとんどで、香港内のみ適用の商品はほとんど有りません。従って、日本で受けた治療の治療費を保険請求することは出来ます。ただし、領収書や診断書の原本の提出が必要であったり、保険金受け取りの為の銀行口座を香港で維持するなど手間が掛かることも多い為、掛け捨て型の医療保険は、帰国される際には解約される方が殆どです。一方で、貯蓄性の高い生命保険や特定疾病保険などは、万が一の場合には、高額な保険金が下りますし、何もなければ解約して増えた解約返戻金を受け取る事が出来るので、貯蓄の一部として残していかれる方が多いです。
保険は、年齢、病歴、予算などによって、ベストなものは変わります。私達は、お客様の状況をお聞きして、保険の選び方をアドバイスしながら、一緒にどの保険が一番良いか選んでいきます。保険の選び方を教わる感覚で、お気軽にご相談頂ければと思います。

 

中山祥一 代表取締役
1992年三井海上火災保険入社、日本の保険自由化を契機にNNI設立に参画。NNI香港の代表取締役。企業の損害保険を扱っており、香港内では日系含め400社以上の顧客数を誇る。(RVS)Mr. Nakayama
NNI Insurance Brokers (H.K.) Company Limited
個人の顧客を対象に生命保険や学習保険など、貯蓄型積み立て保険などを取り扱う。
電話:(852)2104-3131
ウェブ:www.nni.com.hk
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Insurance 110
電話:(852)3182-0110
ウェブ:insurance110.com.hk
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